メルセデス・ベンツ

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メルセデス ベンツ Eクラス ベンツの中核は輸入高級車の重要なベンチマーク

自動車メーカーにはイメージリーダーとなるべき車が1つや2つはあるものですが、メルセデス・ベンツのEクラスもそんな重要車種の1台で、単なるミドルクラスの高級サルーンというだけではなく、会社を挙げた新技術の広告塔として重要な役割を担っています。それだけに時には酷評にさらされることもありますが、その本来ネガティブなエピソードでさえも大きな期待の裏返しといえる、世界中の車のベンチーマーク的存在です。

各代の概要や時代背景

高級車メーカーのエントリーモデルという時期が長かったEクラス前史

世界最古の自動車メーカーのひとつ、ドイルのダイムラー・ベンツだけに、その乗用車ブランド「メルセデス・ベンツ」から現在でも販売されているミドルクラスセダン、「Eクラス」の歴史は深く、第2次世界大戦前の1930年代までさかのぼることができます。

1930年当時、第一次世界大戦の敗戦による多額の賠償に苦しみ、さらに1929年に起きた世界大恐慌の渦に巻き込まれていたドイツでは、メルセデス・ベンツがそれまで主に作ってきたようなラグジュアリー性の高い高級車の販売が伸び悩んだのは必然で、現実的な市場に対応する、比較的安価なモデルの開発に迫られました。

そこで1931年に発売されたW15系「メルセデス・ベンツ170」シリーズは小型で安価、構造的には旧態依然としつつも量産乗用車として世界初の四輪独立懸架を採用するなどメルセデス・ベンツらしい車作りによって好評となります。

1936年に発売された後継車W136系はエンジン開発技術の進歩により振動抑制のための6気筒エンジンが不要になり、部品点数が少なく安価にして軽量な直列4気筒エンジンを搭載、低床式X字型バックボーンフレームの採用など新機軸を採用し、第2次世界大戦を挟んで1955年まで生産され、一時期全ての販売車がW136だった時期もあるなど、戦後苦しい時期のメルセデス・ベンツを支えた名車でした。

1950年代に入るとさすがのW136も旧式化が著しかったため、1953年には後継としてセミモノコック構造を採用した完全戦後型メルセデス、W120系が登場。いずれも直列4気筒エンジンで1.8リッター車はW121型「メルセデス・ベンツ180」として1980年代の190シリーズから再興される現在の「Cクラス」の源流となり、1.9リッター車はW121型「メルセデス・ベンツ190」として現在の「Eクラス」直接的な源流と言われています。

以後、1960年代のW110系、1960年代末から1970年代半ばのW114系と代を重ねてW114からは直列6気筒エンジンを再び搭載するようになり(4気筒エンジンやディーゼル車はW115)、1976年に登場したW123ではW120系以来のメルセデス・ベンツがデザイン・アイデンティティとしていたタテ目ルックの丸目ヘッドライトから横長の異形ヘッドライトへ変わり、新世代モデルであることを強調します。

W123系の末期、1982年には1ランク下のエントリーモデル、新「190シリーズ」(現在のCクラス)が登場したため、W123系はコンパクトクラスとしての役目を終え「ミディアムクラス」として販売されるようになり、1985年にモデルチェンジしたW124系もしばらくは同クラス名で販売されましたが、モデル末期に「Eクラス」と改名、現在に至るEクラスの歴史が始まりました。

総合概要:常に新技術の採用でベンチマークとしての試練に立たされるEクラス

日本では運転手付きショーファードリブン的要素が強い「Sクラス」、高級セダンのエントリーモデル「Cクラス」の間に挟まれ、高級ドライバーズセダンの最高峰的モデルとして、メルセデス・ベンツ車としても、日本市場における高級車の中でもベンチマーク的役割を担っている重要車種がメルセデス・ベンツ・Eクラスです。

ただしドイツ本国では安価なタクシー車両としても多用されるなどありふれた車種でもあり、日本車の基準でいえばかつてのトヨタ・マークIIや日産・ローレル、あるいはトヨタ・コロナや日産・ブルーバード的な、「大衆向けのちょっといい車」だと考えればいいかもしれません。

しかしそのような価値基準の判定はEクラスの価値を落とすものではなく、国際市場で伝統のブランドを守りつつ、品質や装備でいかにポジションを守り抜くか、つまりただ高級なだけではなく大衆が飛びつくハイテク装備が求められる車種でもあり、開発・販売を続けるのがもっとも難しいジャンルであることに注意が必要です。

実際、メルセデス・ベンツであればSクラスは「いかにEクラスより豪華か」、Cクラスは「いかに安く小型でEクラスに近づくことを目指すか」といった感じでEクラスが評価の基準、ベンチマークとなっており、BMWやアウディなどライバル他車もEクラスに相当する車種(BMW・5シリーズやアウディ・A6)のモデルチェンジでは、陳腐にならないよう非常に気を使っていると感じられます。

それだけにちょっとした品質面での失敗、顧客の要望に応えきれなかった、新たに搭載されたハイテク装備の不具合などEクラスの実績に傷がつくと「メルセデス・ベンツ」ブランドに悪影響が及ぶことも多々あり、トップブランドゆえに厳し目な評価を受けることもあって、特に最初からEクラスとして開発された2代目以降はメルセデスベンツ車そのもののコンセプトがコスト重視に転換したこともあって、常に販売実績では苦戦気味です。

それでも、そのような辛辣な評価を受け続けること自体、Eクラスが「試される車」として常に注目されている証であり、その改良やモデルチェンジが業界関係者のみならず世間一般の関心を呼び続けていることには、変わりありません。いわば、「名車ゆえに常に試練に立たされている車」が、メルセデス・ベンツ・Eクラスだといえるでしょう。

重厚にして質実剛健。古きよき初代、W124系(1985-1995)

初代Eクラス、当初の名称「ミディアムクラス(W123系末期に続く2代目)」は1985年に登場し、1986年から日本でも正規輸入販売を開始。

当時のメルセデス・ベンツは「最善か無か(Das Beste oder nichts.)」をスローガンにコストより徹底した品質重視で作られており、デザインこそ派手ではなかったものの質実剛健、日常的な使用でいかなる破綻もきたさない安定性や高性能、高級感を感じさせる品質感や静粛性などが最重視されており、後のコストパフォーマンス最適化を図ったメルセデス・ベンツ車とは異なるコンセプトで作られた最後の車でした(エントリーモデルの新190シリーズも同様)。

日本ではちょうどバブル景気に入った時期でもあり、190シリーズの上位車種としてミディアムシリーズも好評で、ヤナセが主に販売していた正規輸入販売車とは別に並行輸入車やリムジンなど特注車も多数出回ったため、「ベンツ」といえばこの型がもっとも印象に残っているという人は多いかもしれません。

日本では以下のグレードが正規輸入販売されました。
※<>内は「Eクラス」となってからのグレード名

「セダン(W124)」
230E(2.3リッター直4SOHC)→220E(2.2リッター直4DOHC)
230Eリミテッド(同上・特別仕様車)
260E(2.6リッター直6SOHC)→280E(2.8リッター直6DOHC)
260Eロングホイールベース(6ドアリムジン)
300E(3リッター直6SOHC)→320E(3.2リッター直6DOHC)
300Eリミテッド(同上・特別仕様車)
300E 4MATIC(同上・4WD)
300Dターボ(3リッター直6SOHCディーゼルターボ)
400E(4.2リッターV8DOHC)
(5リッターV8DOHC)

「クーペ(C124)」
300CE(3リッター直6SOHC)
300CE-24(3リッター直6DOHC)
320CE(3.2リッター直6DOHC)

「カブリオレ(A124)」
320CEカブリオレ(3.2リッター直6DOHC)

「ステーションワゴン(S124)」
230TE(2.3リッター直4SOHC)→220TE(2.2リッター直4DOHC)
(2.8リッター直6DOHC)
300TE(3リッター直6SOHC)→320TE(3.2リッター直6DOHC)
300TE 4MATIC(同上・4WD)
(3リッター直6SOHCディーゼルターボ)
(3.2リッター直6DOHC)

特筆すべきはミディアムクラス時代は並行輸入で、Eクラスとなってから正規でも少数が販売されたE500(1991年登場)で、上記の通り下は2.2リッタークラスからある当時としてもさほど大きいとは言えない(全長4,755mm、全幅1,795mm)4ドアセダンへ325馬力の5リッターV8DOHCエンジンを搭載し、叩き出されてタイヤアーチの膨らんだワイドフェンダーへ225/55R16タイヤを履く怪物は、ポルシェへの依頼で開発されました。

当初の2代目ミディアムクラス / 初代Eクラスは2.3~3リッタークラスのミドルセダン(およびその派生車)でしたが、1989年に登場して、搭載する静粛性の高い4リッターV8エンジンや価格に対して高品質、デザインもスマートで世界中の高級車メーカーへショックを与えた初代レクサス・LS(日本名トヨタ・セルシオ)に対抗すべく、1992年には4.2リッターV8DOHCエンジン搭載の400E(E400)が追加。

なお、日本では1993年10月以降「Eクラス」へと改名し、初代Eクラスとなりましたが、2代目以降で品質や性能面でも不満が多発したため、一時このミディアムクラス/初代Eクラスの中古車価格が2代目以降より急騰する珍事が発生し、現在も古きよきメルセデス・ベンツの伝統を残す最後で最新のモデルとして、中古車は高値で取引されています。

代表スペックと中古車相場

メルセデス・ベンツ (W124) E320 1993年式
全長×全幅×全高(mm):4,740×1,740×1,445
ホイールベース(mm):2,800
車重(kg):1,560
エンジン:水冷直列6気筒DOHC24バルブ
排気量:3,199cc
最高出力:166kw(225ps)/5,500rpm
最大トルク:317N・m(32.3kgm)/3,750rpm
10・15モード燃費:6.5km/L
乗車定員:5人
駆動方式:FR
ミッション:4AT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)マルチリンク
中古車相場:59.9万円~790万円(車両本体価格・2020年1月現在)

斬新な顔でメルセデス・ベンツの新境地を開いた、2代目W210系(1995-2002)

2代目EクラスW210系は1995年8月に日本で正規輸入販売開始。何より注目を集めたのはそのフロントマスクで、いかにも保守派代表と見られていたメルセデス・ベンツ車としてはあるまじきことに、外側と内側で大きさの異なる丸目4灯ヘッドライトを傾斜したフロントマスクに配した姿は実に斬新であるとともに、「ベンツらしくない」との声も大きかったのですが、見慣れると大した違和感もなく、すぐ街の風景に溶け込む優れたデザインでした。

デザインのみならず全長、全幅、ホイールベースとも拡大され、エアバッグやABSなど安全面、フルオートエアコンなど快適性の面でも大きな向上を見せた2代目でしたが、1997年8月に従来の直列6気筒エンジンが廃止され、V型6気筒に代わるや大ブーイングが起きます。

直6エンジンのフィーリングが惜しまれたのはもちろんですが、せっかくDOHC4バルブ化したエンジンがメルセデス・ベンツの判断で「最適化」された結果SOHC3バルブ化されたのは、メーカーの信念としてはともかくユーザー目線では動力性能的にも環境性能的にも「退化」と移り、当時のメディアでも非難轟々といった有様であり、Eクラスの評価を大きく落とす一因となってしまい、中古車市場でもその評価が高いとは言えません。

日本で正規輸入販売されたグレードは以下のようになります。

「セダン(W210)」
E230(2.3リッター直4DOHC)→E240(2.4リッターV6SOHC→2.6リッターV6SOHC)
E240アバンギャルドリミテッド(2.6リッターV6SOHC)
E320(3.2リッター直6DOHC→3.2リッターV6SOHC)
E320アバンギャルド(同上)
E320スポーツライン(3.2リッターV6SOHC)
E320 4MATIC(同上・4WD)
E400アバンギャルド(4.2リッターV8DOHC)→E430アバンギャルド(4.3リッターV8SOHC)
E430スポーツライン(4.3リッターV8SOHC)

「ステーションワゴン(S210)」
E230→E240
E240アバンギャルドリミテッド
E320アバンギャルド
E320 4MATICアバンギャルド
E430アバンギャルド

上記のうち、「アバンギャルド」はアルミホイールやサスペンション、グリル、ガラス製スライディングルーフ、本革シート、バーズアイ・メープル・ウッドパネルなど専用パーツを装備した豪華仕様で、「スポーツライン」はアバンギャルドをベースにAMGスタイリングパッケージやAMGの18インチアルミホイール、スポーツサスペンションなどを装備したAMG仕様。

さらにモデル末期にはE240にアバンギャルドのパーツやヘッドライトウォッシャーつきキセノンヘッドランプを組み込んだ「E240アバンギャルドリミテッド」が特別仕様車として販売されています。

代表スペックと中古車相場

メルセデス・ベンツ (W210) E320アバンギャルド 1998年式
全長×全幅×全高(mm):4,800×1,800×1,415
ホイールベース(mm):2,835
車重(kg):1,570
エンジン:水冷V型6気筒SOHC18バルブ
排気量:3,199cc
最高出力:165kw(224ps)/5,600rpm
最大トルク:315N・m(32.1kgm)/3,000~4,800rpm
10・15モード燃費:8.9km/L
乗車定員:5人
駆動方式:FR
ミッション:5AT
サスペンション形式:(F)ダブルウィッシュボーン・(R)マルチリンク
中古車相場:15万円~290万円(車両本体価格・2020年1月現在)

電子制御ブレーキや電装系で致命的なトラブルがあった、3代目W211系(2002-2009)

3代目EクラスW211系は2002年6月に日本での正規輸入販売が始まり、外観は丸目4灯ヘッドライトなど印象的な部分はそのままキープコンセプトとされ、全体的にはより柔らかくソフトでエレガントな印象を与えるようリファインされています。

日本市場で販売されたグレードは以下。

「セダン(W211)」
E250(2.5リッターV6DOHC)
E250デビューパッケージ(同上)
E250アバンギャルド(同上)
E240(2.6リッターV6SOHC)→E280(3リッターV6DOHC)→E300(同左)
E240アバンギャルドリミテッド(同上)→E280アバンギャルドリミテッド(同上)→E300アバンギャルドリミテッド(同上)
E280アバンギャルド スポーツエディション(3リッターV6DOHC)
E300アバンギャルドS(3リッターV6DOHC)
E320アバンギャルド(3.2リッターV6SOHC)→E350アバンギャルド(3.5リッターV6DOHC)
E320アバンギャルド スポーツパッケージ(同上)
E320アバンギャルドリミテッド(同上)
E320 4MATICアバンギャルド(同上・4WD)→E350 4MATICアバンギャルド(3.5リッターV6DOHC・4WD)
E350アバンギャルド スポーツエディション(3.5リッターV6DOHC)
E350アバンギャルドS(同上)
E320CDI アバンギャルド(3リッターV6DOHCディーゼルターボ)
E320CDIリミテッド(同上)
E500アバンギャルド(5リッターV8SOHC)
E500アバンギャルド スポーツパッケージ(同上)→E550アバンギャルドS(5リッターV8DOHC)

「ステーションワゴン(S211)」
E250
E250アバンギャルド
E240→E280→E300
E280アバンギャルドリミテッド→E300アバンギャルドリミテッド
E280アバンギャルドスポーツエディション
E320アバンギャルド→E350アバンギャルド
E320アバンギャルドリミテッド
E320 4MATICアバンギャルド→E350 4MATICアバンギャルド
E350アバンギャルドスポーツエディション
E350アバンギャルドS
E320CDIアバンギャルド
E320CDIリミテッド
E500アバンギャルド→E550アバンギャルドS

上記のように、初期から中期にかけてのエントリーモデル(E240→E280→E300)や後期エントリーモデルE250に無印(エレガンス)グレードがあるのを除けば、ほとんどがが豪華グレードの「アバンギャルド」および、さらに装備を追加した派生グレードでした。

基本的には先代を新プラットフォームでより熟成させて満足度を高め、先進装備を満載することで新世代のユーザーを獲得する狙いもあった野心的なモデルでしたが、肝心のブレーキに採用した「SBC」と呼ばれる先進の制御装置に不具合が多く、5倍の踏力でブレーキを踏まないと減速不可能に陥るという、文字通り致命的な故障すら起こしてしまいます。

問題のSBCは後期型から廃止されたものの、他にも一新した電装系にトラブルが多かったことや、ボディ拡大で全幅がついに1,800mmを超え、日本では機械式立体駐車場などで扱いかねるサイズに肥大してしまったこと、品質劣悪にも関わらずドイツ本国などで設定のあった「クラシック」など廉価グレードを導入せず、高価なグレードのみ販売していたこともあって、3代目にしてEクラスはユーザーからの徹底的な不信に陥ってしまいました。

これは初代の頃とは異なり合理化による徹底的なコストダウンが図られたことと、そのために品質面、技術面での熟成不足が目立ってしまった結果で、後期以降少しずつ信頼を取り戻そうとはしているものの、メルセデス・ベンツ車のラインナップの中でEクラスがやや目立たなくなっている原因を作ったのがこの3代目で、中古車市場での評価も、歴代モデルでもっとも低くなっています。

生産工場などの問題で酷評された初期のMクラス(SUV)同様、悪い意味で2000年代前半のメルセデス・ベンツを象徴する存在となってしまいましたが、その評価を覆すべく同社による必死の努力が続けられました。

代表スペックと中古車相場

メルセデス・ベンツ (W211) E350アバンギャルドS 2006年式
全長×全幅×全高(mm):4,880×1,820×1,465
ホイールベース(mm):2,855
車重(kg):1,710
エンジン:水冷V型6気筒DOHC24バルブ
排気量:3,497cc
最高出力:200kw(272ps)/6,000rpm
最大トルク:350N・m(35.7kgm)/2,400~5,000rpm
10・15モード燃費:8.6km/L
乗車定員:5人
駆動方式:FR
ミッション:7AT
サスペンション形式:(F)4リンク・(R)マルチリンク
中古車相場:15万円~259万円(車両本体価格・2020年1月現在)

呪文のようなグレード名で混迷を極めてしまった、4代目W212系(2009-2016)

4代目クラスW212系は2009年6月に日本での正規輸入販売を開始、当初は異形ヘッドライトのまま独立4灯ヘッドライトとして2代目以来のデザインアイデンティティを堅持しましたが、意外に不評だったのかマイナーチェンジで通常の2灯式に変更され、ボディ全体のプレスラインも穏やかなものへと、かなり大掛かりなデザイン変更になりました。

日本で販売されていたグレードは以下のようになるものの、かなり難解なのが4代目Eクラス最大の特徴です。

「セダン(W212)」
E220 ブルーテック(2.2リッター直4DOHCディーゼルターボ)
E220 ブルーテック アバンギャルド(同上)
E250CGI ブルーエフィシェンシー→E250 ブルーエフィシェンシー(1.8リッター直4DOHCターボ)
E250CGI ブルーエフィシェンシー アバンギャルド→E250 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド(同上)
E250CGI ブルーエフィシェンシー 125!エディション(同上)
E250CGI ブルーエフィシェンシー アバンギャルド 125!エディション(同上)
E250 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド60thアニバーサリーリミテッド(同上)
E250 ブルーエフィシェンシー アバンギャルドRSPリミテッド(同上)
E250(2リッター直4DOHCターボ)
E250アバンギャルド(同上)
E250アバンギャルド 1stアニバーサリーエディション(同上)
E300(3リッターV6DOHC)
E300アバンギャルド(3リッターV6DOHC→3.5リッターV6DOHC)
E300 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド(同上)
E300 ブルーエフィシェンシー アバンギャルドリミテッド(同上)
E300 ブルーエフィシェンシー アバンギャルドRSPリミテッド(同上)
E350アバンギャルド(3.5リッターV6DOHC)
E350 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド(同上)
E350 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド AIRマチックサスペンション装着車(同上)
E350 4MATICアバンギャルド(同上・4WD)→E300 4MATIC ブルーエフィシェンシー アバンギャルド(同左)→E300 4MATIC アバンギャルド(同左)
E350 ブルーテック アバンギャルド(3リッターV6DOHCディーゼルターボ)
E350 ブルーテック アバンギャルド AIRマチックサスペンション装着車(同上)
E350 ブルーテック アバンギャルドリミテッド(同上)
E400 ハイブリッド アバンギャルド(3.5リッターV6DOHC+モーター)
E400 アバンギャルド(3.5リッターV6DOHCツインターボ)
E550 アバンギャルド(5.5リッターV8DOHC→4.7リッターV8DOHCツインターボ)
E550 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド(同上)

「クーペ(C207)」
E250CGI ブルーエフィシェンシー→E250 ブルーエフィシェンシー
E250 ブルーエフィシェンシー リミテッド
E250
E250 リミテッド
E350
E350 デジーノエディション
E350 ブルーエフィシェンシー
E400(3.5リッターV6DOHCツインターボ)
E550
E550 ブルーエフィシェンシー

「カブリオレ(A207)」
E250
E350
E350 ブルーエフィシェンシー
E350 ブルーエフィシェンシー カブリオレ エクスクルーシブリミテッド
E400(3.5リッターV6DOHCツインターボ)

「ワゴン(S212)」
E220 ブルーテック
E220 ブルーテック アバンギャルド
E250CGI ブルーエフィシェンシー→E250 ブルーエフィシェンシー
E250CGI ブルーエフィシェンシー アバンギャルド 125!エディション
E250 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド
E250 ブルーエフィシェンシー アバンギャルドRSPリミテッド
E250
E250 アバンギャルド
E250アバンギャルド 1stアニバーサリーエディション
E300
E300 アバンギャルド
E300 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド
E350 アバンギャルド
E350 4MATIC アバンギャルド→E300 4MATIC ブルーエフィシェンシー アバンギャルド→E300 4MATIC アバンギャルド
E350 ブルーエフィシェンシー
E350 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド フロア格納式サードシート装着車
E350 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド AIRマチックサスペンション装着車
E350 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド フロア格納式サードシート&AIRマチックサスペンション装着車
E350 アバンギャルド
E350 ブルーテック アバンギャルド
E350 ブルーテック アバンギャルド AIRマチックサスペンション装着車
E400 アバンギャルド
E550 アバンギャルド
E550 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド

クリーンディーゼル搭載車を表す「ブルーテック」のほか、一時期「ブルーエフィシェンシー」を入れたグレード名が多発されていますが、これはメルセデス・ベンツの環境技術を総称したもので、この場合はガソリンエンジンのエコカー(少なくとも燃費低減を努力した車)。

さらに初期のE250系が搭載していた1.8リッター直噴ターボエンジンは「CGIエンジン」(昔の日本でいう三菱の「GDIエンジン」のようなもの)と呼ばれていたため、グレード名も「CGI ブルーエフィシェンシー」を基本に、かなり長くなっています。

しかし日本人にとって「ブルーエフィシェンシー」はいかにも読みにくく、発音もしにくい単語であることや、グレード一覧がこのキーワードで埋め尽くされてわかりにくいというのは明らかで、2013年5月のマイナーチェンジを境に「ブルーエフィシェンシー」は使われなくなりました。

それを除けばおおむね「通常モデル」(E220ブルーテック系、E250系、E300系といった廉価グレードへ設定)と豪華版「アバンギャルド」の2種類に集約されるのですが、4代目の途中でE300もE350も最高出力や最大トルクが異なるのみで同じ3.5リッターV6エンジンを搭載、それ以前のE300は3リッターV6エンジン。

さらにE250が初期に1.8リッターターボ、後に2リッターターボになるなど、4代目Eクラスは「このグレードはどの時期だと何のエンジンを積んでどういうスペックなのか」がひと目でわかりにくく、特定のグレードを口頭で指定するのは呪文のごとく難解でした。

この時期のメルセデス・ベンツはモデル名をひと目見ても直感的にどんな車かわからない車種を連発するなど、車名(クラス名)やグレード名の命名で混乱を極めており、2010年代も半ばに入ってからようやく整理に乗り出す状況でしたから、4代目Eクラスを中古車で購入しようというユーザーは「間違って買ってしまった!」という事がないよう、本気で心配した方がいいかもしれません。

代表スペックと中古車相場

メルセデス・ベンツ (W212) E350アバンギャルド 2013年式
全長×全幅×全高(mm):4,880×1,855×1,455
ホイールベース(mm):2,875
車重(kg):1,760
エンジン:水冷V型6気筒DOHC24バルブ
排気量:3,497cc
最高出力:225kw(306ps)/6,500rpm
最大トルク:370N・m(37.7kgm)/3,500~5,250rpm
JC08モード燃費:12.4km/L
乗車定員:5人
駆動方式:FR
ミッション:7AT
サスペンション形式:(F)3リンク・(R)マルチリンク
中古車相場:40.8万円~698万円(車両本体価格・2020年1月現在)

電動化と予防安全装備でハイテク化の著しい5代目W213系(2016-)

5代目Eクラスは2016年7月に日本での正規輸入販売を開始。赤坂にある迎賓館で発表会を行い、先代までの数代で不評や不具合に悩まされつつもなお、世界に誇るプレミアムセダンのベンチマークとしてのブランド力を高める努力がなされました。

デザインは先代後期同様、CクラスやSクラスとの共通点が多くなり、Eクラスのみ突出したデザインではなくなった、あるいはそれこそが今後のメルセデス・ベンツを示すようなデザインへ回帰していったと言えて、大型フロントグリルに涙滴というよりアーモンド状のヘッドランプ、前後がスッと下がり、ボディ中央に向けゆるく弓のように反った躍動感あるボディラインが目立ちます。

2020年1月現在まで、日本で販売されているグレードは以下。

「セダン(W213)」
E220d アバンギャルド(2リッター直4DOHCディーゼルターボ)
E220d アバンギャルド スポーツ(同上)
E200 アバンギャルド(2リッター直4DOHCターボ→1.5リッター直4DOHCターボマイルドハイブリッド)
E200 4MATIC アバンギャルド(同上・4WD)
E200 アバンギャルド スポーツ(2リッター直4DOHCターボ)
E250 アバンギャルド スポーツ(2リッター直4DOHCターボ)→E300 アバンギャルド スポーツ(2リッター直4DOHCターボ)
E350e アバンギャルド スポーツ(2リッター直4DOHCターボ+モータープラグインハイブリッド)
E350de アバンギャルド スポーツ(2リッター直4DOHCディーゼルターボ+モータープラグインハイブリッド)
E400 4MATIC エクスクルーシブ(3.5リッターV6DOHCツインターボ)→E450 4MATIC エクスクルーシブ(3リッターV6DOHCツインターボ)

「クーペ(C238)」
E200(2リッター直4DOHCターボ→1.5リッター直4DOHCターボマイルドハイブリッド)
E200 スポーツ(同上)
E300 スポーツ(2リッター直4DOHCターボ)
E400 4MATIC スポーツ(3リッターV6DOHCツインターボ)→E450 4MATIC スポーツ(3リッターV6DOHCツインターボ)

「カブリオレ(A238)」
E200(2リッター直4DOHCターボ→1.5リッター直4DOHCターボマイルドハイブリッド)
E200 スポーツ(同上)
E450 4MATIC スポーツ(3リッターV6DOHCツインターボ)

「ワゴン(S213)」
E220d アバンギャルド(2リッター直4DOHCディーゼルターボ)
E220d アバンギャルド スポーツ(同上)
E220d アバンギャルド スポーツ本革仕様(同上)
E200 アバンギャルド(2リッター直4DOHCターボ→1.5リッター直4DOHCターボマイルドハイブリッド)
E200 4MATIC アバンギャルド(同上・4WD)
E200 アバンギャルド スポーツ(2リッター直4DOHCターボ)
E200 アバンギャルド スポーツ本革仕様(2リッター直4DOHCターボ)
E250 アバンギャルド スポーツ(2リッター直4DOHCターボ)→E300 アバンギャルド スポーツ(2リッター直4DOHCターボ)
E250 アバンギャルド スポーツ本革仕様(2リッター直4DOHCターボ)
E400 4MATIC エクスクルーシブ(3.5リッターV6DOHCツインターボ)→E450 4MATIC エクスクルーシブ(3リッターV6DOHCツインターボ)

だいぶグレードは整理され、グレード名にサブネームのつかない通常版(エレガンス系)が日本市場では消滅し、セダンとワゴンはE400(E450)系4MATICの「エクスクルーシブ」を除けば全て「アバンギャルド」またはその派生型のみへ。クーペとカブリオレはE200へ通常版が残ったほかは全て「スポーツ」となりました。

先代の「ブルーエフィシェンシー」のように難解なグレード名は廃され、クリーンディーゼル搭載車を表す「ブルーテック」も、単に「E220d」などディーゼルエンジン搭載を示すグレード名へ戻されたので、だいぶスッキリ。

搭載エンジンも基本的に2リッター(後に1.5リッター)の直4ガソリンターボエンジン、2リッターディーゼルターボエンジン、3.5リッター(後に3リッター)V6ガソリンツインターボエンジンの3種となり、E200とE250(後にE300)など、同じエンジンでも出力違いでグレードを分ける手法をとっています。

また、先代に存在したハイブリッド車は今回もセダンに「350e」系が設定され、外部からの充電が可能なPHEV(プラグインハイブリッド)となったほか、2019年10月には内燃機関にディーゼルエンジンを採用した「350de」系も登場。廉価グレードのE200系では2リッター直噴ターボから、1.5リッター直噴ターボに簡易的な電動装置を加えたマイルドハイブリッドとなり、電動化が進んでいるのも特徴です。

代表スペックと中古車相場

メルセデス・ベンツ (W213) E350eアバンギャルドスポーツ 2019年式
全長×全幅×全高(mm):4,950×1,850×1,475
ホイールベース(mm):2,940
車重(kg):1,980
エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボ+モーター
排気量:1,991cc
最高出力:155kw(211ps)/5,500rpm
最大トルク:350N・m(35.7kgm)/1,200~4,000rpm
JC08モード燃費:15.7km/L
乗車定員:5人
駆動方式:FR
ミッション:9AT
サスペンション形式:(F)4リンク・(R)マルチリンク
中古車相場:269.9万円~899万円(車両本体価格・2020年1月現在)

各代の新装備

初代W124系

・マルチリンク式リアサスペンション
・サッコプレート(ボディ下部サイドプロテクター)
・4MATIC(電子制御フルタイム4WD)
・4バルブDOHCエンジン
・運転席&助手席エアバッグ
・5速AT

初代W124系の頃は高級車のサスペンションが新世代へと変化していた時期で、先代W123系まで長らく採用されていたリアのセミトレーリングアーム式サスペンションが現在まで続くマルチリンク式へと変更。

FRのみだった駆動方式も、路面状況に応じて前後駆動配分が「0:100のFR」「35:65の後輪重視な4WD」「50:50のセンターデフロック4WD」「センターデフに加えリアもデフロックした4WD」と可変する電子制御フルタイム4WD「4MATIC」が300E(E300)に準備されました。

ミッションは当初4速ATのみだったものの、クーペのDOHCエンジン搭載車300CE-24登場時に5速ATが組み合わせられ、以後クーペとカブリオレには5ATを設定。DOHCエンジンも後期以降は搭載車が増え、最終的にディーゼルターボと4WD用の3リッターSOHC以外は全てDOHC4バルブ(4気筒16バルブ、6気筒24バルブ)エンジンに更新されています。

安全面では運転席エアバッグが標準装備化されたほか、特別仕様車「リミテッド」などから助手席にもエアバッグを装備するデュアルエアバッグ化が進行。

そしてこの代で特徴的なのは1990年のマイナーチェンジ以降、クーペのみならず全モデルへ標準装備化された樹脂製のボディ下部サイドプロテクター、通称「サッコプレート」で、当時のメルセデス・ベンツでチーフエンジニアだったブルーノ・サッコが由来。装着することでスタイルがグッと引き締まるため、サッコプレートの有無で中古車価格が左右されるほどの価値があり、W124系後期モデルのデザインも華やかにしました。

2代目W210系

・フロントダブウィッシュボーンサスペンション
・新世代SOHC3バルブエンジン(V6、V8)
・ティップシフトつき電子制御5速AT
・デュアル&サイド&リヤサイド&ウインドウエアバッグ
・フォースリミッター&テンショナー付きシートベルト
・ASR(アクセレーションスキッドコントロール)
・ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)
・E-call(イーコール、緊急時通報システム)

2代目ではフロントサスペンションも旧来のストラット式からダブルウィッシュボーンに改められ、ASR(アクセレーションスキッドコントロール、トラクションコントロールのこと)やESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム、横滑り防止装置のこと)も当初上級グレードへ、後に全車標準装備となって、走行安定性を向上。

新世代エンジンは先代後期のDOHC4バルブからSOHC3バルブへ「退化」したように見えたのが不評だったことや、結局は環境性能確保のためか、次の3代目前期までで早々に取り下げられています。ミッションは当初4ATまたは5ATで、後に全車とも手動変速モードのティップシフトがついた電子制御5速ATに更新。

他に安全面ではエアバッグの装備が段階的に強化され、最終的に運転席・助手席デュアル&サイド&リヤサイド&ウインドウエアバッグまで装着、事故時の衝撃を和らげるフォースリミッター&テンショナー付きシートベルトも装備されたほか、オプションで緊急時の通報が可能なE-call(イーコール)も設定されました。

3代目W211系

・フロント4リンク式サスペンション
・DOHC4バルブエンジン復活(V6、V8)
・直噴ディーゼルターボ(CDI)
・7速AT
・AIRマティックDC(デュアルコントロール)サスペンション
・SBC(電子制御ブレーキシステム。前期のみ。)
・パークトロニック(駐車支援システム)
・NECK PROアクティブヘッドレスト
・アクティブライトシステム
・アダプティブブレーキライト
・インテリジェントライトシステム
・COMANDシステム

3代目EクラスではDOHC4バルブエンジンがV6、V8ともに後期から復活し、排ガス規制にも適合した直噴クリーンディーゼルターボも登場し、最終的には全車7速ATと組み合わせられました。

当初の目玉装備だったSBCは、タイムラグなく制動力を発揮するためアクセルを離すとブレーキローターとブレーキパッドの間隔を詰める、雨や雪で濡れた路面を走る際、ブレーキディスクを乾燥させて制動力フル発揮状態を維持するためブレーキパッドを軽く接触させておくなど、スペック通りに作動すれば優れた電子制御ブレーキでしたが、不具合多発により後期型では通常のブレーキに戻されています。

安全装備や運転支援の面ではより充実し、駐車時に前後の障害物をセンサーで検知する駐車支援システム「パークトロニック」や、ステアリング舵角に応じてヘッドライトの照射範囲を進行方向に向ける「アクティブライトシステム」、追突事故時にヘッドライトを押し出して乗員の頭部を受け止め、ムチ打ちなどの被害を最低限に食い止める「NECK PROアクティブヘッドレスト」などを装備。

急ブレーキ時にブレーキライトを点滅させて後続車に知らせる「アダプティブブレーキライト」や、ヘッドランプとフォグランプの明るさと照射範囲を最適化する「インテリジェントライトシステム」なども、段階的に追加されていきました。

また、オーディオとナビ、携帯電話ハンズフリーなどの機能を統合して一括操作可能とした「COMANDシステム」がモデル末期には標準装備化されています。

4代目W212系

・1.8リッター直列4気筒DOHC直噴ターボエンジン(E250CGI/ブルーエフィシェンシー系)
・2リッター直列4気筒DOHC直噴ターボエンジン(E250系)
・3.5リッターV型6気筒直噴エンジン(E300系/E350系)
・3.5リッターV型6気筒直噴ツインターボエンジン(E400系)
・3.5リッターV型6気筒直噴エンジン+モーターハイブリッド(E400ハイブリッド系)
・4.7リッターV型8気筒DOHC直噴ツインターボエンジン(E550系)
・2.2リッター直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボエンジン(E220ブルーテック系)
・DIRECT CONTROLサスペンション(減衰力自動調整サスペンション)
・SRSぺルビスバッグ(側面衝突時被害軽減用エアバッグ)
・アダプティブベルトフォースリミッター(衝突時シートベルト自動巻き上げ調節装置)
・レーダーセーフティパッケージ(ミリ波レーダー式運転支援システム)

4代目Eクラスのキーワードは「環境」と「安全」で、特にエンジンは全面的に見直されて、ガソリンエンジンかディーゼルエンジンか、ターボエンジンか自然吸気エンジンかに関わらず全て直噴化され、ガソリン車のターボエンジンは全て排気量を抑えたダウンサイジングターボエンジンであり、E250系などわずか7年でさらに1世代新しいエンジンになっています。

安全面でもミリ波レーダーを使って周囲を走行する車の監視、先行車追従機能つきオートクルーズ、衝突被害軽減ブレーキなどの機能をまとめた「レーダーセーフティパッケージ」を搭載するようになり、予防安全性能は飛躍的に向上。

衝突安全性能も側面からの衝突時に乗員の胴や骨盤などを保護する「SRSぺルビスバッグ」や、衝突時にシートベルト自動巻き上げ機能を持つ「アダプティブベルトフォースリミッター」など、2010年代にふさわしい装備が次々に追加されています。

5代目W213系

・1.5リッター直列4気筒DOHC直噴ターボエンジン+マイルドハイブリッド(E200系)
・2リッター直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボエンジン(E220d系)
・3リッターV型6気筒直噴ツインターボエンジン(E400系/E450系)
・2リッター直列4気筒DOHC直噴ターボエンジン+プラグインハイブリッド(E350e系)
・2リッター直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボエンジン+プラグインハイブリッド(E350de系)
・9速AT
・レーダーセーフティパッケージ(レベル2安全運転支援システム)
・アクティブレーンチェンジアシスト(自動車線変更システム)
・緊急回避補助システム
・PRE-SAFEサウンド(事故時乗員聴覚保護システム)

5代目ではさらにエンジンの電動化が進み、ついにE350e系へ2リッター直噴ターボと組み合わせたPHEV(プラグインハイブリッド車)が登場、2019年10月にはクリーンディーゼルと組み合わせたPHEVの350de系も登場したほか、従来は2リッター直噴ターボを搭載していたE200系も、1.5リッター直噴ターボへ「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」を組み込んだ48Vマイルドハイブリッドシステム化されました。

その他のエンジンも先代で2.2リッターと3リッター2種類あったクリーンディーゼルが2リッター1種類にまとめられ、V8エンジン廃止とV6エンジンも3リッターV6ツインターボへ集約。エンジンそのものの軽量化と低コスト化、効率化が進んでJC08モード燃費が10km/Lを切るグレードなど皆無になっています。

また、従来は寒冷地需要のため3~3.5リッタークラスの中間グレードに準備されてきた4MATIC(4WD)が、廉価グレードのE200系や、最上級グレードのE400系/E450系のものとなり、将来的に中間グレードのE250系/E300系が廃止されそうな道筋が見えてきました。

これらパワーユニットに組み合わせられるATも先代の7速ATから9速ATとなり、さらなる多段化によるきめ細かいギア選択により効率のよい回転数の維持が可能となって、燃費向上に大きな役割を果たしています。

安全面でも電子制御安全運転支援システムの「レーダーセーフティパッケージ」がさらに強化され、ミリ波レーダーに加えてステレオカメラも装備することで対歩行者でも衝突被害軽減ブレーキを対応させたほか、ステアリングアシスト関係の装備で車間距離維持&車線維持型のオートクルーズや、周辺社車両監視機能と組み合わせた、ウインカーを上げるだけで自動的に車線変更する機能、衝突回避ステアリングサポートなどを実装。

さらに、運転手が意識を失うなど運転が困難または不可能になった場合には、車線を維持しながら自動的に減速する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」の装備など、その時点で可能な限りの予防安全装備を満載しました。

衝突安全でも既に可能な限り多数のエアバッグや被害軽減機能を持つシートベルトやヘッドレストを装備していましたが、それに加えて衝突時にスピーカーから特殊なノイズを発して衝撃音を軽減し、乗員の耳や聴覚を守る「PRE-SAFEサウンド」まで搭載され、およそ考えられる以上の装備が、世界一安全な車を目指して実装されています。

派生車

Eクラスワゴン

(初代~5代目ステーションワゴン版)
初代からラインナップされているEクラスのステーションワゴン仕様で、日本に導入されているラインナップはおおむねセダンに準じますが、テールゲートの自動オープン機能などワゴンならではの装備が施されている一方、ラゲッジ容量や使い勝手を損なわない範囲でのバッテリー搭載が困難なためか、ハイブリッド/PHEV仕様だけはまだ存在しません。

Eクラスオールテレイン

(5代目クロスオーバー版)
2017年9月に追加された、5代目ワゴンをベースに樹脂製外装パーツなどを追加して最低値像高も25mm上げ、Eクラスでは唯一クリーンディーゼルと4WDを組み合わせたクロスオーバーモデルです。

Eクラスクーペ / カブリオレ

(初代ベース・4~5代目派生車種)
初代EクラスにはEクラスセダンと同じプラットフォームを使ったクーペおよびカブリオレが設定されていましたが、2代目と3代目はCクラスをベースに独立した「CLKクラス」が2代に渡って販売され、4代目Eクラスの時期に再び「Eクラスクーペ/カブリオレ」として戻ってきたものの、Cクラスベースなことには変わりません。

そのため、セダンW211に大してワゴンS211など、ワゴンのコード名は数字がセダンに準じているのに対し、クーペとカブリオレのコード名の数字はセダンやワゴンと全く異なります。

しかし、CLKクラスにせよ4代目以降のEクラスクーペにせよ、Cクラスベースとはいえ価格帯や搭載されるエンジンはEクラスに準じており、名実ともにEクラスの一員として扱われ、2ドアショートバージョン、あるいはスポーティ版だと考えればよいかもしれません。

CLSクラス

(3代目ベース)
3代目以降のEクラスをベースにした4ドアクーペで、2代目には5ドアのシューティングブレークも存在していました。

プラットフォームや内装はEクラスから流用している部分が多いものの、4ドアとはいえ全高が低く4名乗車、4ドアとはいえサッシュレスで、1980年代後半から1990年代にかけて日本車で流行した「4ドアハードトップ」に近い車です。

そのスポーティさゆえに初代モデル(W219)はブラバスの手でチューンされて最高速365.71km/hを記録し、「世界最速の4ドア車」としてギネスブックに記録されました。

AMGモデル

メルセデス・ベンツのハイパフォーマンス車部門であるメルセデスAMGでは、正式に一部門となる前からメルセデス・ベンツ車のチューニングを手掛けており、初代Eクラスがミディアムクラスと呼ばれていた時期から6リッターV8DOHCエンジンを搭載する「300E6.0-4V」などを開発・販売していました。

もちろんEクラスとなって以降も5.5リッターV8スーパーチャージャーエンジンの「E55AMG」、6.3リッターV8DOHCエンジンの「E63AMG」などを販売し、2020年1月現在のトップモデルはセダンやワゴンに設定された4リッターV8DOHCツインターボ(612馬力)搭載の、メルセデスAMG・E63S 4MATICです。

次期モデル大予想

2代目W210以降、Eクラスはおおむね7年間隔で淡々とモデルチェンジを重ねてきており、2016年に登場した5代目W214系の後継は2023年頃に登場と考えて、ほぼ間違いないでしょう。

ただし、3代目以降はモデルライフ中に幾度もフェイスリフトやパワートレーンの刷新、安全装備の追加が行われており、現行Eクラスも2019年末にディーゼル+プラグインハイブリッド車が登場しています。

さらにSクラスで先行搭載していた3リッター直6DOHC直噴ターボ+マイルドハイブリッドが搭載されることはほぼ確定で、電動化の流れに従えば、今後は1.5リッター直噴ターボ+プラグインハイブリッドといった組み合わせもありえます。

安全装備面でも既にレベル2運転支援システムが搭載されていますが、BMWなどライバルメーカーの動きをにらみつつ、2020年内、遅くとも2021年前半までには限定的なハンズオフ(手放し運転)を可能とするハイエンドレベル2、あるいは渋滞時から低速時に限定すれば高速道路での自動運転(運転者の監視を要しない)であるレベル3システムを搭載してくるのも、確実で、2023年のモデルチェンジを待つことなく、Eクラスは現行のままで大きく内容を変えてくるのは確実でしょう。

しかしそうなると「6代目はどうなるの?」という疑問が生じますが、現行モデルの大幅アップデートとは別にプロジェクトが動き、これまでの、そして直近で予想される姿のEクラスとは大幅に変わってくるのもまた確実。

電動化のカギを握るのはバッテリーですが、リチウムイオンバッテリーの大工場も自ら作っているダイムラー・グループゆえに、6代目ではいよいよエンジンを搭載しないピュアEV(発電用エンジンなどを搭載しない純粋な電気自動車)を登場させる時期かと思われます。

あまり大容量バッテリーを積んでも充電時間が伸びるだけで不便になりかねない現状ですが、2023年頃には大容量急速充電スタンドも短期間で普及が始まるでしょうし、バッテリー技術の発展で実用性を損なわないまま航続距離の長いEVを作れる時代になっていそうです。

とはいえEクラスではまずはセダンからEV化され、ワゴンは2020年1月現在でまだ存在しないPHEVの設定から(これは現行で実現してしまうかもしれませんが)。そして内燃機関モデルは、クーペやカブリオレも含め全て最低でも48Vマイルドハイブリッド化され、純粋な内燃機関のみのEクラスは、少なくとも日本市場からは消滅するでしょう。

また、自動運転技術についても、緊急時にはドライバーが運転できるよう、監視は必要ないとはいえ常時待機が求められるため存在意義が薄いレベル3自動運転の時代は短期間で終わり、6代目Eクラスではいよいよ、よほど悪条件でもない限り高速道路では自動運転が可能なレベル4が実用化・搭載されると思われます(さすがに一般道でレベル3やレベル4が可能になるには、インフラ整備も必要なのであと数十年かかりそうですが)。

内外装の面でもサイドミラーは前後方向を監視するカメラにとってかわり、車内インパネのモニターに表示されるようになって、従来のメーターパネルはオーディオやナビなどとも統合されて、HUD(ヘッドアップディスプレイ)に重要情報が、その他情報はドライバーの前に統合表示されるような、次世代コクピットとなっていることでしょう。

もう大予想というより確信に近いのですが、次期Eクラスは2023年に登場、ワゴンやクーペ、カブリオレを含む全車がPHEVまたはマイルドハイブリッドで電動化されてピュアEVグレードも登場、高速道路限定ながらレベル4自動運転が搭載され、内装も次世代コクピットで大きく変わり、メルセデス・ベンツの威信をかけたハイテク高級サルーンとして大きく宣伝されつつ登場、と大予想させていただきます。