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電動化には欠かせない技術(2)バッテリー大容量化より超重要!急速充電スタンド

外部からの充電で走るEV(電気自動車)、同じく外部からの充電によるEV走行距離が長いPHEV(プラグインハイブリッド車)など、充電機能を搭載した車でバッテリー容量以上に問題となるのが充電時間です。いずれも『航続距離(満充電時走行距離)』ばかり話題になりますが、実際にEVやPHEVの運用へ大きな影響を与えるのは出先で急速充電をどれだけ使うか、あるいは使えるのか。バッテリーよりどれだけ重要なのかを紹介します。

新型は航続距離が伸びた!しかしそれで喜んでいいのかは別問題

EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)の航続距離(一充電走行距離)は、それらが登場し始めた2010年代に入ってからの10年近くで飛躍的に向上、初期のEVやPHVのに比べればその差は歴然としてきました。

以下に主な車種でJC08モードでの航続距離(PHEVはEV走行距離)がどのように変化したかを紹介します。

EV

三菱 i-MiEV:一般向け発売時(2010年4月)120km・2019年1月現在164km

日産 リーフ:初代発売時(2010年12月)200km・2代目e+ 2019年1月現在570km

テスラ モデルS:日本発売時(2013年)557km(90D)・2019年1月現在865km(100D)

PHEV

トヨタ プリウスPHV:初代一般向け発売時(2012年1月)23.4km・2代目2019年1月現在68.2km

三菱 アウトランダーPHEV:発売時(2012年12月)60.2km・2019年1月現在65.0km

車種によってはこの数年でEVにせよPHVにせよ航続距離が倍以上へ増加していることがわかります。

さらに1kmあたり電力を何kWh消費するかという『電費(電力消費率)』も紹介されてはいますが、内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)のみ搭載した車の『燃費(km/L)』に比べて実感しにくいためか、あまりアピールポイントとしていません。

現状でEVやPHEVメーカー各社が大きなアピールポイントとしているのは航続距離なのですが、その一方で充電時間や充電スタンドの数より重要な密度に関しては、あまり大きく語られていないのは確かです。

内燃機関の環境性能と同様、ネガティブな側面を宣伝に織り込むわけもないので当然なのですが、バッテリー容量を拡大して航続距離を増加させるより、実用面では充電スタンドの問題の方がはるかに大きい事は、EVの性能が上がれば上がるほどハッキリしてきています。

普通充電と急速充電、現行車種の充電時間は?

ここで現在販売されれているEVやPHEVの充電時間を下記で比較してみましょう。

特記ない限り『普通充電』とはAC単相200V/15A/出力3kwで空の状態から満充電、『急速充電』はAC三相200V/60A/出力50kwで空の状態から80%まで充電されます。

EV

日産 リーフ:(普通3kw)16時間・(普通6kw)8時間・(急速)40分

三菱 i-MiEV:(普通)7時間・(急速)30分

BMW i3:(普通)12~13時間・(急速)45分

フォルクスワーゲン e-ゴルフ:(普通3kw)12時間・(普通6kw)6時間(急速)35分

PHEV

三菱 アウトランダーPHEV:(普通)4時間30分・(急速)25分

トヨタ プリウスPHV:(普通100V)14時間分・(普通200V)・2時間20分(急速)20分

BMW i8:(普通)4時間 以上、充電環境が多様な事を表すように、各メーカー統一された公表などされておらず、一見して単純比較の難しさがわかりますが、おそらく購入前にメーカーのサポートなりお客様相談室に確認する事で、より詳細な時間を確認できることでしょう。

一般論ですが航続距離の長い車ほど充電時間は長いと言えますが、充電スタンド側の能力が一定していない上に、充電を受け入れる自動車側も充電能力に差があります。

さらにどちらの充電にせよバッテリーの残容量によっても充電時間は左右されるので単純比較はさらに困難。

ただひとつ言えるのは、バッテリーを半分以上使い切った状態だとEVなら一晩、PHEVでも数時間は充電しなければ満充電にならず、急速充電でも20~40分は時間がかかるという事です。

ガソリンスタンドでガソリンや軽油を入れるのに、どれだけノンビリしても10分はかかりませんから、特に充電以外でエネルギー補給の手段がないEVでは使い勝手に大きな影響が出ます。

さらにPHEVも外部充電が可能な上に急速充電時間はEVとそう大きく変わりがないため、EVユーザーが急速充電しようと充電スタンドへ乗り付けたらPHEVユーザーが充電中で、「大して走りもしないのにPHEVは充電なんかしにくるな!」という苦言まで頻繁に見かけるようになってきました。

充電方法は自宅か充電スタンドか

そもそもEVにせよPHEVにせよ住環境で充電環境も大きく変わるのが普及へ最大のネックになっています。

すなわち、普段車を止めている駐車場が自宅ならば充電器を設置できますし、最近のタワーマンションならば自走式立体駐車場へ充電器があるかもしれません。

しかしそれ以外のケース、特に月極駐車場の類では「一晩寝かしておく間にたっぷり充電」とはいかず、ヒマな時間にわざわざ近くの充電スタンドへ行くか、あるいは出先で充電するにせよ、車の充電時間にユーザーもわざわざ付き合わねばならず、急な用事へ対応できないのは明らか。

中には「そのうち全国どこの月極駐車場にも充電スタンドくらいできるって!」と楽観的な人もいますが、駐車場とはそもそも遊休地の活用という側面もあるため、いつまでそこが駐車場でいるかわかりませんし、充電スタンドの維持管理費のため賃貸料が上がるのも確実です。

そうなると充電の必要がないユーザーにとってはそんな駐車場を借りるのもバカバカしいとなりますし、駐車場の持ち主も普及していないEVのため進んで台数分の充電スタンドを設置するわけもありません。

もしそんな事がありえるとしたら大都市の都心部一等地など「そもそも車の維持費など些細な事」と考えるユーザーしか車を持たない場所くらいなもので、本当に車が必要とされる地方都市や過疎地では全く現実的ではないのです。 そう考えれば、戸建ての住宅を持つユーザー以外ではPHEVはともかくEVの所有自体が現状では非現実的で、このままだと結局この先数十年、日本では内燃機関のみ、せいぜいマイルドハイブリッド程度の車が過半を占めるのは確実になってしまいます。

唯一EVを普及させるカギは『超急速充電スタンドの密度の濃い整備』

しかし、考えてみれば内燃機関オンリーの車だって月極駐車場ごとに給油可能な燃料タンクを持つわけではありませんが、普通に実用的とされて走り回っています。

ならばEVでもどうにかなるのかと言えば、ガソリンスタンド並の密度、給油と同程度の時間にまで短縮された、現在の急速充電以上な『超急速充電』が実現すれば、十分に実用的です。

要は一度に走る距離として、車の航続距離はともかくドライバーの急速は必要になる程度の感覚で、1台や2台の規模ではなく最低でも数台が一度に充電できる充電スタンドの設置された『充電ステーション』が一般道なら30km、高速道路なら50km間隔で存在すればOK。

経済産業省が2017年3月にまとめた『平成 28 年度エネルギー使用合理化促進基盤整備委託費(EV・PHV の充電インフラに関する調査)調査報告書』(http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000026.pdf)でも、「一般財団法人電力中央研究所によるシミュレーションでは、約 30km 毎に充電器が設置されれば電欠は起きないとされている。」と書かれています。

しかし同時に、「都道府県別に設置個所を見てみるとバラつきがあり、30km を超える地域も存在する。」とも書かれており、充電スタンドはあるところにはあるが、ないところにはないには本当にありません。

特に過疎地を超える県境越えの県道といったマイナーなルートではそもそも充電スタンドがない、あっても24時間営業ではないなど、EVを使おうと思えばルートや通過時間に対して非常にナーバスにならざるをえません。

渋滞にハマって充電スタンドの営業時間に間に合わない、ギリギリで着いてみたら1台しかない充電スタンドに先客がいて、結局営業時間内に充電できなかった、などという事態が今でも起こりえますし、今後EVをの台数が増えれば一層増える事でしょう。

せっかくのマイカーなのに、自由なルートで旅行にもドライブにも行けないなど、果たして実用性があると言えるのでしょうか?

これは自宅で充電できる環境のユーザーにとっても、どこか遠出する時にはついて回るシチュエーションですから、EVをユーザー全体にとっての大きな課題です。

大出力急速充電器の規格統一も課題

超急速充電については、現行の50kw急速充電をはるかに超える350~900kwの大出力急速充電器によって、近い将来実現可能と思われています。

むしろそのための電力インフラ、つまりEVが街でありふれる程度に普及した時、真夏や真冬に電力需要が逼迫、節電が求められる状況でもEVへの急速充電などできるのか?という問題が出てきますし、さらには充電器の規格統一問題も。

日本ではチャデモ(CHAdeMO)と呼ばれる国産車メーカーによる統一規格が存在し、2018年4月には中国とも次世代規格統一が決まりましたが、その一方でヨーロッパでは当地の自動車メーカー各社が全く異なる規格を普及させようとしています。

さらにアメリカのテスラが使っている専用充電器『スーパーチャージャー』などメーカー独自規格まで存在しており、アダプターを介せばどの規格であれ対応可能とはいえ、輸出や輸入の事を考えれば車種ごと複数規格へ対応させるなど、ただの無駄です。

いずれ大市場の中国、アメリカ、EU(ヨーロッパ)で話し合い統一規格が持たれると思いますが、どのみち超急速充電が可能になっても自動車側で対応していなければ意味がありません。

今はまだ、EVにせよPHVにせよ、長く所有したい車として買うには早いのが現状で、超急速充電スタンドと対応EV(PHEV)が登場するまでは、リースなど短期間所有を前提にするのが最適でしょう。