ダイハツ

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ダイハツ ミラ 現行ダイハツコンパクトカーの礎となった、偉大なる軽コンパクトカー

この記事の目次

かつて安価ながら使い勝手のいい軽ボンネットバンとして登場したダイハツ・ミラ。少し早く世に出たスズキ・アルトとともに「軽自動車界の2トップ」として君臨した時代もありましたが、派生車種のミライースへ後を譲って2018年に販売を終えました。しかし自動車メーカーとしていまひとつ地味だったダイハツが日本屈指のコンパクトカーメーカーとして生き残ってきた道にはこのミラがあり、今も数多くの派生車が日本を走り続けています。

各代の概要や時代背景

総合概要:元祖ボンバン、ほとんどのダイハツ車の原型ともなったベーシック軽

戦前からオート三輪メーカーとして鳴らし、戦後も軽オート三輪の名車「ミゼット」などを生産・販売していたダイハツが四輪車メーカーとして名乗りを上げたのは1958年、小型トラック「ベスタ」から。

1960年には現在まで代を重ねつつ販売中の「ハイゼット」で軽四輪車にも進出しますがやはり商用車で、小型乗用車の「コンパーノ・ベルリーナ」(1964年)やオープンスポーツの「コンパーノ・スパイダー」(1965年)、軽乗用車「フェロー」(1966年)で乗用車に進出するも、1967年にはトヨタ傘下に入り、半ばトヨタの小型車生産請負メーカー兼、トヨタグループの軽自動車担当メーカーとなります。

そういった経緯もあってか1970年代末までのダイハツはよく言えば堅実な軽自動車メーカーという印象で、360cc軽自動車では最強のグロス40馬力を誇った「フェローMAX SS」や、革命的だったリッターカー初代「シャレード」がユーザーをうならせるも、全体的に地味な印象は拭えませんでした。

そんな状況の中で1980年に登場したのが初代ミラ(登場時の車名はミラ・クオーレ)で、前年に発売され、日本の自動車界にその価格の安さで大ショックを引き起こしたスズキ・アルト同様に物品税の安い軽ボンネットバン。アルトよりちょっとだけ高く、少しだけよい装備を搭載してアルトに迫る人気を得て、これ以降ミラとアルトは日本の軽自動車界における双璧となります。

やがて両車は上級装備の乗用車版(ミラでは「クオーレ」)を吸収して軽乗用車/軽ボンネット版をまとめた代表車種となり、リーザやオプティといった軽スペシャリティカー的な派生モデルを生み出しつつ発展。1990年代も半ばになると、初代スズキ・ワゴンR(1993年)、初代ダイハツ・ムーヴ(1995年)の登場で軽自動車はトールワゴンが主流となる新時代が到来しますが、安価なミラは作り続けられました。

それだけでなく、1998年に軽自動車が新規格へ移行した後のダイハツでは小型車も専用プラットフォームではなくミラやムーヴのために作られた軽自動車 / 小型車兼用プラットフォームで全て作られるようになり、ミラはダイハツで生産・販売されるFFおよびFFベース4WD車全てのベース車になり、多数のミラ派生車が作られるようになります。

2010年代に入ると軽商用車市場の縮小で軽ボンネットバンは必ずしも必要とされなくなるとともに、安価で燃費の良いエコカー需要は派生車種のミライースへ譲っていたミラの役目も終了。最後はほとんどミライースにない5速MT車や3ドア軽ボンネットバン需要のためだけに販売継続されている状態でしたが、2018年3月にはひっそりと販売終了しました。

「ミラ」そのものは消えたとはいえ、その名はダイハツの新たな軽ベーシックモデル「ミライース」や、その女性向けバージョン「ミラトコット」に残されています。

ダイハツ初の本格軽ボンネットバン、初代L55系(1980-1985)

初代ミラL55V型は1980年6月に新モデルとして登場。発売から1982年5月にマイナーチェンジを受けるまでの正式車名は「ミラ・クオーレ」。同時期、先代にあたる「MAXクオーレ」(フェローMAXの550cc版)からモデルチェンジした「クオーレ」の、軽ボンネットバン仕様という位置づけでした。

前年発売で先行したライバル、初代・アルトに価格面でも対抗するため簡略化が進められ、リアサスペンションにコイルスプリングを使ったセミトレーリングアーム式を採用して四輪独立懸架のクオーレに対し、ミラはリーフスプリングを使ったリジッド(固定)式で、軽商用車であるため荷室を広く取る代わり後席スペースを狭くといった違いはあったものの、アルトと異なり全車4サイクルエンジンで、オプションでエアコンも装備可能。

4WD車の設定こそアルトと同時期だったものの、ターボ車の設定やフロントディスクブレーキの採用はアルトより早く、トルコン式2速ATの採用はアルトに先んじられて、マイナーチェンジまでイージードライブ(ノークラッチ4速セミMT)でしのぐなど、アルトとは当初からよいライバル関係でした。

価格面でも「アルト47万円」のキャッチコピーで日本を沸かせたアルトより安価にするのではなく、48万円台と若干高めながら装備は少し豪華にするなど差別化し、「安い車が欲しいけどアルトよりちょっとでもいい車が欲しい」というユーザーの心をつかんで、それまで軽自動車メーカーとしてもスズキの影に隠れがちだったダイハツを、日本で二番目の軽自動車メーカーへ引き上げる原動力となったのです。

なお、1983年に4WD車(型式L56V)とともに設定されたターボ車は三菱・ミニカに次ぎ2番目でしたが、ミニカの39馬力を上回る41馬力(いずれもグロス値)を発揮して当時の軽自動車最強、4WDターボの設定もあり、乗用車版のクオーレにはターボ車がなかったこともあり、「ミラターボ」の名は快速軽ターボ車の代名詞だった時期すらありました。

代表スペックと中古車相場

ダイハツ L55V ミラ・クオーレ 1980年式
全長×全幅×全高(mm):3,195×1,395×1,375
ホイールベース(mm):2,150
車重(kg):535
エンジン:AB30 水冷直列2気筒SOHC4バルブ
排気量:547cc
最高出力:21kw(29ps)/6,000rpm(※グロス値)
最大トルク:39N・m(4.0kgm)/3,500rpm(同上)
燃費:-
乗車定員:2(4)人
駆動方式:FF
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)リーフリジッド
中古車相場:43万円(車両本体価格・2020年1月現在)

インタークーラーターボでパワー競争の先駆けとなった2代目L70系(1985-1990)

2代目ミラ、型式L70V(FF車) / L71V(4WD車)は1985年8月のモデルチェンジで登場。同時に乗用車版のクオーレもモデルチェンジしていましたが、ミラもリアサスペンションがセミトレーリングアーム式独立懸架となったことや、1986年1月にはミラにも3ドアに加え4ナンバー(商用車登録)のままで5ドアを追加。ミラとクオーレで基本的にボディが統一され、4WD車がなくターボ車の設定も限定的だったクオーレは単にミラの上級グレード的な扱いとなって初代から立場が逆転します。

モデル末期の1989年1月には、物品税廃止と消費税(当時は3%)導入により、物品税5.5%だった軽ボンネットバンも15.5%だった軽乗用車も一律消費税3%となり、違いは軽自動車税のみとなったため軽ボンネットバンと軽乗用車を作り分ける必要性が薄れて統合されるようになり、ダイハツでも既に看板車種となっていたミラへクオーレを吸収統合、乗用車版「ミラ」(L70S)と、軽ボンネット版「ミラバン」(L70V / L71V)として再出発しました(同様のことは、フロンテを統合したアルトでも起きています)。

しかし、それ以上にミラの名を轟かせたのはモデルチェンジと同時に登場したグロス52馬力、もちろん当時の軽自動車では最強の新開発EB20型インタークーラーターボエンジンを搭載した「ミラターボTR」と、わずか3ヶ月後に純正フルエアロで勇ましくドレスアップした「ミラターボTR-XX」で、特にTR-XXは後の「アヴァンツァート」同様、2020年現在に至るまで「もっとも復活が望まれるダイハツ車の1台」に、必ず名前が上がるほどの伝説的存在です。

スペック上の性能面では、電子制御インジェクション(燃料噴射装置)式のDOHC4バルブインタークーラーターボを搭載した初代アルトワークスが上回ってはいたものの、ラリーなどモータースポーツでの実績や、軽自動車No.2メーカーへの判官びいき、アルトワークスへ唯一対抗できる軽ホットハッチとして初代「ミラターボ」同様の大ヒット作へ成長します。

先代から続くセゾングループと提携したお買い得仕様車「ミラ・パルコ」には当時の軽自動車としてかなり贅沢な装備が安価で搭載され、TR-XXにもサンルーフを持つスポーティなムーンルーフリミテッドなども登場。

モデル末期のクオーレとの統合により豪華装備の上級グレード「グラン」もミラに受け継がれ、4WDも初期のパートタイム4WDのみならず小型乗用車並のフルタイム4WDが登場するなど、上級・高性能志向が始まっていました。

代表スペックと中古車相場

ダイハツ L70V ミラ ターボTR 1986年式
全長×全幅×全高(mm):3,195×1,395×1,415
ホイールベース(mm):2,250
車重(kg):560
エンジン:EB20 水冷直列3気筒SOHC6バルブ ICターボ
排気量:547cc
最高出力:38kw(52ps)/6,500rpm(※グロス値)
最大トルク:70N・m(7.1kgm)/4,000rpm(同上)
燃費:-
乗車定員:2(4)人
駆動方式:FF
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)セミトレーリングアーム
中古車相場:28.8~88万円(ウォークスルーバン含む・車両本体価格・2020年1月現在)

660cc化で高級版モデルノも登場、3代目L200系(1990-1994)

1990年1月に軽自動車の規格改訂が行われ、全長が100mm拡大されるとともに排気量上限も660ccまで拡大。ライバル各社の主力車種はモデルチェンジの時期でもなかったこともありマイナーチェンジで660cc化したところ、ダイハツはミラのフルモデルチェンジを敢行。3代目ミラL200系は1990年3月に登場しました。

型式はFF車がL200S(末尾Sは乗用車登録) / L200V(同、商用車登録)、4WD車がL210S / L210Vで、変わったところでは2020年現在に至るまで軽自動車市場唯一の4WS(四輪操舵車)、L220S型「ミラTR-4 EFI(前期) / ミラTR-XXアバンツァート4WS(後期)」も設定されています。

先代までとは異なりあくまで乗用車登録の「ミラ」がメインで、軽ボンバンターボ需要も見込んで前期型にのみ残っていた4ナンバー仕様61馬力キャブレターターボのTR-XX系は、先代L70系と現行L200系2世代のTR-XXの中間的な仕様という意味で、ファンからは通称「L270」とも言われました。

また、スポーティシリーズとなるTR-XX系FFターボ車は1991年8月以降、新たなスポーティグレード名「TR-XXアバンツァート」へ段階的に切り替わり、同じターボエンジン搭載の4WS車(駆動方式はFF)、TR-4 EFIも組み込まれて「TR-XXアバンツァート4WS」へと改称。

ASB(アンチスピンブレーキ)やビスカスLSD、フロントに大径の13インチベンチレーテッドディスクブレーキを備えた高性能版「TR-XXアバンツァートR」や、4WDターボ版「TR-XX X4」、4WDターボ版をベースに専用タービンやクロスミッションを組み込んだミラ初の競技ベース車「TR-XX X4-R」も登場します。

このTR-XX系とベーシックな「Pit」系に加え、コラムシフト採用で前席左右ウォークスルーを可能とした「Padi」シリーズ、上級グレード「グラン」、装備充実版「J」シリーズや、先代に続くお買い得特別仕様車「パルコ」シリーズと、同シリーズ終了にともないカタログモデル化した「Si」シリーズ、TR-XX X4をベースに最低地上高を上げてRV風(現在でいうクロスオーバー風)の外装を整えた「RV-4」、末期のお買い得仕様車「ピコ」シリーズ、専用の高級内外装を持つ上級派生モデル的な「ミラ・モデルノ」と、実に多種多様なラインナップを構築していました。

代表スペックと中古車相場

ダイハツ L200S ミラ グランEFIリミテッド 1991年式
全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,400
ホイールベース(mm):2,280
車重(kg):680
エンジン:EF-EL 水冷直列3気筒SOHC12バルブ
排気量:659cc
最高出力:40kw(55ps)/7,000rpm
最大トルク:57N・m(5.8kgm)/4,000rpm(同上)
10・15モード燃費:16.6km/L
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)セミトレーリングアーム
中古車相場:10~108万円(ウォークスルーバン、ミチート含む・車両本体価格・2020年1月現在)

歴代唯一の4気筒エンジン搭載車もあった、4代目L500系(1994-1998)

4代目ミラは1994年9月に登場。当初はバン、通常版、スポーティ版「TR-XXアバンツァート」シリーズがラインナップされ、後に高級版「モデルノ」シリーズや流行のレトロ版「クラシック」が追加、モデルノとクラシックへはお買い得仕様「パルコ」シリーズも追加されました。

先代ではついに実現しなかったDOHCエンジン搭載や、新開発の4気筒エンジン「JB」シリーズが唯一搭載されたのがこの4代目で、3気筒エンジン搭載車の型式はFFがL500S / L500V、4WDがL510S / L510V、4気筒エンジン車はFFがL502S、4WD車がL512Sと一目瞭然。

特に一般ユース向け最強モデルの「TR-XXアバンツァートR(FF) / TR-XXアバンツァートR4(4WD)」へ搭載されていたJB-JLターボエンジンの気持ちよく高回転まで吹け上がるフィーリングは痛快で、その競技用ベースモデルもラリーやダートトライアルで多用された「TR-XXアバンツァートX4」のほか、ジムカーナやターマックラリーなど舗装路での競技にも向いた FFの「TR-XXアバンツァートX2」が歴代で唯一ラインナップされています。

他に変わっていたのはモデル末期のモデルノに追加された特別仕様車「ハローキティ・バージョン」。メーターパネルや外装などにサンリオの人気キャラクター「キティ」をあしらったものでしたが、この特別なキティ目当てで安価なサイドデカールなどに注文殺到しても困ると思ったのか、ハローキティ・バージョン関連の部品管理はかなり厳重で、実車か車検証をディーラーへ持参しないと補修部品としての発注すらできないと言われていました。

歴代ミラではもっとも豪華で高品質、エンジンラインナップも下はキャブレター式3気筒SOHC6バルブ自然吸気から、上は電子制御インジェクション式4気筒DOHC12バルブインタークーラーターボまで実に多彩、バンありベーシックありスポーティも高級仕様もクラシックも、果ては人気キャラクターとのコラボまである「まさに旧規格ミラの集大成的モデル」です。

しかし、この代で登場した初代ムーヴ(L600S系)以降は軽自動車の流行がトールワゴンタイプになったのに伴い、ミラのように昔ながらの背が低い「セダン」タイプや「ボンネットバン」タイプは主流を外れ、次第に地味な存在となっていきます。

代表スペックと中古車相場

ダイハツ L512S ミラ TR-XXアバンツァートR4 1997年式
全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,455
ホイールベース(mm):2,300
車重(kg):740
エンジン:JB-JL 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボ
排気量:659cc
最高出力:47kw(64ps)/7,500rpm
最大トルク:100N・m(10.2kgm)/4,000rpm(同上)
10・15モード燃費:18.2km/L
乗車定員:4人
駆動方式:4WD
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)5リンク
中古車相場:3~100万円(ウォークスルーバン含む・車両本体価格・2020年1月現在)

新規格化を契機に思い切った新旧混合設計で多数の派生車を生んだ、5代目L700系(1998-2002)

5代目ミラは1998年10月、軽自動車が2020年現在も続く「新規格」へ移行したタイミングで登場。一応は従来通りダイハツの主力軽自動車としての登場でしたが、同時に、あるいは後から続々と登場する新型車が主力となっていくのは既に明らかとなっており、5代目ミラは初代に原点回帰した地味ながらも堅実なベーシックカーでありつつ、加えて新時代の主力車種のベース車であることが求められるようになりました。

搭載されるエンジンは先代まで搭載されていた3気筒エンジンのリファイン版をSOHC自然吸気版、DOHC自然吸気版、DOHCターボ版の、いずれも電子制御インジェクション式3種類にまとめ、高価な4気筒エンジンや環境問題への適応が難しいキャブレター式エンジンは廃止、型式もFFがL700S / L700V、4WDがL710S / L710Vとスッキリしています。

グレードも先代のまま残ったのはバンと通常版のみで、「TR-XXアバンツァート」シリーズは廃止され、3気筒DOHCターボエンジン搭載のスポーツ系グレードは3ドアの「TR」と5ドアの「CR」のみ、上級グレード「モデルノ」とレトログレード「クラシック」は「ミラジーノ」(1999年3月発売)へ統合独立。そして商用モデルのバンに存在した「ミラウォークスルーバン」はこの代以降廃止。デザインも先代までのシリーズごとに専用外装を持つような派手さは潜めてプレーンで穏やかな、ある意味無個性なものへと変わり、ベーシック路線をとことん追求しました。

この5代目ミラで目立たないながらも真骨頂といえるのはそのプラットフォームやメカニズムで、新世代コンパクトカー「ストーリア」(1998年2月発売)で小型車版が先行採用されたプラットフォームをベースに、続々と生まれるダイハツのFF / FFベース4WD軽自動車、小型車の全てが開発されています。

また、フロントサスペンションは旧来のミラ、ミッションは小型車「シャレード」用を流用しつつ、デフやドライブシャフト、リアサスペンションなどは新設計して、これも旧型リファイン版エンジンと組み合わせた見事な新旧混合設計で新世代化とコストダウンを錬金術のように同時に達成してみせました。

地味ながら堅実なパッケージングで自身も成功を収めただけでなく、他車種のモデルチェンジや多数の新型車登場にも大いに貢献、新規格化以降の軽自動車でダイハツが大きく躍進する原動力となったのが、この5代目ミラです。

代表スペックと中古車相場

ダイハツ L700S ミラ TX 1998年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,425
ホイールベース(mm):2,360
車重(kg):730
エンジン:EF-VE 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
排気量:659cc
最高出力:43kw(58ps)/7,600rpm
最大トルク:64N・m(6.5kgm)/4,000rpm(同上)
10・15モード燃費:18.6km/L
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場:15.8~99万円(ジーノ除く・車両本体価格・2020年1月現在)

スポーティなアヴィや直噴エンジンのミラVもあった6代目L250系(2002-2007)

6代目ミラは2002年12月のフルモデルチェンジで登場。先代ベースで型式も同じL700系だった「ミラジーノ」は継続販売されるとともに別途モデルチェンジを行って独立し、代わりにやや上級志向の女性ユーザー向け、およびターボエンジン搭載のスポーティグレードを兼ねた「ミラアヴィ」が登場し、先代から引き続き通常版の「ミラ」、ボンネットバンの「ミラバン」、ミラアヴィの3シリーズ構成となっています。

型式はミラとミラアヴィがL250S(FF) / L260S(4WD)でミラは3ドアと5ドア、ミラアヴィは全て5ドア、ミラバンがL250V(2WD) / L260V(4WD)で、全て3ドア。

なお、ミラにはミラV(ブイ)という、中古車市場ではミラバンの略称と勘違いされやすいグレードがありますが、これは通常のDOHC自然吸気エンジンEF-VEではなく直噴化したEF-VDを搭載、パワーウィンドーを廃止して軽量化、MTのギア比も燃費志向に変えるなど実験的で特殊な燃費スペシャルカーです。

デザインはミラアヴィが大型のヘッドランプやフロントグリルで厚みのあるフロントマスクを持つものの全体的にクサビ型のウェッジシェイプ形状。ただし全高は先代から75mmほど引き上げられ、特に前席ヘッドスペースはかなり余裕が持たせられたセミトールワゴン的なパッケージとなっています。

2006年12月に7代目へモデルチェンジ後も、7代目がミラバンを除き5ドアのみとなった関係からか、「ミラ」の3ドアや「ミラバン」を中心に、2007年12月にミラバンがモデルチェンジされるまで継続販売されていました。。

代表スペックと中古車相場

ダイハツ L250S ミラ V 2002年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,500
ホイールベース(mm):2,390
車重(kg):700
エンジン:EF-VD 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
排気量:659cc
最高出力:44kw(60ps)/7,600rpm
最大トルク:65N・m(6.6kgm)/4,000rpm(同上)
10・15モード燃費:30.5km/L
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場:0.1~65.1万円(アヴィ含む・車両本体価格・2020年1月現在)

ベーシックな「ミラ」としてはついに最後となった7代目L275系(2006-2018)

7代目ミラバンは2006年12月のモデルチェンジで登場。「ミラアヴィ」が廃止されて後継は「ミラカスタム」となり、スポーティ志向のターボエンジン搭載車もされたものの、ミラカスタム全車が4ATまたはCVTになったため、ダイハツのFF&FFベース4WDハッチバック車からターボエンジン+MTの設定が消滅。

また、「ミラ」「ミラカスタム」いずれも5ドアのみだったため乗用登録ハッチバックの3ドア車も消滅、少し遅れて2007年12月に登場した「ミラバン」が軽乗用車および軽ボンネットバン最後の3ドア車となり、MTもミラバンとミラの一部に残るのみとなりました。

また、2011年9月に低燃費パッケージを実装した軽エコカー、実質的にミラとエッセと統合した後継となる初代「ミライース」登場によって「ミラ」はダイハツ軽ベーシックカーとしての存在意義を失い、2013年2月以降はミライースに存在しない5速MT車のみ販売継続(ミラバンはCVTも継続)し、ミラカスタムも同時に廃止。

最後はATを好まないユーザー向けの5速MT専用車「ミラ」と、ダイハツ最後の軽ボンネットバン「ミラバン」のみが細々と販売を続けられ、2018年3月にひっそりカタログ落ちするという、寂しい結末を迎えています。

ただし、最後の「ミラ」は先代より全高アップしたにも関わらず、やや腰高感のあった先代よりどっしりした安定感あるデザインや、広い車内スペースなどパッケージングは優れており、38年間続いた「ミラ」「ミラバン」の最後を飾るにふさわしいモデルでした。

代表スペックと中古車相場

ダイハツ L275V ミラバン TX 2014年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,530
ホイールベース(mm):2,490
車重(kg):710
エンジン:KF-VE 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
排気量:658cc
最高出力:43kw(58ps)/7,200rpm
最大トルク:65N・m(6.6kgm)/4,000rpm(同上)
JC08モード燃費:24.2km/L
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場:0.1~88万円(カスタム含む・車両本体価格・2020年1月現在)

各代の新装備

初代L55系

・イージードライブ(4速セミMT)
・2速フルAT
・直列2気筒SOHC4バルブターボエンジン「AB35」
・パートタイム4WD
・フロントディスクブレーキ
・ビルトインタイプエアコン(オプション)
・12インチホイール

先代フェローまでMT(マニュアルミッション)のみだったダイハツの軽自動車ですが、初代ミラではモデルチェンジ当初からノークラッチ式で、シフトレバーを動かせばクラッチが切れて変速できるセミMT「イージードライブ」を採用。

ただし同時期、ライバルのアルトは既にトルクコンバーター式の2速AT車を発売していたため、クラッチ操作が不要とはいえシフトレバーを動かさなくてはいけないイージードライブは完全にユーザーからの需要に応えたものとはいえず、1982年5月のマイナーチェンジでようやく2速フルATを追加、ライバルに追いつきました。

パートタイム4WD車の追加はアルトと同じ1983年10月でしたが、同時にミラは初のターボエンジン「AB35」搭載車を設定してアルトをリード。グロス41馬力は三菱・ミニカターボよりも強力で、「ミラターボ」の名は当時軽ターボの代名詞にもなります。

フロントのディスクブレーキ(ターボ車や4WD、パルコなどで標準、ほかはオプション)や当時10インチが標準だった軽自動車としては大径の12インチホイール採用もライバルに先んじており、吊り下げ式クーラーではなくヒーター一体式ビルトインエアコンもオプションで設定しました。

なお、初代ミラ発売当時はまだ自動車を買う時に消費税ではなく物品税がかかる時代で、エアコンを標準装備した価格で物品税を取られるより、オプションで後付けした方が安上がりなため、2代目ミラの頃までエアコンは上級グレードや豪華装備の特別仕様車を除き、オプションなのが当たり前だったのです。

2代目L70系

・新型直列3気筒SOHC6バルブ自然吸気 / インタークーラーターボエンジン「EB」系
・EFI(電子制御燃料噴射装置)
・ロックアップ機構付き2速AT
・コイルスプリング・セミトレーリングアーム式リアサスペンション(FF車。4WD車は3リンク式)
・フルタイム4WD
・パワーステアリング
・パワーウィンドー
・サンルーフ

2代目ミラでは、MAXクオーレ以来使われていた4サイクル2気筒SOHCエンジン「AB」系から、新型の3気筒SOHCエンジン「EB」系へと全面刷新され、ターボエンジン「EB20」にはインタークーラーも装備してグロス52馬力を発揮。当時グロス41馬力程度だった軽自動車での最強ターボとして、第2次軽自動車パワーウォーズの幕を開けます。

EB20はモデル全期間を通してミラおよび、末期にミラへ統合されるまでの乗用車版クオーレのターボ車に搭載され続けましたが、1987年10月に燃料供給をキャブレター(気化器)からEFI(電子制御燃料噴射装置)に変更およびマルチポイントインジェクション化でネット58馬力化したEB25へ、さらに1988年10月にはブーストアップで軽自動車自主規制値上限の64馬力へパワーアップしたEB26へと発展。特にEB26はSOHC2バルブの550ccエンジンで唯一64馬力を達成しました。

また、組み合わせられるミッションも自然吸気エンジンの4速MTのほか、ターボ車では5速MTも設定。2速ATは軽自動車で初めてロックアップ(直結)機構つきとなり、後に3速AT車も追加されています。

走りを支えるリアサスペンションも、先代が簡素なリーフスプリング&車軸固定式だったのに対し、クオーレ同様にコイルスプリング&セミトレーリングアーム独立懸架式に変更され、操縦性や乗り心地が大幅改善。

4WDも現在でも安価な生活4WDではポピュラーなVCU(ビスカスカップリング)式フルタイム4WD(※正しくは必要に応じて後輪にも駆動配分するオンデマンド式4WD)を、1987年10月よりターボ車などで初設定しており、従来の軽自動車の枠を超えた充実ぶりです。

快適装備面でもパワーステアリングやパワーウィンドー、サンルーフといった装備が搭載されるようになり、安い代わりに簡素でガマンを強いられる軽自動車からの脱却が進みました。

3代目L200系

・新型3気筒SOHC6バルブ / 12バルブ自然吸気 / インタークーラーターボエンジン「EF」系
・4速AT
・サイドインパクトビーム
・4WS(4輪操舵)
・ASB(後輪アンチスピンブレーキ・TR-XXアバンツァートR)
・ビスカスLSD(TR-XX系)
・クロスミッション(X4-R)

3代目で660cc化されたL200系ミラには、550cc時代の「EB」を660ccへ排気量アップした「EF」系のエンジンを搭載。SOHC6バルブおよび12バルブの自然吸気エンジンや同インタークーラーターボエンジン、燃料供給方式もキャブレター式とEFIが存在。

上はSOHC12バルブEFIインタークーラーターボで高回転高出力を誇ったスポーツエンジン「EF-JL」から、下はSOHC6バルブキャブレター自然吸気の実用エンジン「EF-CL」まで多彩なラインナップが揃っており、組み合わせられるミッションも3速ATか4速ATが準備されました。

他にTR-XX系ではフロントデフ内ではなくフロントドライブシャフトへ外装式のビスカスLSDを装備可能で、ホットモデルのTR-XXアバンツァートRでは「ASB」を装備していますが、このASBは現在のABSと異なり後輪のみタイヤロックを抑えるアンチスピンブレーキなことに注意。

TR-4 / TR-XXアバンツァート4WSでは軽自動車市場唯一の4WS(4輪操舵)機構を持ち、あまりにコンパクトな車体を4WS化したため納車前の回送段階で操舵感覚を誤り接触事故が多発するほど小回りが効く特殊なグレードでしたが、あまりにマニアックすぎたのか後のミラどころか他の軽自動車でも採用されなかった、特異なメカニズムです。

さらに安全面でも配慮されており、この代から初めてドア内にサイドインパクトビームが装備されて、側面安全性能は大幅に強化されています。

また、初設定された競技ベース4WDターボモデル「X4-R」ではエンジンやタービンなどが強化されたほかクロスミッションを標準装備し、許された改造範囲の狭い競技でもライバルへ有利に戦えるチューニングがなされていました。

4代目L500系

・新型直列4気筒DOHC16バルブエンジン「JB-EL」(自然吸気) / 「JB-JL」(インタークーラーターボ)
・直列3気筒DOHCエンジン(自然吸気のEF-ZL、ターボのEF-RLなど)
・リアトーコントロールアーム(TR-XX系)
・4輪ABS
・エアバッグ

4代目L500系ミラは引き続き3気筒エンジン「EF」系が主流だったものの、新たに静粛性が高く振動も小さい4気筒エンジン「JB」系がモデルノ系やTR-XXアバンツァート系の上級グレード、標準モデルのスポーティグレードへ搭載されるようになり、モデルノと標準モデルには自然吸気版「JB-EL」、TR-XXアバンツァート系にはインタークーラーターボ版「JB-JL」が搭載されました。

ただし、JB系は高回転高出力型で低速トルクも弱かったことや部品点数増加で、高コストかつ燃費性能では低速からトルクがあって安価な3気筒EF系の分があり、EF系にもDOHC自然吸気/インタークーラーターボ版が登場、ミラへのJB系搭載は4代目L500系が最初で最後です。

その他、走りの面ではTR-XX系のリアロアアームがトー変更可能なトーコントロールアーム化されたほか、安全装備では4輪ABSや運転席エアバッグが装備されるようになっていきました。

5代目L700系

・新型直列3気筒DOHC12バルブ EFIインタークーラーターボエンジン「EF-DET」
・同DOHC12バルブ EFI可変バルブ機構つき自然吸気エンジン「EF-VE」
・同SOHC6バルブ EFI自然吸気エンジン「EF-SE」
・排出ガス浄化触媒「TOPAZ触媒」
・トーションビーム式リアサスペンション
・プラスチックベルト式CVT
・衝突安全ボディ「TAF(タフ)」
・デュアルエアバッグ
・DVS(統合式走行安定装置)
・クラッチスタートシステム
・衝突感知安全システム

新規格第1世代の5代目L700系ミラではJB系エンジンが廃止される一方、EF系エンジンはリファインされて整理されつつ継続され、DOHCターボの「EF-DET」(64馬力)、DOHC自然吸気エンジンにDVVT(トヨタのVVT-iに相当する可変バルブ機構)を組み合わせたEF-VE(58馬力)、廉価版SOHCエンジンのキャブレターをシングルポイントインジェクションのEFI化したEF-SE(48馬力)、3種類に更新。

組み合わせられるミッションは5速MTと3速AT / 4速ATのほか、プラスチックベルト式のCVTで、2001年には動力性能を損なわずに浄化性能を大幅に引き上げた「TOPAZ触媒」を装備して環境性能を引き上げるなど、低燃費・低排出ガス志向が高まりました。

サスペンションもフロントは先代同様のIアーム式ストラットだったもののリアサスペンションはトーションビーム(4WDは3リンク)となり、ラゲッジへのリアストラット張り出しを抑えてスペース効率を改善。

安全面でも新規格化で衝突安全性能向上が求められたこともあり、衝突安全ボディ「TAF(タフ)」や同内装「SOFI(ソフィ)」、デュアルエアバッグやブレーキアシスト付きABSを採用し、MT車へはクラッチスタートシステムも追加。

上級グレードへのオプションでは、ABSとトラクションコントロール、横滑り防止装置を統合制御する走行安定装置「DVS」が設定されるとともに、衝突時にはハザードランプ点滅やルームランプ点灯などで後続車へ危険を知らせる衝突感知安全システムも装備されるようになっています。

6代目L250系

・直列3気筒DOHC12バルブ直噴エンジン「EF-VD」
・アイドリングストップ

ムーヴやタントが販売の主力となったことで、オーソドックスな軽ベーシックとしての側面が強くなり、目玉となる新技術の搭載があまり求められなくなった6代目ミラですが、よりコンパクトなエッセ登場前はどのモデルより小型軽量で低燃費を狙いやすいかったことから軽自動車初の直噴エンジン「EF-VD」(60馬力)を搭載した「ミラV(ブイ)」を設定。

装備もパワーウインドゥレスなど簡素化し、5MTのギア比も軽自動車というより小型車並として、アイドリングストップシステムとの組み合わせにより10・15モード燃費30.5km/Lと、ハイブリッドカーに迫る超低燃費を内燃機関だけで実現。AT車が準備されないなど純粋な燃費スペシャルカーでしたが、この技術が初代ミライース以降の「e:s(イース)テクノロジー」へと発展していきます。

7代目L275系

・新型直列3気筒DOHC12バルブエンジン「KF-VE」(自然吸気) / 「KF-DET」(ターボ)
・新型CVT

7代目ミラでは堅実な軽ベーシックとしての要素がさらに強まり、新型のKF系エンジンや新型CVTにしてもタントやムーヴ、エッセなどに搭載されて既に実績あるものが選ばれています。

軽ベーシックとしての新技術搭載車種は「ミライース」へと受け継がれ、ミラは保守的ユーザー向け、あるいは軽ボンネットバンの「ミラバン」のように商用ユースがメインとなって、2018年3月の販売終了を迎えました。

派生車

ミラ・ウォークスルーバン(初代~4代目ベース)

初代ミラL55V系から旧規格最後の4代目L500系まで販売されていた軽貨物車がミラ・ウォークスルーバンで、フロントマスクやボンネット部分、フロアこそミラから流用されているもののボディは全く異なる箱型で、左側ドアなどバスのような折りたたみドアでした。

この左側大型ドアから非常に天井が高く低床の荷室まで歩いて入り楽に荷物を出し入れできるというのが「ウォークスルー」なところで、業務用途では非常にありがたがられる存在ではありましたが、衝突安全基準の見直しで前席と荷室があまりにも直結しすぎていて事故時の安全が確保できないこともあり、5代目以降は設定されなくなったのが残念です。

現在でも根強く愛好しているユーザーがあり、ターボエンジンへの換装やフェイスリフトなど、さまざまなカスタマイズのベース車にもなっています。

ミラ・ミチート(2代目~3代目ベース)

2代目L70系末期に改造車扱いで登場、3代目L200系で話題となった軽貨物車がミラ・ミチートで、ウォークスルーバンと似たような箱型ボディを持つものの荷物を出し入れするための左側大型ドアを持たず、代わりに荷室が左右上方へ大きく開く特殊構造と、より乗用車チックで丸みを帯びたフロントガラスが大きな特徴です。

荷物を運ぶというより、オシャレな移動販売車的な用途が想定され、フロントガラスの丸みをそのままリアまで延長して後席も設けたカボチャの馬車的なコンセプトカーも存在したものの、市販には至っていません。
ウォークスルーバン以上に需要がニッチ過ぎたのか、正規カタログモデルとして販売されたのは3代目の時だけでした。

ミラジーノ / ミラジーノ1000(5代目~6代目ベース)

4代目L500系末期にレトロカーブームで作った「ミラクラシック」をより発展させ、5代目L700系ベースでイギリスのBMC・ミニ(旧ミニ)そっくりの外観を与えたのが初代L700S系ミラジーノで、ストーリアと同じ1,000ccエンジンを搭載した小型車版ミラジーン1000も存在しました。

あまりにミニと似ていたことや、明らかにミニを意識した外装オプションパーツ類のため本家BMCの後進、イギリスのローバーグループから「さすがにやりすぎ」と横槍が入ったとも噂されるほどの出来で、いわばレトロカーブームの決定版。

2代目L650S系は6代目L250系ミラをベースに、BMW・ミニ(新ミニ)風の外装を与えて型式も独立させましたが、新ミニとはサイズが違いすぎたことや、ターボエンジンやMTを廃止して自然吸気エンジン+4ATのみのおとなしい車になったこともあって目立たなくなり、新旧ミニ路線はこの2代目ミラジーノで終わりました。

ミラアヴィ(6代目ベース)

6代目L250系をベースに縦型大型ヘッドランプや大型フロントグリルを与えて表情を大きく変え、ミラにも2代目ミラジーノにもないターボエンジンも与えたのがミラアヴィです。

しかし、自然吸気エンジン搭載の通常グレードは女性向け上級モデルとして2代目ミラジーノとユーザーがかぶり、さりとてターボエンジン搭載のRSグレードはスポーツ系と呼ぶにも中途半端な出来だったことから人気モデルとはなれず、「ターボ+MTの組み合わせがあった、最後のミラターボ」としてのみ記憶に残ります。

ミラカスタム(7代目ベース)

7代目L275系ミラをベースにした高級/スポーティモデルでミラアヴィ後継。ただしターボエンジンを搭載した「RS」グレードがあるにも関わらず当時のダイハツは2代目コペン登場までKF系ターボエンジンとMTの組み合わせをFF車やFFベース4WDでやるつもりはなかったようで、RSを含め全てCVT車だったことでスポーツ派ユーザーの心はつかめませんでした。

さりとて「カスタム」と名がつく割にはメッキグリルなどメッキパーツの多用で派手な外装にしようという気配もなく、ミラアヴィ同様に想定ユーザーが曖昧なまま終わったのは残念です。

ミラココア(7代目ベース)

7代目L275系ミラをベースに丸みをもたせた親しみやすい「ゆるふわ系デザイン」としたのがミラココアで、2代目ミラジーノとムーヴラテを統合した後継車。

最大の特徴は、後席ドアのさらに後ろへ、後端はリアハッチまで回り込むほど大きく設けられたリアクォーターウィンドウで、軽ベーシックカーというには豪華かつ広々として車内も明るく、軽トールワゴンというほど車高が高くないニッチ需要狙いの車です。そしてこのミラココアがミラから直接派生した最後のモデルでした。

初代ミライース / 初代トヨタ・ピクシスエポック(7代目ベース)

小型軽量簡素な軽ベーシックカーの原点を追求し、エコカーとしても軽量スポーティハッチバックとしても優れた素材だったエッセの後継として登場、7代目ミラの途中から加わっているため一応ミラシリーズの派生車種となりますが、実際にはエッセ後継で全くの新型車種で、トヨタにもピクシスエポックとして供給されています。

「e:s(イース)テクノロジー」と呼ばれる高効率・低燃費・低排出ガスを追求し、内燃機関のみでハイブリッドカー並の環境性能を実現した軽エコカーで、軽ベーシックは今後こうあるべきという指針を示した画期的な車ですが、実用車であるためあくまで目立たないのが最大の特徴かもしれません。

ミラが7代目で廃止されたことにより、このミライースが2代目以降は実質7代目ミラ後継としてダイハツの軽ベーシックへ収まり、ミライース派生車としてミラトコットも誕生するなど、新たなミラシリーズの歴史を刻んでいます。

初代~2代目クオーレ(初代~2代目前期の5ナンバー版)

初期のミラは商用登録(4ナンバー)の軽ボンネットバンのみで登場しましたが、では乗用登録(5ナンバー)でフェローやMAXクオーレの後継は何だったかといえば、クオーレ。

一応は軽自動車に後席も広い乗用車需要を見越して販売されていましたが、安価な軽ボンネトバンブームでライバルのスズキ・フロンテともどもすっかり地味な存在となり、販売的にも主力ではなかったため4WDの設定なくターボも限定的な設定にとどまって、ミラTR-XXのように派手なモデルもなく、軽乗用車/軽ボンネットバン統合の際に選ばれた名前はミラでした。

ただしそれでクオーレの車名が完全に消えたわけではなく、輸出版など海外仕様はクオーレやシャレードなど、海外なりにメジャーな車名で販売されています。

リーザ(2代目~3代目ベース)

2代目L70系ミラをベースにホイールベースを短縮、ガラスエリアが広くルーフは低く、テールゲートも寝かせた3ドアハッチバッククーペ的な軽スペシャリティカーがリーザです。

運転席側スペースを当時のシャレード並に広げるなど運転席重視のパッケージングなパーソナルカーで、後席はたとえ5ナンバーの乗用登録版でさえミニマムで、4ナンバーの商用登録版ともなると後席への着座や快適性はほぼ不問といえるレベル。

ただしミラよりショートホイールベースで全高も低いため、ジムカーナ競技などスポーツ用途ではミラより多用され、前置きインタークーラーのターボ車リーザZ、上置きインタークラーでEFターボもあったリーザTR-ZZなど、ミラに準ずる充実したラインナップを誇りました。

軽自動車規格改訂で廃止されるかと思いきや、660ccエンジンを搭載してボディは防錆鋼板の採用や前後バンパー延長を除けばほぼそのままの2代目L111S(初代はL100系)に移行し、少数しか売れなかったものの2シーターオープンのリーザスパイダーも販売されています。

オプティ(3代目・5代目ベース)

前述のリーザが短期間ながら2代目も販売されたのは、3代目L200系ミラをベースにした新たな軽スペシャリティカー、オプティまでのつなぎ。ただしクサビ型ボディでスポーティともいえるリーザと異なり、複数の円をつなぎ合わせたようにひたすら丸く愛らしいボディとヘッドランプが特徴。

一応ミラより上級に位置づけられてDOHCエンジン搭載車などもありますが、デザイン上の制約がターボ車は存在せず、3代目ミラの途中から追加されて4代目L500系ミラの時代も併売されていました。

新規格化にともない5代目L700系ミラをベースにモデルチェンジすると、今度は小さいながらも独立トランクを持ち、当時のメルセデス・ベンツEクラスのような丸目4灯ヘッドライトを持つ軽4ドアハードトップという驚きのスタイルで登場。初期型には4気筒ターボエンジンJB-DET搭載車も存在し、独立トランクの恩恵でハッチバック車よりボディ剛性はあったのでスポーツユーザーにも多用されています。

初代~4代目ムーヴ(4代目~7代目ベース)

1990年に初代三菱・ミニカトッポが登場したあたりからダイハツでも軽トールワゴンの可能性を検討していたとうですが、1993年に初代スズキ・ワゴンRが登場して大ヒットすると同種のモデルをラインナップする必要に迫られ、4代目L500系ミラをベースに仕立てられたのが初代L600系ムーヴです。

急造のためフロアは4代目ミラそのままで、着座位置が低いなどパッケージングの面で明らかにワゴンRより劣るところはありましたが、テールゲートにミニカトッポ同様力のいらない横開きを採用したり、軽トールワゴンで初めて5ドアを採用(ミニカトッポやワゴンRは後席右側ドアがなかった)するなどユーザーの使い勝手の面ではありがたかった部分もあり、ワゴンRに次ぐ売れ筋軽トールワゴンとして存在感を示すのに成功。

以後、新規格化した2代目以降はダイハツの主力車種となり、タントにその座を明け渡してからは新たなダイハツ軽自動車の標準モデルとして販売され続けています(ミラやミライースは、ベーシックというより軽コンパクトともいえます)。

MAX / ネイキッド(5代目ベース)

軽自動車が現行の新規格になった1998年10月以降、ダイハツは今後の軽自動車がどうあるべきか試行錯誤したモデルを5代目ミラベースでいくつか開発しており、コンパクト・トールワゴンYRVの軽自動車版といえるスポーティ版をMAX、現在でいうクロスオーバーSUV版をネイキッドとして、2代目ムーヴとともに販売していました。

特にMAXはコペンなどと同じ4気筒ターボエンジンJB-DETを搭載し、ダイハツ軽自動車として初めてチルトステアリングを採用、4WDシステムも電子制御カップリング式のサイバー4WDを採用するなど力を入れましたが、結果的にその方向性が主流とはならず。

ネイキッドも「道具感」を前面に打ち出したデザインなど特色があり、当時はまだ軽クロスオーバーSUVが流行るという時代ではなかったため主流となれず一代限りで終わったものの、2020年に「タフト」として、ネイキッドとほぼ同様のコンセプトを持つ新型軽クロスオーバーSUVが復活しそうです。

初代~2代目タント / タントエグゼ / スバル・ルクラ(6代目~7代目ベース)

初代、2代目と成功したものの業界No.1のスズキ・ワゴンRの牙城を崩すまでに至らなかったダイハツが、さらなるスズキ打倒作として2003年、6代目L250軽ミラベースで登場させたのが初代タント。当初こそ軽トールワゴンよりさらに天井が高い軽ハイトールワゴン、一般的には軽スーパーハイトワゴンというジャンルは「重心が高そうで心配」と言われたものの、ファミリーカーとして子供が車内で立てるなど実用性の高さは抜群。

2代目以降はBピラーを右後席スライドドアへ仕込み、右前後席ドアを開けばベビーカーをそのままのせられるほど広大な開口部が出現する「ミラクルオープンドア」を備えるようになりました。

なお、ミラクルオープンドアを持たず前後席ともヒンジドア版のタントエグゼも存在し、スバルへもルクラとしてOEM供給されています。

ムーヴラテ / ムーヴコンテ / トヨタ・ピクシススペース

(6代目~7代目ベース)
6代目ミラの時期、それをベースにひたすらムーヴのカドを落とした丸みのあるボディで通称「猫バス」の異名をとったのが「ムーヴラテ」で、その路線はミラココアに受け継がれたものの、ミラベースのムーヴ派生車種としては7代目ミラベースで、今度はムーヴを徹底的に四角くしたような「ムーヴコンテ」が登場。

ムーヴコンテは軽自動車ブランド「ピクシス」を立ち上げたトヨタにも「ピクシススペース」としてOEM供給されました。

エッセ(6代目ベース)

6代目L250系ミラをベースに、「The K」をテーマに小型軽量安価でシンプルな軽自動車の原点を追求したのがエッセで、新型エンジン「KF」搭載と軽量高効率を武器にエコカーとして売り出し、走りのよさから自然吸気エンジンのみのラインナップながらホットハッチ的な人気を得ました。

このままミラより簡素なシリーズとして発展していくかと思いきや、ミラに代わる新たな軽コンパクト路線を進むこととなり、2代目以降は「ミライース」と改名して現在に至っています。

初代コペン(5代目ベース)

5代目L700系ミラが生んだ最大の異端児といえる派生車種が初代L880Kコペンで、当時まだ高級車にしか存在しなかった、電動メタルトップを持つ軽スポーツとして登場(脱着式ハードトップも存在)。

1990年代の軽オープンスポーツがいずれも後輪駆動だったことから、FFスポーツを認めないスポーツユーザーからはミラの焼き直しのような酷評を受けたものの、実際には歴代軽自動車最強のスペックを持つ4気筒ツインスクロールターボエンジン版JB-DETを搭載し、ミラより俊敏かつ低重心な運動性能によって軽スポーツとしても抜群の性能を発揮。

もちろん電動トップの恩恵で、「オープンカーを安く手軽に持ちたいユーザー」にも大いに受けて、2002年の発売から2012年まで実に約10年も販売されるロングセラーモデルとなりました。

同時に新規格第1世代ミラ(5代目L700系)をベースとした派生車種としてはもっとも長寿モデルとなり、JB-DET搭載車やミッションなど駆動系、サスペンションなど足回りの部品が流用できるモデルが近年まで販売されていたことにより、かなりのダイハツユーザーが初代コペンの、そして5代目L700系ミラの恩恵を受けています。

ストーリア / トヨタ・デュエット(5代目ベース)

1998年10月に発売される5代目ミラのプラットフォームを拡張し、同年2月に先行発売されたのがダイハツ・ストーリア。後にトヨタにもデュエットとして供給され、トヨタのボトムレンジ・コンパクトカーはダイハツで生産した車が担当という現在までの下地を作った車です。

基本的には5代目L700系ミラの全長・全幅を拡大して1,000~1,300ccエンジンを搭載した車で、サスペンションやミッションなど駆動系はほぼ共通。そのためストーリアや派生型のYRVのパーツを5代目ミラやその発展型と相互に使い回すことが可能なことから、同世代のダイハツ軽自動車やコンパクトカーのチューニングが盛んになった理由でもあります。

特にストーリア4WDへ4代目ミラ用JB-JLを713cc化してクロスミッションや機械式LSDを組み込んだ競技ベース車「ストーリアX4(クロスフォー)」用のパーツは、純正部品でありながら性能を飛躍的に高めるパーツとしてミラ系や初代コペンのチューニングにも数多く応用されています。

YRV(5代目ベース)

ストーリア派生車で、ダイハツ製小型車としてはトヨタへOEM供給(または共同開発でトヨタ向けに生産・供給)されなかった最後の車(2020年1月現在)。

ストーリアより全高を高めてラゲッジも拡大、直線基調のスポーティなボディや、ストーリアより強力な1,300ccターボエンジン「K3-VET」搭載車もあり、ストーリア同様にK3-VETを5代目ミラなどへスワップするチューニングがファンによって行われています。

初代~2代目ブーン / トヨタ・パッソ(6代目~7代目ベース)

6代目L250系ミラのプラットフォームをベースに、ストーリア / デュエット後継車としてトヨタとダイハツが共同開発したコンパクトカーで、ダイハツ版がブーン、トヨタ版がパッソ。

ダイハツからのOEM供給ではなくあくまでトヨタと共同開発した車をダイハツで生産し、両車で販売するという形をとっており、初代のほか2代目ブーン / パッソまで同じ形式で開発されましたが、初代ミライースへベースが移った3代目からはダイハツの開発・生産・トヨタへOEMという形に戻っています。

初代ブーンのみストーリア同様の競技ベース車「ブーンX4」が存在し、K3-VETを936ccターボへスケールダウンしたKJ-VETを搭載してラリーやダートトライアルで活躍しましたが、ダイハツがモータースポーツ活動から撤退したため、ブーンX4が最後のモータースポーツ向けダイハツ車となりました。

クー / 2代目トヨタ・bB / スバル・デックス(6代目ベース)

初代ブーン / パッソと同様の手法で開発された6代目L250系ミラベースのコンパクトカーで、トヨタ版がマッタリシートや多数のスピーカーを持つオーディオを装備するなど「走るミュージックプレイヤー」として開発されたのに対し、ダイハツ版のクーは単なるブーンベースのスペースが広いコンパクトカーとして開発、後にトヨタ傘下となったスバルにもデックスとして、ダイハツからOEM供給されました。

ブーンルミナス / トヨタ・パッソセッテ(7代目ベース)

ミラをベースとしたコンパクトカーの中で最大級だったのがコンパクトミニバンのブーンルミナス / パッソセッテで、7代目L275系ミラのプラットフォームを最大限拡張した上で1.5リッターエンジンを搭載した3列シートミニバン。同時期の2代目ブーン / パッソと異なり、ダイハツが開発してトヨタへもOEM供給という形をとっていました。

それまでも軽1BOXワゴンをベースに3列シートミニバン化した車はあったものの、FF2BOX乗用車ベースの拡張で3列シート化はやはり無理があったようで3列目スペースはミニマム、搭載エンジンの関係でエコカー減税に対応していなかったことや、ターゲットとなるユーザー層とあまりに異なるキャスティングで大不評を買ったパッソセッテのTVCMなどにより販売は極めて低迷。

そのため短期間で廃止され、ダイハツ版ブーンルミナスはともかく、パッソセッテはあまりの販売不振に前任車のシエンタ(初代)が復活再販売されるという異例の事態になったことで知られています。

2代目スバル・プレオ(7代目OEM)

2012年までに独自の軽自動車生産を終了したスバルが、軽自動車販売を続行するためダイハツからのOEM供給を受けることとなり、7代目ミラのスバルOEM版として販売されていたのが2代目スバル・プレオ。

7代目ミラの生産終了で2代目プレオも廃止され、2020年1月現在は2代目ミライースのOEM版がプレオプラスとして販売されています。

プロドゥア・カンチル(3代目マレーシア版・日本未発売)

マレーシア資本でダイハツと資本提携し、同国の国民車を生産・販売する目的で設立された「プロドゥア」で、1994年より生産・販売された初のコンパクトカーがカンチル。3代目L200系ミラをベースにフロントマスクなど細部デザインが異なるほかは、エンジンも660ccのほか輸出仕様の850ccエンジンが搭載されるなど、ほぼ3代目ミラそのもので、日本へは逆輸入されていませんが、イギリスなどへも低価格コンパクトカーとして輸出されました。

3代目ミラ末期に販売が始まったもののマレーシアでは安価なエントリーモデルとして重宝されて2009年まで生産され、初期のプロドゥアを支え、同社がマレーシアNo.1国民車メーカーとなる礎となったモデルです。

プロドゥア・クリサ(5代目マレーシア版・日本未発売)

5代目L700系ミラをベースに前後デザインを独自のものとしたプロドゥア版がクリサで、新規格軽自動車ベースで一回り大きいため、カンチルの上級版として2001年から2007年まで生産・販売されていました。

プロドゥア・ビバ(6代目マレーシア版・日本未発売)

クリサの後継として6代目L250系ミラをベースに2007年に発売されたのがプロドゥア・クリサで、カンチルやクリサが単純に前後パーツを入れ替え細部のデザイン変更した程度なのに比べ、やはり前後デザイン変更がメインとはいえプロドゥアのオリジナル色を高め、上級版のビバ・エリートなどまるで別車のようになっていおり、2014年まで販売されていました。

以後、後継車としてアイラ / トヨタ・アギアが販売されていますが、ベース車はミライースへと変わっています。

モータースポーツ

ダイハツは4輪乗用車市場への参入初期からモータースポーツ活動に熱心だったメーカーのひとつで、規模こそ小さいものの熱意をもって小型レーシングカーP-3やP-5を開発、日本グランプリなどビッグレースへも投入しており、アバルトやホンダR1300など国内外の同クラスマシンに負けない活躍でした。

トヨタ傘下となって軽自動車やコンパクトカーへ専念するようになってからも、トヨタから生産委託された2代目パブリカのダイハツ版コンソルテや、旧型カローラベースの独自コンパクトセダン、シャルマン、軽乗用車フェローによるラリー、ミニカーレース参戦などに熱心で、シャレードも初代から輸出先の現地ディーラーから要請を受け、国際ラリーなどへ参戦しています。

ミラも2代目L70系からは4WDターボ版のL71Vミラ4WDターボ EFIなどで全日本ラリーへ参戦するようになり、3代目L210SミラX-4Rという競技ベース車が登場すると、当時のライバルだったスズキ・アルトワークスを圧倒し、スバル・ヴィヴィオRX-RAとも激しく争うなど全日本ラリーや全日本ダートトライアルで活躍。

5代目L512SミラTR-XXアバンツァートX4は期待の新エンジン、4気筒DOHCターボのJB-JLを引っさげ華々しく登場したものの、旧規格軽自動車最強だったスズキHB21Sアルトワークスには太刀打ちできず、むしろ全日本ラリー2輪駆動部門Aクラスで唯一の2WD競技ベース車だったL502SミラTR-XXアバンツァートX2が活躍しました。

その次の代、新規格軽自動車の時代になるとナンバー付き車両による競技は小型車でパワフルなストーリアX4やブーンX4で参戦するようになりますが、ダートトライアルの改造車部門などではむしろ小型軽量マシンへ大排気量エンジンを積める軽自動車が有利で、6代目ミラTR4WDや7代目ミラアヴィRS 4WD、初代 / 2代目ミラジーノ、2代目オプティといったミラ系の改造車が全盛期だったものです。

しかし、2009年初頭にダイハツがモータースポーツから完全撤退を決めると、ラリーやダートトライアルではそれまでダイハツ車がほとんどを占めていたクラスが成立できなくなり、プライベーターも参戦をやめてしまったため、メジャーなステージでミラの改造車などほとんど見られなくなってしまったのは残念でした。

なお、軽カー耐久などレースでも古くからプライベーターの手で活躍していた歴代ミラですが、新規格軽自動車のNA(自然吸気エンジン車)のみで戦われ、安価に参戦可能なスプリントレースや耐久レースが増えており、そこでは車高が低く軽量、コペンやストーリアX4の影響でチューニングパーツも多い5代目L700系や、エッセやミライースと同じ新世代のKFエンジンを搭載する7代目L275系が今でも数多く活躍しています。

中古車市場での動向

ミラジーノなど派生車を除く純粋な「ミラ」で中古車市場へ流通しているのはほとんどが1998年10月以降の新規格車となっており、20年以上前に販売されていた旧規格車はほとんど残っておらず、ウォークスルーバンなど特殊用途の車両がかえって目立つくらいです。

ミッションなど駆動系やエンジンなど現行車種にまで受け継がれているメカニズムが多い新規格車はともかく、メカニズム面でだいぶ異なる旧規格車は純正部品の供給面からも維持がかなり困難になっており、安いからと程度の悪い車を買っても乗り続けるというより半ば以上部品取りと考えるべきで、さりとてワンオーナー車など程度極上車を除けば高価格帯の車は改造車が目立ち、修理を要する状況になれば手のつけようがない可能が高くなります。

以下、ミラジーノやミライース、ミラココアのような独立した派生車種を除いた2020年1月現在の中古車一覧です。

初代L55系ミラ:2台(43万円~ASK)
2代目L70系ミラ(TR-XX系含む):5台(28.8万円~88万円)
3代目L200系ミラ(モデルノ、TR-XX系含む):11台(15万円~59万円)
4代目L500系ミラ(モデルノ、TR-XX系含む):32台(9.8万円~68万円)
5代目L700系ミラ(ジーノ含まず):94台(0.2万円~99万円)
6代目L250系ミラ(ミラアヴィ含む):351台(0.1万円~65.1万円)
7代目L275系ミラ(ミラカスタム含む):1,402台(1.0万円~79.8万円)

3代目L70系ミラウォークスルーバン:3台(39.8万円~59.8万円)
3代目L200系ミラウォークスルーバン:13台(48万円~108万円)
3代目L200系ミラミチート:2台(68万円~69.8万円)
4代目L500系ミラウォークスルーバン:5台(47万円~99万円)

以上のように、かつての憧れや青春時代を思い出す意味で旧規格車に乗るなら末期の4代目L500系、あるいはウォークスルーバンなら3代目L200系の流通台数が多く、どうしてもというわけでもなければ、まだ部品供給の見込める新規格車がオススメです。

その新規格車でも最終型の7代目L275系がタマ数豊富で年式の割には安く、3ドアやMT車も探せば出てきますし、どうしても好きだという理由でもなければ5代目L700系や6代目L250系を選ぶ理由は特にないでしょう。

今後については、旧規格車は旧車としてさらにプレミア傾向が強まり現存車で程度のよいものは価格が上がっていきそうな一方、新規格車も特に価値のないAT車は古いものから廃車されて消えていき、スポーツ用途など付加価値があるMT車は市場で見つけるのが次第に困難になるとともに、価格が上がっていく傾向になると思われます。