電動化

複数業者からのしつこい営業電話がない、買取入札

  • メールアドレスだけの匿名登録なので個人情報が守れる
  • あなたの車に複数業者がおよその買取額を提示
  • 一番高い買取額を提示した業者だけに個人情報を送信

電動化された車は「最強のモバイルバッテリー!」V2Hって知ってる?

かつてハイブリッドカーへ100V-1500W電源のコンセントが装備された時、「これはもう車ではなく最強のモバイルバッテリーだ!」と喜んだ人がいましたが、実際に東日本大震災など大災害時に『家電を使いこなせるクルマ』として大活躍しました。そして今、走れるモバイルバッテリーはさらに進化し、家庭そのものの電源にもなるV2H(Vehicle to Home)がEVやPHEVで増えています。

東日本大震災の大停電で活躍したエスティマハイブリッド

2011年3月、東北地方太平洋側を中心に北海道から関東まで大きな被害を出した巨大地震『東日本大震災』では被災と同時に被災地にあるあらゆる発電所の能力がほとんど失われ、大停電を起こしました。

復旧作業は迅速に行われましたが、関東地方など大消費地では輪番停電を行い、被害の大きかった地域ではそもそも復旧自体が遅れるなど、停電は異例なほど長期化したのです。

当然停電がなかなか復旧しない、あるいは輪番停電にかかった地域では電気が使えない間は相当な不便を強いられましたが、ここで一部の自動車ユーザーは自分の車へ『こんな事もあろうかと』な装備があった事に気がつきます。

それが2001年6月に2代目トヨタ エスティマへ追加されたハイブリッドカーで、初代プリウスに次ぐトヨタ2番目のハイブリッドカーでしたが、ミニバンの多用途性に期待してかプリウスにはないAC100V-1500Wのコンセントが備えられていました。

昔から車のシガーソケットを使い、DC12V電源をAC100V電源へ変換するコンバーターは販売されていましたが、それらは低出力の電化製品を動かしたり携帯電話の充電ができる程度、現在の視点でわかりやすく言えばUSB給電程度の能力しかありません。

しかしエスティマハイブリッド(東日本大震災当時は3代目も発売されていた)の100V-1500W電源コンセントは電子レンジやホットプレートすら利用可能な大電力を誇り、ガソリンさえあれば自力で充電しながら、家庭を支えられたのです。

本来はオートキャンプなどレジャー用途がメインと見られて、アウトドアに関心のないユーザーからあまり興味を惹かない装備でしたが、東日本大震災を契機に大きな注目を集め、トヨタがハイブリッドカーやプリウスPHVなどへ同様のコンセントを設定するキッカケとなりました。

さらに2016年の熊本地震でも、震源近くで大きな被害を被ると同時に停電に見舞われたある街で、投光器を接続して心強い照明源として活用されている三菱 アウトランダーPHEVの姿がTVニュースで流れ、これもまた大きな話題となります。

2010年代の日本で相次いだ大災害は、同時に発達した電動化車両が災害時の非常用電源として大きくモノを言う事を証明して見せたのです。

まさに災害大国日本には欠かせない車となりましたが、単にEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)、ハイブリッドカーなど電動化車両のコンセントへ家電製品を繋ぐだけでなく、それ自体を蓄電池として家庭用電源に活用してみよう!という動きも急速に広まる事となりました。

EVやPHEVを家庭用非常電源として使う『V2H』

エスティマハイブリッドが東日本大震災で活躍できたのは、2011年当時としては大容量のニッケル水素バッテリーを搭載していたからで、他の車でもコンバーターを使えば携帯電話の充電くらいはできたものの、そのためにエンジンを始動するのは非常に不効率でした。

しかし2010年代といえば三菱からはi-MiEVが、日産からはリーフがと2種類も量販EVが市販されており、トヨタ プリウスPHV、三菱 アウトランダーPHEVとPHEVも2車種が発売されています。

これらはエスティマハイブリッドよりも大容量のリチウムイオンバッテリーが搭載されており、単に家電製品をコンセントに繋ぐ以上の活用が可能です。

既に「EVはこんな事にも使える!」と提案はされていたものの、今ひとつ周知の進んでいなかった『V2H(Vehicle to Home)』が相次ぐ災害を契機に注目されたのは自然な流れで、今やEVやPHEVを購入し、1戸建て住宅に住むユーザーは、その2つをどう接続して停電を乗り切るかを考える事が可能になりました。

基本的にV2Hとは家庭側にあるV2H対応機器へEVやPHEVを接続し、住宅の分電盤(ブレーカー)と繋がったV2H対応機器を通じて、家電製品ではなく住宅そのものへEVまたはPHEVから給電を可能としたものです。

当然、V2H対応機器の容量が許す限り、EVのバッテリーが尽きるまで、あるいはPHEVのガソリンが尽きるまで、停電時でも家庭のエアコンすら使う事ができますし、冷蔵庫も使えるので貯蔵しておいた食料品を腐らせたり、冷凍食品が溶けてしまう事もありません。

(ただしアウトランダーPHEVはエンジンをかけて充電中、外部へ給電することはできません)

さらにV2H機器で接続されたEVやPHEVは充電時間も通常のAC200V単相充電の半分程度の時間でフル充電が可能になるなど、いい事づくめなのです。

『系統連係型』と『非・系統連係型』があるV2H対応機器

ただし、V2H対応機器なら何をつないでも停電時にいつも通り過ごせる、というわけではありません。

特に太陽光発電パネルと蓄電池を設置し、通常時には電力会社への売電も行っているような『ミニソーラー発電所』と化している住宅では、停電時に太陽光発電パネルからの非常用電源のみで一部電気機器が使えるのみで、EVやPHEVから給電する分電盤からの電気が使えないものがあります。

これは『非・連携系統型』のV2Hシステムと呼ばれており、太陽光のような自然エネルギーとV2Hシステムや蓄電池からの給電、電力会社が送ってくる外部給電を同時に行えませんし、太陽光発電の電力でEVやPHEVへの充電もできません。

それでは不便なので、現在は通常時でも停電時でもEV / PHEV、太陽光パネルなど自然エネルギー、外部電源を状況に応じ並行して使い分けられる『系統連携型』のV2Hシステムが主流になり、特に停電時に太陽光発電とEV / PHEVからのダブル給電によって家庭で使える最大電力が増えているのは強みです。

V2Hはさらに進化して、住宅だけでなくマンションやビルのエレベーターを停電時でも動かす非常用電源、あるいは使用していないEV / PHEVを蓄電池として使い、真夏や真冬の電力需要逼迫時の予備エネルギー源としても使う計画が進んでいます。

古くなったEVを登録抹消して蓄電池化しよう!という動きも

リーフやi-MiEVのように初期型の発売から10年近くが経過したEVでは、元々のバッテリー容量が2019年1月現在のEVより少ない上に、劣化が早いリチウムイオンバッテリーならではの問題もあって、中古車価格も暴落するなど急速に旧式化が進んでいます。

しかし、その車で出かけるのは不安があっても、いざという時の非常電源としてなら走るわけでもないし問題ない、という考え方もあって、古いEVをそのまま蓄電池として使い続けようという動きが出てきました(売電用蓄電池への改造はさすがにコストパフォーマンスが悪い)。

初期のリーフやi-MiEVはV2H対応以前だったので少々バージョンアップが必要なようですが、能力的には問題がなく、例えば初代リーフから2代目リーフへ買い換えて、初代リーフは登録抹消してナンバーを切り、バッテリーとしてのみ稼働を続けさせている人もいます。

最近は日産もリーフのバッテリーリサイクル事業を始めたので、災害時のためコストをかけようという気があれば、ナンバーを切ったまま初代リーフのバッテリーのみ交換し、低コストの蓄電池が発売されるまで使い続けるという道も出てくるでしょう。

もちろん、そのような運用を可能にするには自宅に『基本的には動かさない』初代リーフの置き場所を確保できるだけの敷地が必要になりますが、もしそれだけの敷地があれば、中古車として販売されている初代リーフを運んでくるか仮ナンバーで自走させ、蓄電池として使うためだけに買うのもひとつの方法かもしれません。

輸入車や、海外市場メインなEV/PHEVではV2H非対応

コストさえかければ災害時に役に立ち、非常に便利なように思われるV2Hですが、それではEVやPHEVなら全て対応しているかといえばそんな事はありません。

海外製の輸入EV / PHEVはV2Hどころか外部給電コンセントそのものがありませんし、プリウスPHVはAC100V/1500Wコンセントで外部給電は可能なものの、住宅の電源となるV2Hに対応していないのが弱点。

また、ホンダのクラリティPHEVはV2Hに対応しているものの、車内コンセントを持たないため外部機器を接続しないと出先での外部給電はできません。

国産車でも100%とは言えませんが、輸入車で対応がないのは日本と異なり各家庭で発電機や蓄電池などを持つのが普通で、日本のようにわざわざEVやPHEVを発電機にする必要がないから、と言われます。

最後にV2H対応車種を紹介しますが、V2H対応機器によっては非対応の場合があるため、実際に購入を検討する段階で車種と機器双方から熟慮する必要があり、注意が必要です。

V2H対応車種

  • トヨタ MIRAI(FCV・燃料電池車)
  • 日産 リーフ(初代初期型は要バージョンアップ)
  • 日産 e-NV200
  • 三菱 i-MiEV
  • 三菱 ミニキャブMiEVバン
  • 三菱 ミニキャブMiEVトラック
  • 三菱 アウトランダーPHEV
  • ホンダ クラリティPHEV
  • ホンダ クラリティ フューエル・セル