電動化

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電動化が進むとなくなっちゃうの?ガソリンスタンドの未来

日本でも2010年代に入ってから本格的に始まったEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド)の販売により、『ガソリンスタンドでの給油を必要としない車』が広く世に出回るようになってきました。道を走る車がEVに入れ替わるにはまだまだ何十年もかかりますが、既にガソリンスタンドが減っているというデータもあり、ガソリンスタンドの将来が心配されています。

1994年度を『限界』として減少を続けているガソリンスタンドと、その理由

日本国内どこにでもあるように感じていたのに、いつの間にかめっきり数を減らしているガソリンスタンド。

東日本大震災(2011年3月)の時、停電で営業可能なガソリンスタンドが少なく、何とか手動ポンプで営業しているスタンドを探し、列に並んだ経験がある人の中には、「記憶にあるあのスタンドがなくなっている!」と気づいた人もいるのではないでしょうか。

さらに、「なくなったスタンドの中には、重要拠点なはずの災害時対応スタンドすら含まれていた」と気づいた人がいるかもしれません。

経済産業省の資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課が2018年7月19日に発表した『揮発油販売業者数及び給油所数の推移(登録ベース)』によれば、国内のガソリンスタンド数がそのピークに達したのは1994年度(平成6年)で60,421件。

それに対し2017年度(平成29年)には30,747件と半減に近く、既に『壊滅状態』にあります。

1994年といえば、まだバブル景気の余波で「バブル崩壊と言われているけど、日本経済はいつかまた立ち上がり、バブル景気の頃とはいかないまでも、また明日は良くなると信じられるくらいには回復する。」と言われていた頃です。

その後日本経済は、どん底こそ抜け出したものの、弱い消費者を切り捨て、人材を使い捨てる形で経済成長を続けてきたため中流階級が消滅、富裕層を除けば消費意欲が異常に低い格差社会へ突入したため、ガソリンスタンドに限らず小売業は倒産や再編が相次ぎました。

ガソリンスタンドの場合はそれに輪をかけ、以下のような要因もあったと思われます。

・1996年4月の特石法(特定石油製品輸入暫定措置法)廃止により、石油の輸入が多くの業者へ解禁されたための競争激化。

・2008年4月に1ヶ月間、国会の混乱でガソリン税(揮発油税及び地方揮発油税)の暫定税率が一時的に失効した際の混乱(ガソリン価格が一時的に猛烈な乱高下)。

・2011年6月に『危険物の規制に関する規則』が改正され、2013年1月末までに必要とされた地下タンクの回収が経営的に困難な業者が一斉廃業。

・地方の過疎化と猛烈な少子高齢化社会の進行で地方都市レベルまで『限界集落化』が進行、経営難だけでなく労働者も経営者の後継者も確保が困難になった。

景気の悪化だけでなく、あらゆる苦難にさらされ、むしろよく半分も持ちこたえていると思うほどですが、自動車自体や、それを取り巻く変化という逆風まであったのです。

拍車をかけたハイブリッド車や低燃費車の増加

ガソリンスタンド数がピークとなった1994年から3年後の1997年、画期的な低燃費を実現したハイブリッドカー、初代トヨタ『プリウス』が発売されたのを契機に、ハイブリッドカーだけでなく、通常の内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)で走る車でも効率化が進んだエコカー化が進行、まず環境意識が高いと考えている人々からガソリンをあまり使わないエコカーへの乗り換えが進みます。

さらにガソリンスタンドにとって致命打となったのは、2009年度(平成21年)から施行され、時限立法のはずが延長され続けているエコカー減税で、バブル時代まではスポーツカーになっていたような人々も「エコカーに買い換えるなら今だ!」とばかり、一斉に乗り換えました。

しかも、その頃までにハイブリッドカーのみならず、軽自動車やコンパクトカーの低燃費車も、計測基準が厳しいはずのJC08モードですらリッター30km台のカタログ燃費が当たり前になっています。

バブル時代の頃は「リッター15kmも走れば燃費がいいと言われた」事からすれば、給油の必要性そのものが著しく減少しており、しかも自動車が増えたわけでもないのでガソリンスタンドは単純に「ガソリンが売れなくて経営が苦しい!」だけになりました。

それでもまだハイブリッドカーまでなら頻度は少ないまでもガソリンを入れに来ますが、2010年から一般へも発売した三菱 i-MiEVや日産 リーフなどEV(電気自動車)は、そもそもガソリンを入れず充電するだけです。

しかもEVは誰もが次世代車として宣伝していますから、この先EVの数が増えるほどガソリンスタンドの経営が苦しくなっていくのは、目に見えています。

さらに拍車をかけた『個人が自動車を保有しない時代』

ガソリンスタンドの苦難はまだまだ続き、かねてから予言されていた『少子高齢化社会』が、バブル崩壊による長期の経済低迷と就職氷河期が第2次ベビーブーマー層を直撃、働こうにも仕事につけず、仕事についても低賃金と人材の使い捨てに苦しみ、とても結婚して子供を育てることなどできなくなり、第3次ベビーブームが不発。

そのため少子高齢化の進行速度と規模は加速し、どうにか生まれた子供たちが大人になっても低所得で苦しく、家計の余裕などなくなってしまいます。

おまけに自動車の方は燃費や低排出ガス性能のみならず、衝突安全性能や電動化、自動化と国際競争に打ち勝つ最新技術の開発に投資していった結果、あらゆる商品の価格が安くなっていくデフレ時代においてすら、唯一値上がりが続きました。

低所得層の割合が増え、バブル時代なら学生がバイトで買えたような車が当時のスーパーカー並の価格になっては、自動車販売台数も激減。

報道では『価値観の変化による若者の車離れ』などと言われますが、ただ単に貧乏なので車が買えない、それだけの話でした。

それでもどうしても車がなければ生活できない地域の人々は、以前より高いとはいえまだ安く買えて維持費も安い車を買い求めるようになり、軽自動車ブームとなります。

技術開発が進んで低燃費の軽自動車はあまりガソリンを消費しませんから、それだけでもガソリンスタンドには打撃ですが、さらに政府は軽自動車やエコカーの税金すら引き上げようとしており、この先もガソリンをたくさん使う車が売れる見通しは全くありません。

そんな中、急速に浮上してきたのが『カーシェアリング』など使用頻度の低い車を地域で共同使用しようという取り組みで、いわばレンタカーを簡易かつ身近にしたものと言えます。

カーシェアリングは都市部で急速に普及しているため、今後ますます「ちょっと車でも買って休日にはドライブに出かけよう」という人は減り、ガソリンスタンドはますます減りそうです。

EV用急速充電スタンドの数が追いつかない!

ガソリンスタンドの減少要因のひとつでもあり、今後は加速させる要因でもあるEVやPHV(プラグインハイブリッド車)など『充電して走る車』ですが、それらに対してガソリンスタンドの役割を果たす『公共の充電スタンド数』は、必要な数だけあるのでしょうか?

『GoGoEV』によれば、2018年12月末現在で普通充電は14,923箇所、急速充電は7,558箇所と、まだEVやPHVが少ない中では十分な数があるように思えます。

ただ、普通充電で数時間、80%までしか充電できない急速充電でも20分の充電時間がかかるため、ガソリンスタンドで給油機の前を占有する時間の数倍もEVがそこに居座るとなると、それだけ充電スタンドも増やさなければ、ガソリンスタンドの代わりにはなりません。

しかも充電スタンドの分布まで見てみると、都市部にこそ密集しているものの、その中間点には『ポツンと散在している程度』なのがわかります。

「30km圏内に充電スタンドがあれば電欠はそう起きない」と言われてはいますが、たどり着いた充電スタンドに先客がいれば急速充電だとしても待たなくてはいけませんし、先客は1台と限りません。

しかもガソリンスタンドと違って商業施設(自動車ディーラーやスーパーなど)に設置されているケースが多く、24時間営業している充電スタンドとなるとさらに減ります。

自宅の駐車場など運行拠点に充電設備を備えていれば日頃の運転には困らないかもしれませんが、旅行時など出先での充電、あるいは災害時に「ちょっと携行缶で買っておこう」というわけにいかないため、ガソリンスタンドほどの利便性はまだありません。

そのため、ガソリンスタンドがただ消えるだけで、今後は自動車の所有がかなり不便になる地域も出てくると見られています。

ガソリンスタンドの生き残り策は?

今後、ガソリンスタンドの有力な生き残り策や過疎化地域のガソリンスタンド廃業対策として推進されているのが、『移動販売方式』です。

既に石油ストーブなどに使う灯油は移動販売されていますが、ガソリンも同じように小型のタンクローリーを使って、過疎地などでは移動販売車を運行すればいいため、現在はまだガソリンスタンド以外での販売が禁止されている法律を改めようとしています。

2018年から実証実験が始まっていますが、移動販売のためにはタンクローリーの改造や移動販売のための人件費も必要となるため、将来的にはますますガソリンスタンドの統廃合や廃業が加速するかもしれません。

そうなるとガソリンスタンドが持つもうひとつの側面、タイヤやオイルなど油脂類を販売し、簡単な点検から車検まで行うガソリンスタンドまであるほどの『サービスステーション』としての機能が損なわれてしまいます。

EVの場合、そもそもタイヤや油圧ブレーキのためのブレーキフルード、ワイパーウォッシャーなど消耗品が限られるためにあまり問題となりませんが、内燃機関を積んだ車を乗り続けるための拠点が今後減っていくのだけは、避けられそうもありません。

いずれ残るのは、限定的なサービスのみ提供するセルフサービス方式のガソリンスタンドと、移動販売車がほとんどではないでしょうか。