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JNCAP「予防安全性能アセスメント」に見る、各自動車メーカーの対応、精度~三菱編~(2018年度前期)

レベル2までの運転自動化技術『運転支援』が多くの車に装備されるようになり、第3者機関による予防安全技術の公的な評価に注目が集まっています。日本ではNASVA(独立行政法人 自動車事故対策機構)がJNCAP(自動車アセスメント)の中で『予防安全アセスメント(性能評価)』を行っていますが、2018年11月に発表された最新評価(平成30年度前期)を踏まえつつ、この記事では三菱車を紹介します。

2018年度(平成30年度)前期の最新試験、1台目は三菱式システムのエクリプスクロス

評価方法に『被害軽減ブレーキ※(前方歩行者との衝突に対して:夜間[街灯あり])』『高機能前照灯』『ペダル踏み間違い時加速抑制』が加えられた2018年度最初の試験で、三菱車から対象になったのはSUVのエクリプスクロス(2018年3月発売)と、軽スーパーハイトワゴンのeKスペースカスタム(2014年2月発売)の2台です。

この2台、同じ三菱車で三菱が『FCM』と呼んでいる被害軽減ブレーキを含む予防安全パッケージe-Assits搭載ですが、両者のシステムは全く異なります。

エクリプスクロスは基本がレーザーレーダーでACC(アダプティブ・クルーズコントロール)搭載車のみミリ波レーダーも搭載した三菱オリジナルのシステムで、eKスペースカスタムは単眼カメラによる画像処理のみ、つまり日産と同じシステム。

その差がどう出るかが興味深いところですが、まずエクリプスクロスの対象グレードは中間グレードの『G』で、タイヤサイズは225/55R18 98H。

ACC搭載車ですが試験結果の詳細欄にはセンサーが『単眼カメラ+レーザーレーダー』と書かれており、FCMではミリ波レーダーを使わないように見えますが、検知距離が短いレーザーレーダーでどのような結果が気になります。

【試験結果】
被害軽減ブレーキ[対車両]:32.0点中32.0点(満点)
被害軽減ブレーキ[対歩行者]:65.0点中14.9点
車線逸脱抑制:16.0点中8.0点
後方視界情報:6.0点中6.0点(満点)
高機能前照灯:5.0点中1.4点
ペダル踏み間違い時加速抑制:2.0点中1.2点
総合:126点中63.5点(ASV++)

【解説】
まず、夜間歩行者対応はしていないシステムなため、『被害軽減ブレーキ[対歩行者]』は最初から夜間試験は行わず40点マイナスです。

『車線逸脱抑制』はステアリングアシストなしで警報のみなので8.0点マイナス、『高機能前照灯』は対向車が来た時にロービームにするだけのオートマチックハイビームで、照射範囲を調整しながらハイビームを続けるアダプティブハイビームではないので、ここでも3.6点マイナス。

『ペダル踏み間違い時加速抑制』も停止までせず出力調整で急発進を防ぐのみなので、0.8点マイナスと、装備面の差で最初から不利でした。その上で被害軽減ブレーキの対車両及び昼間の対歩行者試験結果は以下です。

『対車両・ターゲットが止まった状態での試験(CCRsシナリオ)』
約10~60km/hの試験全車速域で衝突回避に成功。

『対車両・ターゲット20km/h で走行している場合(CCRmシナリオ)』
約35~60km/hの試験全車速域で衝突回避に成功。

『対歩行者・見通しの良い道路を向かって左から横断する場合(CPNシナリオ)』
約10km/hではシステム動作範囲ギリギリのようで3回中1回衝突、約15~25km/hででは安定して衝突回避、約30km/h以上ではシステムが作動するため警報とともにドライバーがブレーキを踏めば回避可能ですが、40km/h以上では回避できず被害軽減のみ。

『対歩行者・駐車車両の陰から道路を横断する場合(CPNOシナリオ)』
約25km/hでは衝突回避に成功したものの、約30km/h以上では衝突してしまうので、被害軽減以上は望めません。

以上、対歩行者に対しては「やはりレーザーレーダーと単眼カメラの組み合わせだとこんなもんだよね」という成績で、見通しのいい場所を30km/hで走ることなどそうそうないと思えば、一般的な走行シチュエーションでは役に立たないと思った方が良いでしょう。
対車両で良い成績を上げているのは、もしかするとACC装着車ゆえにミリ波レーダーが対車両だけは効いているのかもしれませんが、どのような制御かは定かではありません。

いずれにせよ、被害軽減ブレーキに関しては「対車両なら衝突回避に役立つものの、対歩行者では被害軽減程度しか見込めない」という、極端な結果になりました。

これが2018年3月に発売された三菱の最新SUVかと思うとかなり寂しいとともに、三菱にはもはやこの種の装備を(センサーは外部から購入するとしても)独力で搭載するのがもはや難しい、という厳しさも感じます。

2台目のeKスペースカスタムは日産同様のシステムで大幅に挽回

2台目のeKスペースカスタムは対象グレードが中間グレードの『G Safety Package』で、タイヤサイズは225/55R18 98H。 2014年2月の発売時は予防安全パッケージがありませんでしたが、同年12月に『e-Assist』搭載車を追加し、センサーにレーザーレーダーのみ使った被害軽減ブレーキ『FCM-City』は、2018年5月に単眼カメラのみの『FCM』へ進化しています。

【試験結果】
被害軽減ブレーキ[対車両]:32.0点中32.0点(満点)
被害軽減ブレーキ[対歩行者]:65.0点中44.2点
車線逸脱抑制:16.0点中8.0点
後方視界情報:6.0点中6.0点(満点)
高機能前照灯:5.0点中1.4点
ペダル踏み間違い時加速抑制:2.0点中1.6点
総合:126点中93.2点(ASV+++)

【解説】
何と単眼カメラのみのeKスペースカスタムが、レーザーレーダーも組み合わせたエクリプスクロスより勝り、堂々のASV+++認定という結果になりました。

これは夜間対歩行者にもある程度効果を発揮する単眼カメラセンサーのおかげで、日産 デイズルークスの兄弟車で同社の技術も入っていると思えば、まさに日産の技術によるものです。

『車線逸脱抑制』はステアリングアシストなしで警報のみなので8.0点マイナス、『高機能前照灯』は対向車が来た時にロービームにするだけのオートマチックハイビームで、照射範囲を調整しながらハイビームを続けるアダプティブハイビームではないので、ここでも3.6点マイナス。

『ペダル踏み間違い時加速抑制』は前進時のみですが出力調整で急発進を防ぐのみならず、ブレーキで停止もさせるため、0.4点マイナスに留まりました。

『対車両・ターゲットが止まった状態での試験(CCRsシナリオ)』
約10~60km/hの試験全車速域で衝突回避に成功。

『対車両・ターゲット20km/h で走行している場合(CCRmシナリオ)』
約35~60km/hの試験全車速域で衝突回避に成功。

『対歩行者・見通しの良い道路を向かって左から横断する場合(CPNシナリオ)』
約10~55km/hで安定して衝突回避、約60km/hのみ3回中1回衝突しましたが、システム自体は作動してかなりの舷側に成功しています。

『対歩行者・駐車車両の陰から道路を横断する場合(CPNOシナリオ)』
約25~40km/hで安定して衝突回避、約45km/hでは3回中2回衝突しましたが、システム自体は作動してかなりの舷側に成功しています。

『夜間・対向車両がいない見通しの良い道路を向かって右から横断する場合(CPFシナリオ)』
約30km/hで安定して衝突回避しましたが、約35km/h以上となるとシステムは作動するもの音ブレーキは間に合わず、被害軽減のみです。

『夜間・対向車両の後ろから道路を横断する場合(CPFOシナリオ)』
約30km/hで安定して衝突回避しましたが、約35km/h以上で被害軽減のみなのはCPFシナリオと変わりませんが、速度低減率が高いので検知はむしろ早いようです。

以上、夜間・対歩行者についてだけは『ないよりマシ』レベルですが、昼間に限定すれば対飛行者でも優れた性能を発揮しており、エクリプスクロスより高い評価を引き出す結果となりました。

日産と同じシステムということであれば、2017年のノートe-POWERで既に実証済みなので、同じ結果が出て当然とも言えますが、ホンダのN-VANが2018年度前半試験で証明したように『Honda SENSING』のようなミリ波レーダーがあれば、より高精度が見込めます。

被害軽減ブレーキに4種類のシステムが混在する現在の三菱車

2018年末現在の三菱車は独自開発、日産との共同開発、日産やスズキからのOEMと3種類が存在するため、衝突被害軽減ブレーキも方式が3社混在で4種類あります。

  • レーザーレーダーのみ(FCM-City):ミラージュ、タウンボックス
  • 単眼カメラのみ(FCM):eKワゴン/eKスペース
  • ステレオカメラのみ(デュアルカメラブレーキサポート):デリカD:2
  • レーザーレーダー+単眼カメラ(FCM):エクリプスクロスなど

この中でJNCAPの成績がもっともよいのはスズキからソリオのOEM供給を受けたデリカD:2の『デュアルカメラブレーキサポート』で、次が日産と共同開発したeKシリーズの単眼カメラ式FCMです。

もっとも、スズキからエブリイワゴンのOEM供給を受けたタウンボックスのように、精度の低いレーザーレーダーのみというケースもありますから、効果的な被害軽減ブレーキ搭載車が欲しい場合、どの方式を使ったものかよく考えて選択すべきでしょう。