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トヨタ bB 意外な評価を受けた初代と、走るミュージックプレイヤーと称された2代目

1990年代末から2000年代にかけ、コンパクトカーでもトールワゴンブームが到来しましたが、その中でファミリーカーというより最初からカスタマイズを前提とした異色の超ボクシーボディで発売されるや大人気となったものの、そのボディ形状が「見切りがいい」と高齢者ドライバーにも意外な人気が出た初代、そして「トヨタのミュージックプレイヤー」と前宣伝させて世間を驚かせた2代目と、いずれも個性的だったのがトヨタ・bBです。

各代の概要や時代背景

カスタムベースながら、運転しやすい車としても人気だった初代NCP30系(2000-2005)

初代bBは2000年2月に発売。当時既にトヨタのトールワゴンはカローラ店とビスタ店扱いのファンカーゴ(1999年8月発売)があったものの、同じ初代ヴィッツベースで4枚ともヒンジドア+テールゲートの5ドアハッチバック・トールワゴンながら、異様に角張ったデザインが初代bBの特徴で、ネッツ店で販売されました。

箱を2つつなげたように角ばってスペース効率が高いだけでなく、ほぼ水平のボンネットや、それにより実現された分厚く大型で開口部も広いフロントバンパー、クリアパーツやメッキパーツと交換するカスタムで個性を増せる薄い横長のフロントグリルなど、クール系カスタムが施されるその後のミニバンやトールワゴン、ミニバンで流行するデザインの原型が揃った、初のモデルだと言えるかもしれません。

ベースが初代ヴィッツゆえにメカニズムもほぼ踏襲しており、1.3リッターと1.5リッター2種の4気筒DOHCエンジンやサスペンションなどはヴィッツ、ファンカーゴなどと同じで、4WDは1.5リッターのみの設定。4速ATは足元スペースを広げ、ベンチシートとの併用で左右ウォークスルーを可能にする手段として当時流行だったコラムATでした。

発売前からアフターパーツメーカーとの提携で数多くのドレスアップパーツが開発されており、2000年1月の東京オートサロンで発表時から社外品メーカー各社のコンプリートカーが展示される気合の入れようで、実際にドレスアップのベース車として人気が出ましたが、初代bBが人気だった理由はそれだけではありません。

角ばって見切りのいいボディは車両感覚がつかみやすく、立派に見える割に寸法はコンパクトカーそのものですから取り回しもよかったため、運転が苦手な初心者や、車両感覚に自信がなくなってきた高齢者にまで「運転しやすい車」として思わぬ歓迎を受けたため、カスタムカーのみならずノーマルのbBも、日本中どこでも見ることができました(ただし全長は2003年4月のマイナーチェンジで前後バンパー変更により120mm延長)。

もちろんカスタムカーとしてもTRDのボルトオンターボが装着可能だったほか、ピックアップトラック型のbBオープンデッキも販売され、まだ「丸っこいデザインの車」が多かった日本車の中では個性的なアグレッシブデザインの先駆けとして、現存する車は今でも現役で通用するデザインです。

代表スペックと中古車相場

トヨタ NCP31 bB Z Xバージョン 2004年式
全長×全幅×全高(mm):3,945×1,690×1,640
ホイールベース(mm):2,500
車重(kg):1,070
エンジン:1NZ-FE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,496cc
最高出力:80kw(109ps)/6,000rpm
最大トルク:141N・m(14.4kgm)/4,200rpm
10・15モード燃費:16.0km/L
乗車定員:5人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場:1.8万円~125万円(オープンデッキ除く・車両本体価格・2020年1月現在)

トヨタ NCP34 bB オープンデッキ 2001年式
全長×全幅×全高(mm):3,895×1,690×1,670
ホイールベース(mm):2,500
車重(kg):1,020
エンジン:1NZ-FE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,496cc
最高出力:81kw(110ps)/6,000rpm
最大トルク:143N・m(14.6kgm)/4,200rpm
10・15モード燃費:15.0km/L
乗車定員:5人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場:19.8万円~148万円(オープンデッキのみ・車両本体価格・2020年1月現在)

トヨタがミュージックプレイヤー販売!と前宣伝が話題の2代目QNC20系(2005-2016)

2代目bBは2005年12月にフルモデルチェンジされて登場、ヴィッツがベースだった先代とは異なり、ベースはダイハツと共同開発した初代パッソ(ダイハツ・ブーン)となって、ホイールベースは延長されたもののメカニズムは共用、車格は1ランク下がったものの搭載されるエンジンは1.3リッターおよび1.5リッターという点は初代同様で、1.3リッター車にも4WDが設定されるようになりました。

モデルチェンジ前の前宣伝で、トヨタは「ミュージックプレイヤーを発売する」とアナウンスして注目を集めましたが発表してみると「クルマ型ミュージックプレイヤー」2代目bBだったというオチ。

しかしコンパクトカーとしては豪勢な9スピーカー(後に11スピーカー)や、当時登場してまだ日が浅かったデジタルオーディオプレイヤーも接続可能なオーディオ、停車時に外からの視線を遮りながらくつろげるよう、フロントシート全体を沈み込ませる機能を持った「マッタリモード」が搭載された上級グレードが、既存のコンパクトカーとは超越した存在だったのは確かです。

角を落としてボディパネルに丸みをもたせたため先代ほどではないものの、全体的なデザインは角張っていて、薄いヘッドライトやフロントグリルなどにも先代の面影を残し、引き続きヒット作となりました。

ただし、2000年代も後半になるとトールワゴンは後席スライドドアが流行になって前後席ヒンジドアのbBは時代遅れになったことや、搭載エンジンの関係でエコカー減税対象外だったこともあって次第に販売台数を落とし、同じトヨタの前後席ヒンジドア・トールワゴンのラクティス(ファンカーゴ後継車)が2010年にモデルチェンジされた後も継続。

当初の売りだった「マッタリモード」機能付きのフロントシートはコンセプトがわかりにくかったのか、2008年10月のマイナーチェンジで「リラックスモード」へ名称変更された後に2011年11月に廃止、2014年8月には4WD車も廃止されるなど装備やグレードを整理しつつ細々と販売され、結局2016年に両車まとめてタンク / ルーミーへと更新されるまで11年も販売された、ロングセラーモデルとなっています。

代表スペックと中古車相場

トヨタ QNC21 bB Z Qバージョン 2005年式
全長×全幅×全高(mm):3,800×1,690×1,635
ホイールベース(mm):2,540
車重(kg):1,070
エンジン:3SZ-FE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,495cc
最高出力:80kw(109ps)/6,000rpm
最大トルク:141N・m(14.4kgm)/4,400rpm
10・15モード燃費:16.0km/L
乗車定員:5人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場:0.1万円~159万円(車両本体価格・2020年1月現在)

各代の新装備

初代NCP30系

・左右独立スライド式ベンチシート
・デュアルエアバッグ
・EBD(電子制御制動力配分装置)付きABS
・プリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルト
・電気式バックドアオープナー(後期)
・センターロアボックス(後期)
・ディスチャージ(HID)ヘッドランプ(後期)
・VSC&TRC(後期)

ベースの初代ヴィッツや、ベース車が同じファンカーゴといった先行車が既に存在したため、「bBから」といえる装備はないものの、当時のコンパクトカーとしては充実した装備が施されました。

快適装備では前席が左右独立して前後スライドが可能なベンチシート、後席もFFは6:4で左右独立して分割可能なダブルフォールディング式(4WDは一体式)で、前後150mmのスライドが可能。

2003年4月のマイナーチェンジでボックスティッシュすら収納可能な大容量のセンターロアボックスが採用されたほか、外部からプッシュボタンを押すだけでテールゲートを開ける、電気式のバックドアオープナーが採用されて利便性が改善されています。

安全装備では運転席&助手席にデュアルアバッグが採用されたほか、減速時の安定性を高めるEBD(電子制御制動力配分装置)付きのABSを搭載しており、マイナーチェンジ後の後期型では上級グレードの2WD車にオプションとしてVSC(横滑り防止装置)とTRC(トラクションコントロール)を装備し、ディスチャージ(HID)ヘッドランプも標準またはオプション装備となりました。

2代目QNC20系

・電子カード式キーフリーシステム
・イモビライザー(盗難防止装置)
・音楽連動式イルミネーション(車内11ヶ所)
・マッタリモード機能付きフロントシート(後期は「リラックスモード」へ改名)
・サイドターンランプ付きカラードドアミラー

2代目は当初こそ初代同様の人気車種となったものの、エコカー減税が始まると減税対象外なのが響き、後席スライドドアが主流の時代が到来して後席ヒンジドアのままでは売れなくなるなど逆風によって装備面では改良より簡略化、メッキパーツやエアロパーツの多用によるお化粧直しがメインになるなど、装備面では少々寂しい晩年でした。

モデルチェンジのときから充実していたのは、電子カード式のキーフリーシステムや盗難防止用のイモビライザーなど利便性・セキュリティ性の高い装備や、2007年8月の改良でドアミラーに追加されたウインカー連動のサイドターンランプもさることながら、やはり「クルマ型ミュージックプレイヤー」の名にふさわしい装備。

当初9スピーカー、後に11スピーカーにまで増設された、コンパクトカーとしてはかなり多いスピーカーや、車内11ヶ所に配された音楽連動のイルミネーション、フロントシートを後ろへスライドさせながら座面も下げられて、フルリクライニングすれば外からの視線を気にせずくつろげる「マッタリモード」(後にリクライニングモード)は2代目bB特有の装備でした。

派生車

bBオープンデッキ

(初代のピックアップトラック仕様)
2001年6月に発売されたbBオープンデッキは、初代bBの後席から後ろが開放的な荷台となっているピックアップトラック仕様で、カスタムカーなどではよく作られるものの、FFコンパクトカーをベースに純正でピックアップトラック化されるのは珍しい例(他に、2代目セルボがベースのスズキ・マイティボーイがあったくらい)。

1.5リッターエンジンとFFのみの組み合わせで、1.3リッターエンジンを搭載した廉価版や4WDの設定がなかったためか販売面では成功せず、専用色を使った特別仕様車「オーシャンズバージョン」を追加したのを最後に2003年3月で生産終了してしまったため、1年10ヶ月ほどしか販売されなかったレア車ですが、それゆえ中古車市場では希少車として人気があります。

サイオン xB(北米仕様・日本未発売)

北米仕様で、同地におけるトヨタの若者向けブランドとして存在した「サイオン」の初代xBとして販売されました。しかし北米向けとしてはやはり少々小さすぎたようで、2代目xBは大型化されてカローラベースとなり、日本では「カローラルミオン」として販売されています。

ダイハツ クー / マテリア(2代目のダイハツ版。欧州版マテリアは日本未発売)

2代目bBはダイハツと共同開発した初代パッソがベースで、2代目bB自体もダイハツとの共同開発車です。それゆえダイハツ・ブーンベースのダイハツ版2代目bBも存在し、それがダイハツ・クー。

ボディやメカニズムこそ共通なもののコンセプトは大きく異なり、多数のスピーカーやマッタリモード付きフロントシートなどは準備されず、デザインも大人しめなダイハツ車は通常のコンパクト・トールワゴンでした。

また、シリオン(ブーンの海外名)やトレヴィア(2代目ミラジーノの海外名)と同様にヨーロッパにも「マテリア」の名で輸出されましたが、クーは2013年2月に、マテリアも2012年で販売を終了しており、2代目bBより短命で終わっています。

スバル デックス(ダイハツ クーのスバルOEM版)

2代目bBの販売中にトヨタとスバルが提携(実質的にスバルのトヨタ傘下入り)したため、トヨタの子会社ダイハツ版、クーをスバルにOEM供給したのがデックスです。クー同様に単なるコンパクト・トールワゴンとして販売されたためデザインは大人しめ。

2008年11月に発売されたものの、2010年11月には2代目トヨタ・ラクティスのスバルOEM版「トレジア」が登場するまでのつなぎ役だったようで、その後もしばらくトレジアと併売されていましたが、2012~2013年頃には早々と廃止されたため、いわゆるレア車のひとつです。

中古車市場での動向

bBは2代目の最終モデルが2016年8月まで販売されていたため、中古車市場においても年式の新しさから2代目の方が高価に見えますが、もともとカスタムベースとして開発された初代の方が素材としては上だったようで、現在も年式を考えればかなりの高価で販売されています。

初代の極めてヴォクシーな(角張った)デザインは現在でも通用する飽きのこないもので、曲面も多用した、いわば流行に乗った2代目のデザインより息が長く、カスタムのしがいもあるとあって、今後も長く中古車市場での人気を維持しそうです。

新車としては後席スライドドアでより車高の高いコンパクト・スーパーハイトワゴンというべきタンクやルーミーが人気ですが、フロントマスクの迫力や、マイナーチェンジ後に延長されて凄みを増した前後バンパー、そして軽自動車ベースではない(2代目bBのベース、パッソはダイハツの軽自動車がベース)という車格の差もあって、2代目bBが古くなるとともに価格が落ちていくのにつれ、初代bBの価格が相対的に高くなるという逆転現象が起きるかもしれません。

それがbBオープンデッキとなると新車販売時の人気こそ大したことはなかったニッチ車種でしたが、同じようなコンセプトの車が全く出ないために、この種の車を必要とする根強い需要に支えられるとともにレア車マニアからの需要もあって、古くなるほど残存している車の価格は上がっていく可能性は高いと思われます。