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スズキ ワゴンR – 軽自動車に革命を起こした初代から、スズキのベーシックモデルとなった現行6代目まで!

ワゴンR

2018年1月現在、軽自動車の販売台数のほとんどを占める、ハイトワゴン系はトールワゴン系と呼ばれる車高の高い軽自動車群。その最初の1台では無かったものの、最初の大ヒット作として爆発的人気を誇り、軽自動車の歴史を変えたエポックメイキング的な車が、スズキ ワゴンRです。現在ではライバル増加でトップモデルとは言えないものの、依然として歴代モデルはスズキの主力車種、軽自動車全体でもベンチマークとして君臨しています。

各代の概要と時代背景

軽トールワゴン初の大ヒット作で、多くのライバルを生んだスズキ ワゴンR

現在、ハイトワゴンやトールワゴンと呼ばれる、天井が高くスペース効率が非常に高い軽自動車群全ての元祖的存在と見られることが多いスズキ ワゴンRですが、実際には「最初の1台」だったわけではありません。

360cc時代には、既にホンダからライフをベースに後のワゴンR的な天井の高い箱型ボディを持つライフステップバンが登場(1972年)。

軽自動車のエンジンが550ccを経て、現在の660ccにまで排気量を拡大した1990年には、三菱がミニカをベースに天井の高さを思い切り上げた初代ミニカトッポを発売しています。

さらに、トールワゴンと趣旨は異なるものの、軽セダンベースで貨物を目いっぱい載せるためボンネット以降を角形ボディとしたダイハツ ミラ・ウォークスルーバンや、後席部分の天井を思い切り高くしたフルゴネットタイプのスズキ アルトハッスルもありました。

しかし、それらはいずれも「風変わりな軽自動車」として面白がられたり、用途によっては広く役立ったりはしたものの、いずれも大ヒット作に至っていません。

それだけに、スズキが1993年に初代ワゴンRを発売した時、スズキ自らでさえも大ヒット作となるとは考えていませんでしたが、現実にはそれまでの車に無い新機軸を持っていたことで、歴史にその名を大きく残すことになりました。

予想外の大ヒットで軽自動車の歴史を変えた、初代(1993-1998)

1993年9月、スズキから新型軽自動車ワゴンR発売。既にミニカトッポなどで実績のある「ルーフが高いトールワゴンタイプの軽自動車」でしたが、それがヒットするとは誰も予想していませんでした。

それゆえ初期のラインナップはエンジンがNAの12バルブSOHCのみでターボ車の設定は無し、オートマも3速ATのみという単純なもので、スズキ自身、大した期待をかけたモデルでは無かったことがうかがえます。

しかし、ワゴンRにはそれまでのトールワゴンには無いもの、あえて言えば1970年代のホンダ ライフステップバン以来廃れていたものがありました。それが、既存のアルトやセルボモードをベースとしながら、デザイン上は高い位置にボンネットを持ち、短く厚みのあるフロント部分と、高い着座位置です。

これにより、「小さくて貧乏な雰囲気のある軽自動車」から一転、「外からは大きく見えて中からは見晴らしが良く、しかも広々としている立派な車」になりました。

特に着座位置の高さは秀逸で、商用バンベースの1BOXタイプ車より床面は低く、それでいて座面が高いので乗降性は非常に良好、しかも座面を上げた分のゆとりを使って、前席の座面をはね上げればバケツ状の収納ボックスがあるという使い勝手の追求までなされています。

後に追従モデルとしてダイハツ ムーヴ(初代)が登場した時にもその違いが明らかになりますが、ムーヴやミニカトッポでは座面の高さがベースとなったミラやミニカと変わらず、天井を高くしても無駄に頭上スペースが広いだけだったのです。

つまり、天井の高さは荷物を高く積むのに役立ったものの、頭上スペースのゆとりを活かして着座位置を上げるというワゴンRほどの思い切りは、どのメーカーも最初はできませんでした。

さらに縦長ヘッドライトによるファニーフェイスも相まってワゴンRは空前の大ヒットとなり、その後の軽自動車の売れ線は全てワゴンRの延長線上にあると言って良いほどの歴史的モデルになります。

その勢いに乗り、ワゴンR自体もターボ車、DOHCターボ搭載のスポーツモデル、コラム式ATとベンチシートを採用した足元広々モデル、走りに高級感を与える4速ATモデル、後席の快適性を高める後席ヘッドレストなどを追加。

さらに、初期には歩道側の左側のみ後席ドアを持つ変速4ドア(2+1ドア&リアハッチ)でしたが、後に右側後席ドアを追加して5ドア化されました。

1998年10月に軽自動車が現行の新規格化されたことでモデルチェンジを受けるまで約5年間生産されますが、その間のモデル追加もあって、押しも押されぬ軽自動車No.1になっていき、その後のワゴンRは基本的に初代のコンセプトをキープし続けています。

なお、マツダにAZワゴンとしてOEM供給を開始(1994年)したほか、登録車用プラットフォームにワゴンRのデザインを組み合わせた小型車版のワゴンRワイド(1997年・現在のソリオ)も登場しました。

代表スペックと中古車相場

スズキ CT21S ワゴンR RX 1993年式
全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,680
ホイールベース(mm):2,335
車重(kg):760
エンジン:F6A 水冷直列3気筒SOHC12バルブ
排気量:657cc
最高出力:55馬力 / 7,500rpm
最大トルク:5.8kgm / 5,500rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:3AT
燃費(km/L):16.4(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)I.T.L
中古車相場(各型全て):4万円~39万円

新規格化で大きく丸みを帯びたものの、基本キープコンセプトの2代目(1998-2003)

衝突安全性向上のため車体の大型化が図られた、現行の新規格軽自動車は1998年10月に登場、同時にワゴンRも2代目にフルモデルチェンジしました。

この代からライバルのダイハツ ムーヴ(2代目)、三菱 トッポBJ、ホンダ ライフ(2代目)もコンセプトやレイアウト、デザイン面でワゴンRに並び立つようになり、各社仕切り直しで横一線の再スタートとなります。

しかし、その時点でワゴンRのネームバリューはライバルの追従を許さないほど大きくなっており、軽自動車No.1モデルとして横綱相撲を取りました。

デザイン面ではヘッドライトを縦長から横にも広げて大きめのフロントグリルを持ち、テールもリアハッチ左右に縦長のテールランプユニットを持つよう変更され、全体的に角を落として丸みを帯びたデザインになっています。

しかし誰が見てもワゴンRとわかるようなキープコンセプトデザインとなっており、その安心感もあって、販売台数トップの座を維持したのです。

また、これもキープコンセプトで初代の特徴だった右側後席ドアを持たない2+1ドア&リアハッチの4ドアボディも5ドアボディ同様継続、引き続きライバルに対する特徴となっていましたが、これは使い勝手の面で敬遠されたようで、2000年4月に廃止されています。

もちろん、単純に初代を大型化したわけではなく、拡幅されたトレッド(左右タイヤ間の幅)を活かしてフロントタイヤの切れ角を増し、最小回転半径を4.6mから4.2mへと大幅短縮して小回り性を向上。さらに初期型のみではありましたが、ワゴンRとして初のCVT(無段変速機)も採用されました。

天井の高さを活かし、リアハッチを開けてスロープを伸ばせば車椅子で直接乗車可能な福祉仕様や、CNG(圧縮天然ガス)を燃料とし天然ガス(CNG)車もこの代で設定されています。

2代目は5度にわたるマイナーチェンジや一部改良を受け、グレード展開も廉価仕様からDOHCターボの豪華内装仕様やクラシック仕様、福祉仕様や多数の特別仕様車など多数展開されるスズキの主力車種として、2003年9月まで販売されました。

代表スペックと中古車相場

スズキ MC11S ワゴンR FX-T 1998年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,680
ホイールベース(mm):2,360
車重(kg):780
エンジン:F6A 水冷直列3気筒SOHC6バルブ ICターボ
排気量:657cc
最高出力:60馬力 / 6,000rpm
最大トルク:8.5kgm / 4,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:3AT
燃費(km/L):17.0(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)I.T.L
中古車相場(各型全て):0.1万円~55万円

アグレッシブデザインのスティングレーが追加された3代目(2003-2008)

フルモデルチェンジで3代目となったワゴンRは、丸みを帯びた2代目から、再び初代をほうふつとさせる角のあるスクエア形状ボディを採用したほかは、デザイン上は引き続きキープコンセプトです。

ただし、この代からターボ車用にボンネット上に開いていたインタークーラー冷却用のエアインテークは無くなり、フロントグリルからダクトで冷却用空気を導入する方式に変更されました。

これでターボ車とNA(自然吸気エンジン)車の外観上の相違点は無くなりましたが、衝突時の歩行者被害低減の観点からこの時期に軽自動車、自動車を問わずターボ用インテークは無くなる車種が多い傾向で、ワゴンRでも同様のデザイン変更が行われたことになります。

また、先代の途中からSOHCエンジンのF6Aが廃止されたことにより、3代目ではデビュー時から全社DOHCのK6Aにエンジンを統一、さらに軽自動車では初の直噴ターボエンジンが設定されたほか、ミッションにCVTも復活しました。

もうひとつ、この代で大きな変更があったのは「ワゴンRスティングレー」が2007年2月に追加されたことです。横長のディスチャージヘッドランプで凄みを効かせ、ボンネットも位置を上げて水平基調へ、半透明の大型フロントグリルも備え、内装もブラック基調で統一、ダイハツのムーヴカスタムなど他社アグレッシブデザインモデルへ対抗します。

この種のデザインではワゴンRは後発でしたが、むしろワゴンRスティングレーの登場とヒットによって他社がこれに類似するデザインに変更するようになり、またしてもワゴンRが軽トールワゴンのデザインをリードしました。

代表スペックと中古車相場

スズキ MH21S ワゴンR FS 2003年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,645
ホイールベース(mm):2,360
車重(kg):840
エンジン:K6A 水冷直列3気筒DOHC12バルブ ICターボ
排気量:658cc
最高出力:60馬力 / 6,000rpm
最大トルク:8.5kgm / 3,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
燃費(km/L):18.6(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)I.T.L
中古車相場(各型全て):0.1万円~89.8万円

後席の快適性や使い勝手を大きく向上した4代目(2008-2012)

2008年9月に登場した4代目ワゴンRは、一見するとスティングレーも含め3代目後期から見栄えの変わらないキープコンセプト調に見えますが、実際はワゴンR始まって以来とも言える大きな変化がありました。

まず、先代まで伝統的に採用されていた、後席ドアから後ろのボディにあった窓(クォーターウィンドウ)による6ライトレイアウトが廃止され、その代わりに後席ドアをギリギリまで後ろに延長して開口部を拡大。

その上でリアシートに最大160mmのスライド機構を設けて、荷室が狭くなる代わりに後席の足元空間など快適性を大きく向上させました。それに伴いラゲッジ底面下のスペアタイヤは廃止されてパンク修理キットに変わっています。

最大のライバル、ダイハツ ムーヴなどが後席の足元空間を大きく拡大したのに対抗、それまでの軽自動車が「頭上空間は広くなったけど、後席はやはり狭いまま」だったのが、かえってコンパクトカーなどより広くなった形です。

また、2010年8月の一部改良ではCVTが他の軽自動車やコンパクトカーで既に多用されていた、ジャトコ社製の2段変速可能な副変速機構付きCVTに変更、CVTそのものはコンパクトなままで、無段変速幅を大きく拡大しました。この副変速機付CVTとアイドリングストップの組み合わせなどで燃費性能を大きく向上させています。

代表スペックと中古車相場

スズキ MH23S ワゴンR FTリミテッド 2008年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,660
ホイールベース(mm):2,400
車重(kg):870
エンジン:K6A 水冷直列3気筒DOHC12バルブ ICターボ
排気量:658cc
最高出力:64馬力 / 6,000rpm
最大トルク:9.7kgm / 3,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):21.5(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)I.T.L
中古車相場(各型全て):0.1万円~105万円

エネチャージ採用で環境性能を大きく前進させた5代目(2012-2017)

引き続きデザイン面では3代目以来の調キープコンセプトと言える5代目は、標準型、スティングレーともども2012年8月に登場。

この代では次世代を担う環境技術「SUZUKI GREEN Technology(スズキグリーンテクノロジー)」の適用第1号車として、現在もスズキ車の多くが採用している燃費低減や電動化技術が数多く盛り込まれました。

その最大の目玉が、高効率・高出力化したオルタネーター(発電機)で減速時に発電した電力をリチウムイオンバッテリーに充電し、車内のオーディオなど電装品に使うことでエンジンの負担を減らす、一種のマイルドハイブリッド「エネチャージ」。

さらにエアコンに蓄冷材を組み合わせ、アイドリングストップ中もある程度冷風を送れる「エコクール」も採用し、アイドリングストップ時間を伸ばすとともに快適性を向上させました。

加えてエンジンを先代まで長らく採用していたK6Aから新世代の高効率エンジンR06Aに換装、素材の見直しで車重を最大70kgも軽量化し、燃費は5代目デビュー時に最大で28.8km/L、最終的には後述のS-エネチャージの登場で最大33.0km/Lまで引き上げています。

2014年8月のマイナーチェンジでは、オルタネーターにスターターモーター機能やモーターアシスト機能を持たせたISG(モーター機能付き発電機)へ換装、限定的ながら加速時のモーターアシストを可能とする「S-エネチャージ」が搭載されました。

安全面でも2013年7月の一部改良で赤外線レーザーレーダー式の衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)を初採用し、障害物検知機能を生かした誤発進抑制機能も搭載。

急ブレーキ時にハザードランプを高速点滅させる「エマージェンシーストップシグナル」や、タイヤがスリップしそうになるのを検知してブレーキやエンジン制御で安定性を回復させるESP(車両走行安定補助システム)も採用されました。

また、スティングレーのスマートフォン連携ナビゲーション装着車には、後退時に車両後方左右から車や歩行者を検出すると、モニター内の表示やブザーでドライバーに警告する機能を持った、バックアイカメラが軽自動車で初搭載されています。

代表スペックと中古車相場

スズキ MH34S ワゴンR FXリミテッド 2012年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,640
ホイールベース(mm):2,425
車重(kg):790
エンジン:R06A 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
排気量:658cc
最高出力:52馬力 / 6,000rpm
最大トルク:6.4kgm / 4,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):28.8(※JC08モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)I.T.L
中古車相場(各型全て):10万円~149万円

初代へと原点回帰したデザインと最新電動化装備を組み合わせた6代目(2017-)

2017年2月に6代目がデビューした頃になると、長らくベストセラーを記録していたワゴンRも、ライバル車によって必ずしも人気車種とは言い切れなくなっていました。

アルトやミラのような「昔ながらの軽セダン」が軽自動車のベーシック車としての役目を終え、ワゴンRのような元祖トールワゴンが新時代の軽ベーシックになっていたことや、さらに天井の高いハイトールワゴン(N-BOXやタントなど)が販売の主流になっています。

そのような中で6代目にモデルチェンジしたワゴンRは、標準モデルのデザインがスクエアでリアバンパーにテールランプユニットを持つなど初代に原点回帰したものに変更。

さらに通常の標準モデルではヘッドライトやグリルも含め四角基調デザインなのに対し、スポーティグレードではそれを上下2段に分割した横基調デザインとしています。

初代の頃に無かったスティングレーは細く縦に切れ上がったヘッドランプユニットと大型フロントグリルにより、アメ車的なワイルド感あるデザインとなりました。

電動化技術もS-エネチャージのISG高出力化や、リチウムイオンバッテリーの大容量化で、モーター単体でのクリープ走行(オートマ車でアクセルを踏まなくともブレーキを踏まない限り行われる徐行運転)を可能にした「マイルドハイブリッド」に進化。

それをアピールするため、フルハイブリッドでこそ無いものの、マイルドハイブリッド車のグレード名には「HYBRID」が頭につくようになり、燃費はついに最大33.4km/Lに達しました。

代表スペックと中古車相場

スズキ MH55S ワゴンR HYBRID FZ 2017年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,650
ホイールベース(mm):2,460
車重(kg):790
エンジン:R06A 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
排気量:658cc
最高出力:52馬力 / 6,000rpm
最大トルク:6.4kgm / 4,000rpm
モーター:WA05A 直流同期電動機
最高出力:3.1馬力
最大トルク:5.1kgm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):33.3(※JC08モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場(各型全て):79.8万円~167万円

各代の新装備

着座位置の高いトールワゴンというパッケージを確立した初代

初代ワゴンRはメカニズム面こそ保守的だったものの、「天井が高いゆとりを活かし、着座位置を高めて視界や乗降性を高めたトールワゴン」というパッケージングそのものが革新的でした。

前席シート下に収納されたBOXは、小物入れにも水を溜めて洗車用バケツにも使えるという使い勝手の良さ。それまで簡便なシティコミューター的な乗り物、あるいはそれに強力なエンジンを搭載したホットハッチとして使われていた軽乗用車に、新たな価値観をもたらしています。

前期型で実験的にCVTを搭載した2代目

2代目も目新しい装備は少なかったのですが、ダイハツ ミラなどと同時期に採用された、耐熱樹脂製ベルトを用いたCVTが数少ない新装備です。

それまでの軽自動車用CVTと言えばスバルが採用したECVTなどがありましたが、トルクコンバーターと組み合わせてクリープ現象もある実用性の高いCVTとしては初めてのものでした。

軽自動車初の直噴ターボを搭載した3代目

燃焼室に直接燃料を噴射することで、高効率化を図る直噴エンジンはそれまでも他車種で試みられていましたが、軽自動車用直噴ターボエンジンを初めて搭載したのが3代目ワゴンR。

初期の直噴エンジンの常で、デビュー当初に設定された搭載グレード、RR-DIではマイナートラブルがあったと言われていますが、結局最後まで廃止されることなくスティングレーにも搭載されました。

副変速機付CVTとESPを搭載した4代目

4代目は途中からCVTをジャトコ製で軽自動車から1.5リッタークラスのFF車で多用されていた副変速機付きCVTを搭載しています。

これは、ハイ/ロー二段切り替え式の副変速機を持つことで、同じCVTでも変速範囲をより広げることが可能というもので、低速域から高速巡航まで、より適した変速比を選択可能にすることで、エンジンをより効率的に、燃費も向上させました。

また、この代のスティングレーから横滑り防止装置やABSなどの安全装備を統合制御して、滑りやすい路面でも車体を安定させるESP(車両安定装置)がメーカーオプションで設定されています。

また、エンジンこそ従来からのK6Aのままでしたが、ターボ車と一部のNA車のエンジンには電子制御スロットルが初採用されました。

エネチャージとSエネチャージ、エコクールでエンジン負担低減の5代目

ここまで比較的保守的な技術で作られてきたワゴンRですが、5代目では逆にスズキの持つ新技術が惜しげもなく投入されることになりました。

それが「エネチャージ」と「S-エネチャージ」で、基本的にはオルタネーターを強力にして減速時の発電機としても使い、リチウムイオンバッテリーに充電した電気で車内オーディオなど電装品に使うことで、エンジンに発電させる負担を減らそうというもの。

Sーエネチャージではそれに加えて、オルタネーターをさらに強力化してエンジンをかけたり、加速時のモーターアシストまで行う簡易マイルドハイブリッド化したものでした。

これらを実現したのは容量は少ないながらもリチウムイオンバッテリーを現実的な価格で搭載可能になったためで、エンジンで発電してバッテリーに充電するという動作が少なくなったため、燃費が飛躍的に向上しています。

同様に、アイドリングストップ時間を伸ばすため、エアコンコンプレッサーを駆動しなくとも蓄冷材である程度は冷風を流せるエコクールも装備、この代からワゴンRはスズキ軽自動車の新技術を試すような役割も持つようになりました。

ついにマイルドハイブリッド化した6代目

6代目ではS-エネチャージの強化オルタネーターことISGとバッテリーをさらに強化し、加速時のモーターアシストだけでなく、ついにクリープ走行までできるマイルドハイブリッド化されました。

フルハイブリッドと異なりそれ単体で走行できるほどではありませんが、アイドリングストップしたままクリープ走行を行うため、バッテリー残量がある限り渋滞中のノロノロ走行などではエンジンをかける必要がありません。

そのため日本での一般的な使用ではカタログ燃費とほぼ同等の実燃費が可能になり、わざわざ重たくかさばるフルハイブリッドシステムを搭載するより、軽自動車としては効率が良いとも考えられます。

各代の派生車種

初代で革命的大ヒットを記録したワゴンRですが、軽自動車のベストセラー車種ではお馴染みのメーカー純正カスタム仕様や、輸出も視野に入れた登録車仕様が存在します。

ワゴンRスティングレー

3代目で初登場したワゴンR初のメーカー純正カスタム仕様がスティングレーで、人気グレードとなったため6代目に至るまで設定され続けています。

ライバルのダイハツ ムーヴがその初期からムーヴカスタムを設定、その後ホンダや三菱などもそれに相当するモデルを出す中、ワゴンRには意外にも3代目後半までそのようなモデルは設定されませんでした。

ある意味、そうしたモデル無しでも販売台数を維持していたということでもありますが、ダイハツ タントをはじめ、より天井が高くスペースユーティリティの高い軽ハイトールワゴンが登場すると、テコ入れでスティングレーが追加されます。

かつての人気アメリカンミニバン、シボレー アストロを思わせる重厚感とアグレッシブさを併せ持った分厚く迫力あるフロントマスクは好評で、同時期のムーヴカスタムでスマート路線をとっていたダイハツにマイナーチェンジを強いるなど慌てさせました。

ワゴンRワイド / ワゴンRプラス(シボレーMW) / ワゴンRソリオ / ソリオ

現在でもスズキは軽自動車でヒット作が出るとその小型車版を出すことが多いのですが(ハスラーの小型車版クロスビーなど)、その最初の例が初代ワゴンRベースのワゴンRワイドでした。

初代のワゴンRワイドこそ軽自動車のプラットフォームを流用して1,000ccエンジン、またはそのターボ版を搭載した純然たる「ワゴンR小型車版」でしたが、2代目以降は小型車用プラットフォームにワゴンR風デザインのボディを載せています。

2代目でワゴンRプラスからワゴンRソリオ、そして最終的にソリオと改名し、現在のスズキ小型車陣の中でも一定の販売台数を稼いでいる小型トールワゴン、ソリオに繋がり、2018年1月現在は4代目が販売中です。

なお、2代目までの頃のスズキはアメリカのGMグループで低価格コンパクトカー部門も請け負っており、日本でもGM車のシボレーMWとして販売されたほか、海外ではデザインを変えてドイツ車のオペル アギーラとしても販売されました。

次期大予想

おおむね5年サイクルでモデルチェンジされるワゴンRは、6代目が2017年にデビューしたばかりなので、次のモデルチェンジは2022年頃が予想されます。

スズキは2017年にトヨタと提携関係となり、ダイハツと並んでトヨタ陣営第2の軽自動車 / コンパクトカー部門となりましたが、今後市場においてダイハツとどのような棲み分けをされていくのかは不透明です。

それには、トヨタが2025年までに全車種を電動化する、という施策においてトヨタ陣営各社にもどのような対応を迫るか、あるいはフィードバックするかにもかかっています。

トヨタの100%子会社として低価格コンパクトカーと軽自動車の開発を任されているダイハツと競合する車種を日本でも展開していくのか、いくとすればどのような車になるかは、2018年1月現在では正直何とも言えません。

ただ、仮に今までのスケジュール通りにワゴンRが7代目へとモデルチェンジするとすれば、トヨタを中心に各社が技術を持ち寄った電動化技術が大いに行かされることになるでしょう。

リチウムイオンバッテリーの次世代電池技術が完成し、小型化や量産化が可能になればあるいはフルハイブリッドも可能になると思いますが、現状のマイルドハイブリッドでも十分に低燃費ですから、そこで無理にフルハイブリッド化を狙うメリットは無いかもしれません。

あるいは、将来的なEV化を視野に入れた新プラットフォームの開発、あるいは最初からEV版ワゴンRが設定される可能性も、皆無では無いと考えられます。