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トヨタ シエンタ – 一時は廃盤も後継車不振で逆転復活!今や大ヒットのコンパクトミニバン

シエンタ

通常、ある車種に後継車が登場すると、その後継車の登場とともに、あるいは多少の併売期間を経て車名ごと廃盤になってしまいますが、ほんと時たま、あまりに後継車の販売台数が芳しくないため再生産されるケースがあります。さらにこのシエンタの場合『後継車のコンセプトが誤りだった』も同然で再生産、単なるつなぎではなく2代目もヒットして今や定番車種の仲間入りという、日本車では極めて希なケースです。

各代の概要と時代背景

総合概要:正解はスライドドアコンパクトミニバンだった!復活からの大ヒット

1990年代末以降、ミニバンブームはついにコンパクトカーの分野にまで達し、それまでスバル ドミンゴなど軽自動車ベース1BOX3列シート車に留まっていたコンパクトミニバンにも、マツダ プレマシー(初代)などFFコンパクトカーベースが現れてきました。

ただし、まだまだパッケージングが未熟な時代でスペース効率とデザインを両立させたモデルは存在しなかった時代です。

トヨタでもミニエースコーチ(1968年発売)以来となる1BOXタイプのスパーキー(ダイハツ アトレー7OEMで2000年発売)の上や、カローラベースの3列シート車カローラスパシオ(1997年発売)を販売していましたが、今ひとつヒットと呼べませんでした。

そこで、改めてパッケージングを練り直し、全長が短い1.5リッターコンパクトカーサイズながら十分なスペースとシートアレンジなど使い勝手の良い3列シート、ヘッドスペースの余裕や左右後席スライドドアなどを備えたシエンタを2003年に発売します。

発売当初は「コンパクトミニバンは狭くて実用性がない」という先入観もあって地味な存在でしたが、ライバル車の中でもスタイルとスペース効率を両立したホンダ フリードが2008年に出ると、このジャンルのミニバンが一躍脚光を浴びました。

既に発売5年目を迎えていたシエンタも再評価されますが、既にトヨタ車としてはかなり長いモデルライフを過ごしていたこともあり、2010年8月には一旦生産終了します。

ところが、シエンタの後継車パッソセッテ(ダイハツ ブーンルミナスのOEM供給車)が市場で全く受け入れられず、極端な販売不振に陥るという非常事態が発生しました。

パッソセッテはダイハツ ミラなど軽自動車ベースの3列シートミニバンでしたが、当時既に流行の終わりかけていた天井の低いロールーフ、後席がスライドドアではなく通常のヒンジドア、そして実用性が低い3列目シートと、あまりに魅力が乏しかったのです。

いわば『1990年代末に一度失敗したコンセプトの焼き直し』に過ぎなかった上に、致命的なことにエコカー減税対象外だったことも不人気に拍車をかけます。

この緊急事態にトヨタは急遽シエンタの再生産、販売再開を決定、最新の保安基準やエコカー減税への対応などを行いつつ、フロントマスクを精悍にした派生車、シエンタ・ダイスを設定するなど商品性を維持して、結局その後も4年販売を続けました。

これがユーザーにも受け入れられてパッソセッテの比ではない人気を得たため、戦略の誤りを認めた形でトヨタは2代目シエンタを2015年に発売、ハイブリッド車も設定されて、ホンダ フリードと並ぶコンパクトミニバンの大ヒット作となっています。

12年かけてコンセプトの正しさを証明した初代XP80G系(2003-2015)

2003年9月に発売された初代シエンタは、それまでのコンパクトミニバンが今ひとつユーザーの共感を得られず、「小さいからガマンするしかない」という車だったのを払拭するミニバンでした。

3列目シートは決して広くはないものの実用性を確保し、薄いへ扁平燃料タンクを2列目シート下へ配置するとともに、3列目シートは畳めば2列目シート下へダイブイン収納可能としたことで、2列目までの使用でもリアに広大でフラットな荷室としています。

左右独立して座面を跳ね上げられる2列目シートを最前方にスライドさせれば、さらに広い荷室を作ることも可能で、3列シートと広大な荷室を見事に両立したのです。

さらに後席両側にスライドドアを装備し、上級グレードでは助手席側が標準で、運転席側はオプションで電動スライドドア化も可能であり、ファミリー向けミニバンとしても狭い場所での乗り降りに有利になっています。

このパッケージングを実現するため、前半部は1.3~1.5リッタークラスハイトワゴンのファンカーゴ用、後半部は1.5~1.8リッタークラスミニバンの2代目カローラスパシオ用プラットフォームをドッキングという、いわば『ニコイチ』の特殊な構造になりました。

それゆえエンジンルームなどメカ部分を最低限としたコンパクトカーとしての使い勝手と、ミニバンとしての使い勝手を両立できましたが、トヨタの量販車としては珍しく、比較的コストのかかる方法で開発されています。

エンジンは1.5リッターの1NZ-FE1種類でFF車はCVT、4WD車は4ATが組み合わされ、4WD車は燃費悪化の代わりに燃料タンク容量を増やし、カローラスパシオのプラットフォームを流用した名残として、リアサスペンションはダブルウィッシュボーンと同クラスにしては贅沢です。

また、FF車と4WD車の違いはほかにもリア床下の物入れにも現れており、4WDではモデル全期間を通じてパンク修理キットとやや底の浅いデッキアンダートレイ、FF車では前期・中期がスペアタイヤ、後期がパンク修理キットと底の深いデッキボックスが装備されます。

このパンク修理キットはオプションでスペアタイヤへの交換も可能ですが、その場合パンク修理キットやデッキアンダートレイ / デッキボックスは装備されません。

2010年8月に生産を、同11月には販売終了して後継車パッソセッテに一旦バトンタッチしますが、同車はシエンタの持っていたスペース効率や使い勝手に優れた3列目シートや余裕ある頭上スペース、後席両側スライドドアといったメリットを持ちませんでした。

単に少々スタイリッシュでウィッシュのコンパクト版という以外に存在意義を見出しにくかった上にエコカー減税もなかったパッソセッテの販売は伸び悩み、慌てたトヨタは2011年6月、エコカー減税対応など最小限の改良のみで初代シエンタを再発売します。

その時に加わったのが、丸目でファニーな印象だったシエンタに対し、異型ヘッドライトなどで精悍なフロントマスクを与えた派生車『シエンタDICE(ダイス)』です。

パッソセッテへの大不評の反動もあって初代シエンタの再販はユーザーから歓迎され、その後も4年以上に渡って販売、『両側スライドドアを持つトールワゴン型で経済性に優れた3列シート車』というコンセプトが、12年かけて正解と判明した稀有な例になりました。

代表スペックと中古車相場

トヨタ NCP81G シエンタ G 2003年式
全長×全幅×全高(mm):4,100×1,695×1,670
ホイールベース(mm):2,700
車重(kg):1,220
エンジン:1NZ-FE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,496cc
最高出力:110馬力 / 6,000rpm
最大トルク:14.4kgm / 4,400rpm
乗車定員:7人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):19.0(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場(各型全て):2.5万円~168万円(シエンタDICE含む)

ハイブリッドも追加し売れっ子車種へ大出世した2代目XP170G系(2015-)

12年目にして初めてのモデルチェンジを迎えた2代目シエンタは2015年7月に発売。

姿形はさすがに12年の時を経て大きく変わりましたが、2列目シート下に燃料タンクを配置して最大限のスペース効率を実現、ダイブイン式でフラットな荷室を実現する3列目シートや両側スライドドアといったコンセプトはそのまま踏襲されました。

デザインは全長をやや伸ばして自由度を確保した上で、トレッキングシューズをイメージした『Active & Fan』をコンセプトとしたものへ変更。

現代風のつり上がったヘッドライトに、2010年代中盤以降のトヨタ車で多用される下へ向けて大きく広がったフロントグリルで近代化され、さらにところどころボディ別色のラインが入ったところは、まさにトレッキングシューズ、あるいはSUVのようなアクティブイメージです。

カラーリングもまた軽快感あるエアーイエローなどが準備されてアウトドアギア風が強まり、ライバルのホンダ フリードに対してより躍動感ある活発なデザインになりました。

プラットフォームも先代の方法を踏襲し、前半はコンパクトカーのアクアやヴィッツと同じ、リアにはロールーフミニバンのウィッシュ(2代目)用プラットフォームを組み合わせ、コンパクトカーとミニバンとしての使い勝手を両立。

パワーユニットは4WDこそ燃費低減によるエコカー減税格上げが見込めないため従来通りの1NZ-FEですがCVTとの組み合わせで燃費向上、FF車は新型の2NR-FKEにCVTとアイドリングストップを組み合わせて『平成32年度燃費基準』をクリアしています。

さらにトヨタのコンパクトミニバン/トールワゴンとしては初めてハイブリッドユニットが組み合わせられ、『平成32年度燃費基準+20%』をクリアするとともに、燃費性能はクラストップレベルの27.2km/Lまで向上しました。

また、メーカーオプションで簡易的ながら安全運転支援機能を持つ『Toyota Safety Sense C』を搭載可能となるなど、最新の安全性能を実装しています。

2017年8月には最上級の『G』グレードに初の特別仕様車『Cuero”(クエロ)』が登場、『Toyota Safety Sense C』を標準装備したほか、専用の内外装やボディカラーが設定されました。

現在では同クラスのホンダ フリードとコンパクトミニバンの販売台数トップを争う人気車種となっており、ハイブリッドの設定も奏功して同クラスハイトワゴンよりも売れ線車種になっています。

代表スペックと中古車相場

トヨタ NSP170G シエンタ G 2015年式
全長×全幅×全高(mm):4,235×1,695×1,675
ホイールベース(mm):2,750
車重(kg):1,320
エンジン:2NR-FKE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,496cc
最高出力:109馬力 / 6,000rpm
最大トルク:13.9kgm / 4,400rpm
乗車定員:7人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):20.2(※JC08モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場(各型全て):98万円~249.9万円(ハイブリッド含む)

各代の新装備

ライバルに先んじたパッケージングで収納スペースの多さを誇った初代

初代シエンタで目立つ装備といえば、後席左右スライドドアや3列目ダイブダウンシートですが、これはシエンタ以前に登場したホンダ モビリオ(2001年発売)にも実装しており、初代シエンタはいわば後追いでした。

ただ、ライバルに先んじていたのは燃料タンクを2列目シート下にレイアウトしたことで、これによって1列目の下へ配置したモビリオに対し前席周辺の収納スペースは数多く確保し、さらに至るところにポケットやペットボトルホルダーを配置しています。

ラゲッジ床下のアンダートレイと合わせて、見た目より小物類を置いたり格納するスペースは非常に多く、この点はライバルのホンダもモビリオに続くフリード(初代)から追従しました。

ハイブリッド車の設定で経済性を高めた2代目

2代目シエンタのパッケージやメカニズムは基本的に初代同様、つまり初代がそれだけ先進的で優れたパッケージングを得ていたことになり、プラットフォーム変更によるホイールベース延長で2列目シートのゆとりは3列目シート幅の拡大といったメリットを追加しました。

さらに画期的だったのは、このクラスのトヨタ車ではコンパクトハッチバックのアクア(後にヴィッツにも追加)にしか設定のなかったハイブリッドの設定で、1.5リッターミラーサイクルエンジン1NZ-FXEにリダクション機構付きTHS-IIの組み合わせ。

これによって27.2km/Lの低燃費を実現し、4WDこそないものの現行(2代目)フリードハイブリッド登場後も同燃費でトップクラスです。

また、安全装備としてメーカーオプション、特別仕様車『G Cuero”(クエロ)』には標準装備の『Toyota Safety Sense C』は、トヨタの同種のシステムの中ではやや簡易的というポジションながら、センサーはレーザーレーダーと単眼カメラによる本格的なもの。

衝突被害軽減ブレーキのほか、車線逸脱警報、自動防眩機能つきオートマチックハイビームに加え、先行者発進告知機能も搭載しています。

派生モデル

シエンタ DICE(初代)

初代シエンタが9ヶ月ぶりに再販されることになった時、商品性を維持し、さらに高めるために設定されたフロントマスク違いの派生車がシエンタ DICE(ダイス)です。

丸みを帯びて柔らかい印象を持ち、2003年デビュー時の女性やファミリー向けには最適と思える初代シエンタですが、さすがに2011年6月再販開始時点ではデザインが古く、新モデルに見せるため、そして若い男性にも請求できるデザインが追加されました。

異型ヘッドライトとバンパー開口部は大型化され、リアコンビネーションランプもDICE専用となっています。

また、快適装備を充実させたDICE独自の特別仕様車『DICEリミテッド』も設定され、中古車市場では現在も高値推移する人気車種です。

ジャパンタクシー(2代目)

2020年の東京オリンピックを見据え、コンフォート後継として登場したタクシー専用車がジャパンタクシーです。

元々、シエンタそのものが文化や障害の有無に関わらず使いやすい『ユニバーサルデザイン』でしたが、ジャパンタクシーではそれをさらに推し進め、ルーフを高くしてゆったりした2列5人乗り(車椅子乗車時は3人乗り)仕様としています。

ハイブリッド専用車ですが、シエンタハイブリッドとは異なりタクシー向けのLPG仕様(純正ハイブリッド車としては初)。

電動スライドドアの標準装備、運転席から開閉を容易に確認可能な右側後部ヒンジドア、視認性優先で採用したフェンダーミラーなど、先行してユニバーサルタクシーとして採用例もあるセンタより、徹底したタクシー仕様としました。

価格がコンフォートよりかなり高額なことや、急な登坂路では不安のあるFF(前輪駆動)専用車ということもあって、コンフォートを完全に代替えする存在にはなっていませんが、新世代タクシーのひとつの形として注目されています。

次期型大予想

2015年7月のモデルチェンジ以来、2代目シエンタは約3年好調を保っており、ライバルの2代目ホンダ フリードが新車効果もあって2017年度(2017年4月~2018年3月)販売台数こそ上回っているものの、2018年に入ってからは僅差でシエンタが上回っています。

いわば先進のデザイン、信頼性あるメカニズム、定評あるパッケージ、トヨタの販売力と安心感に支えられ、さらに従来のカローラ店に加え、2代目からはレクサスを除く全トヨタディーラーで販売されていることも、それを後押ししました。

特に機械的信頼性の高さはファミリーユースでは重要なところなので、今後モデルチェンジがあるとしても、ベースとなる新技術や新たなパッケージがベース車で十分に検証されてからとなりそうです。

その意味では、トヨタの新設計アーキテクチャ『TNGA』で開発される新型ヴィッツ(国際標準名『ヤリス』に改名という説が濃厚)がデビューする2020年までシエンタのモデルチェンジはありません。

新型ヴィッツ(ヤリス)で検証された新たなTNGAモジュールを応用し、どれだけ早くとも2021~2022年あたりが3代目シエンタ登場時期です。

それまでは細部の変更によるデザインの変化や燃費向上、プリウスで既に実装されている電動4WDの追加やバッテリー変更などといったマイナーチェンジ、一部改良が少しずつ行われていく形になります。

また、その頃になると全固体電池など新たなEV(電気自動車)技術が登場することもあり、一気にシエンタEV登場とまではいかないまでも、PHV(プラグインハイブリッド)の追加などで、EV走行距離が飛躍的に伸びる可能性も出てきました。

そうした改良を積み重ねるならば、初代ほどとはいかないまでも、10年近いモデルサイクルで2025年近くまで現行シエンタが続くかもしれません。