自動運転

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自動運転(運転支援)車で事故った!その責任は誰にある?

自動運転が実現した社会への期待が高まる一方、「機械に運転を任せる」事について懐疑的、あるいは明確に反対を唱える人も少なくありません。中には単純にメカに弱いので機械の得体の知れなさに対する漠然とした不安を持つ人もいれば、運転歴が長く運転の難しさ、時には理不尽さをよく理解しているがゆえの不安も。そして誰もが疑問に思うのが、「事故を起こした場合、その責任は誰に?」ではないでしょうか。

日本政府は「自動運転中の事故は車の所有者の責任」という方針。しかし?

2018年3月30日、「政府は自動運転中の事故について、原則として車の所有者に賠償責任を負わせる」という各メディアからの報道がなされ、自動運転に興味のある人々にとっては議論のタネに、あるいは物議をかもしました。

現状で日本が加盟しているジュネーブ道路条約では「自動車には運転者がいなければいけない」とされている一方、自動運転を行う際に人間の代わりとなるAI(人工知能)やシステムそのものを運転者として認めるような解釈もあります。

何より各国で自動運転への取り組みそのものは進められているものの、法的解釈については温度差があって各国統一されているというわけではないのですが、日本は自動車大国として自動運転に対し国際的な発言力を高め、リードしていきたい、という意図もあるようです。

安倍政権は2019年には国会に関連法案を提出したい以降ですが、その過程においてかなり激しい議論が交わされるであろうことは容易に想像できるため、報道された通りの法案が通るか、それがいつになるかはまだ誰にもわかりません。

そして何より、「自動運転で車の所有者に賠償責任を負わせる条件」については、細かく見ていくと完全自動運転より前の段階だったり、自動運転が本格化してから議論すべき内容もあったりで、まず内容を注意深く見る必要があります。

2018年4月17日に内閣の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議によってまとめられた『自動運転に係る制度整備大綱(案)』から、その内容をチェックしてみましょう。

想定されているのはレベル3自動運転まで

大綱を読むと、まずマイカー(自家用自動車)における検討対象は一般道ではドライバーの運転をサポートする運転支援(レベル2運転自動化技術)まで、高速道路ではシステムが自動運転を行うものの、その継続困難な場合はドライバーが介入するレベル3自動運転まで、とされています。

条件付きながら完全自動運転が可能なレベル4は限定地域で遠隔型自動運転システムを活用した移動サービスといった、限定的なものしか検討対象となっていません。
つまり、一般道は元より高速道路ですら機械任せのレベル4自動運転はまだ検討対象にもなっておらず、政府としてもまだまだ遠い未来の話、その時がくれば検討すれば良いという、将来の可能性としてしか考えていないことがわかります。

逆に言えばレベル3まではもう実現が目の前なので急がなくては、という事になりますが、この記事においても「あくまでレベル3までの話で、レベル4以上で使用者がどんな責任を負うべきかは、遠い未来の属する話」だと理解してください。

具体的には、日本政府としては2020年頃にはレベル3自動運転車が走り出す見込みなので、それまでに法的な議論を済ませ、自動運転車の定義や責任の範囲を法的に定めておきたいという事です。

また、大綱に示されているのはあくまで『案』であり、2019年以降にそのまま決まってしまうとは限らない事も明記させていただきます。

システム利用中の事故は使用者だが、ハッキングは原則として国が補償

まず自動運転システム利用中の事故についてですが、現在の『自動車損害賠償保障法』のまま、原則として運行供用者責任の維持、つまりドライバーが賠償責任を負います。

ただし同時に『保険会社等から自動車メーカー等に対する求償権行使の実効性確保のための仕組みを検討する。』とされており、ドライバーが加入している損害保険を使って賠償したとして、保険会社がメーカーへ賠償を求める事も可能にする方針な模様。

つまり自動運転システムが安全運行に妥当なものでなかった場合、ドライバーが介入可能なレベル3自動運転ではドライバーにも責任はありますが、メーカーも責任を逃れ得ないという事のようです。

また、無人タクシーや無人路線バスなどレベル4自動運転による無人自動運転サービスにおいては運行事業者が、高速道路での自動運転トラック隊列については、どのような走行形態をとるかで運行供用者を特定する、となっています。

一方で『ハッキングにより引き起こされる事故』という自動運転ならではの事故に対しては、所有者の責任を問えないので国が政府保障事業で対応となっていますが、仮に所有者がハッキングを受けないためのファイアウォールなどセキュリティ面の対策を講じていない場合、保守点検義務違反として所有者責任になる可能性もあるとの事。

パソコンやスマートフォンでセキュリティ対策を取っていない人は、自動運転車でも同じことをやってセキュリティソフトをインストールしない、無効化している、アップデートを怠るなど、セキュリティの甘さには注意せねばなりません。

ソフトウェアの不具合は車両の欠陥としてメーカーやソフトウェア開発者の責任

ここまでは報道の通りに『所有者責任が原則』となりますが、それはあくまで自動運転システムが正常に機能していれば、という話です。

仮にシステムへ組み込まれたソフトウェアに不具合があり、それを原因として自動運転車の事故が発生した場合は車両の欠陥とみなし、メーカーが製造物賠償責任を負う、とされています。

考えてみれば、例えば走行中にメーカーのミスでタイヤホイールが脱落するなど、設計や製造ミスが原因で起きた事故でドライバーの責任を負えるはずもなく、自動運転システムの不具合でも同じことだ、というわけで極めて常識的な判断です。

さらに自動運転システムに関わるソフトウェア開発者は、また別に不法行為責任を追及される可能性もあるとしており、車を販売しているメーカーのみならず、自動運転システムをそのメーカーに提供した開発者の責任まで問うています。

販売後のシステムアップデートについても基本的には同様の考えなようですが、『アップデートについては、技術的動向を踏まえた継続検討課題とする。』とされており、どのような形でアップデートを提供するのか、アップデートによる不具合の予見が可能だったかなどが検討対象になりそうです。

パソコンやスマートフォンのOSでも、アップデート自体に欠陥があって最悪使用不能になるケースすらある事から、自動運転システムではより慎重な対応が求められます。

刑事責任についてはまだまだ検討段階

ここまでは『民事責任』、交通事故においては加害者が被害者に金銭など何らかの賠償責任を負うかどうかの話ですが、加害者が自動車運転致死傷罪など刑罰を受ける『刑事責任』については、自動運転でそれを誰にどう問うのかがまだ明確になっていません。

事故原因を明確にして実際の事例ごとに判断する、とされてはいるものの、それは自動運転でなくとも変わりはありません。それでは自動運転なら何が変わる可能性があるのかと言えば、大綱から以下を引用します。

『今後、自動運転車を市場化する際には、交通ルール、運送事業に関する法制度等により、運転者、利用者、車内安全要員、遠隔監視・操作者、サービス事業者といった様々な関係主体に期待される役割や義務を明確化していくことが重要である。これらを踏まえ、刑事責任に関する検討を行う。』

自動運転において誰がどのような役割を持っており、どんな責任があるのかをこれから法整備して決めていくという、民事責任に対してだいぶ悠長な話になっていますが、このままレベル3自動運転が実現した場合、「裁判で最初の判例が前例として踏襲される」という時期が長引きかねません。

むしろあまり早く明確にすると、いざという時に刑事責任を問われかねない自動車メーカーやシステム開発者の腰が引けてしまうので、あえて「何か起きるまでは曖昧」にしていると思われも、仕方がないと思われます。

「自動運転で走行中」と明示する義務も生じそう

なお、現在行動で行われている自動走行システム実証実験に対し、実験走行中であることを車体に表示することが強く推奨されています。

『推奨』なのは義務化するための法的根拠がないためで、実際には表示しないと実験そのものが認可されないのかもしれませんが、実用化された自動運転においても「自動運転で走行中」など車外に向け明示するかどうかが検討されており、法が整備され次第、義務化されそうです。

というのも、手動運転と自動運転が混在している交通環境では、自動運転特有のリスク、例えば手動運転車が前方へ急激に割り込んだ結果、自動運転車の衝突被害軽減ブレーキが急ブレーキをかけて後続車が追突するといった可能性があります。

既に衝突被害軽減ブレーキのみ搭載されている車両でそのような事故が発生しており、周囲の車が「自動運転車が走っているから注意しないと」と警戒する必要性は十分にありそうです。