乗る(ライド)を共有(シェア)する『ライドシェア』。日本では白ナンバーの自家用車で運賃を取る『白タク』が禁止されているため、ガソリン代や有料道路の通行料など実費をドライバーと同乗者でワリカンする『相乗り』のみ認められていますが、限られた条件では認められているケースもあり、遠くない将来には全面解禁されるかもしれません。現在の相乗り形式ライドシェアでの評判を踏まえつつ、「もしもこんなライドシェアがあったら嫌だ!」を考えてみます。

こんなライドシェアは嫌だ!その1「実は無車検・無保険車」

ライドシェアとタクシー、何が一番違うかといえば運賃…というのは、いずれ日本でもライドシェアが全面解禁になり、運賃を普通に取れるようになる時代の話で、おそらくタクシーよりは割安になるはずです。

しかし白タクが認められていない現状ではドライバーと同乗者がガソリン代や有料道路の通行料金をワリカンする程度なので、安いは安いのですが、運賃とはまたちょっと意味合いが異なります。

全面解禁された未来でも現状でも変わらず異なるのは交通事故など不慮の事態があった場合の補償で、タクシーはもちろん旅客運送業として必要な保険に入っていますが、特に現状のライドシェアはドライバーが同乗者に対してどれだけ有効な保険に入っているかは強制していません。

もちろん、キチンとした補償の受けられる保険に入っていれば『指名待ち』でも有利になるため積極的にアピールポイントとして使えますが、逆に保険について何もアピールしていない場合は、当のドライバーですら自分の入っている保険についてキチンと把握しているかどうか不明です。

まさかそんな車でライドシェアに登録するドライバーはいないと思いますが、一番嫌なパターンは『実は車検切れの車を無保険で乗り回している』というケース。

車検切れの車はただ公道を走られるだけで危険なため違法でもあり、車検を受けているなら必須の自賠責保険にすら、入っていないかもしれません。

利用する前には可能な限り加入している任意保険の内容を把握できるドライバーを選び、実際乗る段階でもちゃんと車検を受けているかどうか、確かめられば万全ですね。

こんなライドシェアは嫌だ!その2「整備不良で変な音がする」

タクシーではまずありえない事ですが、車検整備を除けば愛車の整備状況はオーナー次第という自家用車を使ったライドシェアで一番ありがち、かつ嫌なパターンが整備不良車。

何しろ車検整備は「車検さえ通る状態なら、その後で次の車検までに何が起きるかを保証するものではない」ため、車検を受けたばかりの車でさえ完全に安全とは言えません。

これがタクシー会社なら整備は自家用車よりよほど頻繁に行われますし、会社の看板に傷がついては大変と、整備不良を出さないよう入念な整備が行われますが、ライドシェアで使われる自家用車はまさにドライバー次第。

キチンと定期的な、あるいは走行距離に応じた整備を受けている車ならば良いですし、それでも見つけられなかった不調が突然起きるくらいは『不幸なトラブル』で致し方ない部分もありますが、走り出してすぐに何か妙な異音がするような車には乗りたくないものです。

自家用車感覚で無頓着な人だと「これくらいの音はいつもしているから大丈夫!」などと言い出すかもしれませんが、嫌なものは嫌ですよね?

どうしてもこれは我慢できない、不安だという場合は、勇気を出してキャンセルするくらいの気構えでいても良いと思います。

こんなライドシェアは嫌だ!その3「改造車やチューニングカー」

割と自由なカスタマイズが許される個人タクシー(特に首都圏)でも時々いる『フルエアロ』くらいまでは許容範囲かもしれませんが、もっと自由なライドシェアでは派手な改造車やチューニングカーに出くわすかもしれません。

待ち合わせの段階で昭和の街道レーサー仕様だったりレーシングカーやラリーカーのようにステッカーをベタベタ貼ってデコレーションしてあったり、それで「おっカッコイイ!」と思う人ならばともかく、同乗者を乗せて長距離移動はちょっと。

ミニバンの場合は、「これ明らかに純正じゃないでしょ?!」という派手なエアロを装着しているかもしれませんし、今でも見かけるVIPカー仕様の中古高級セダンもちょっと勘弁してほしいと思うはずです。

それらは車を写真で確認できるライドシェアアプリなら事前にわかりますが、一見落ち着いた車風でも、実際目の前にしないとわからないのがマフラー交換。

「どうです、このマフラーなかなかイイ音でしょ?!」などと紳士的に声をかけられても、せめてレーシーな大人らともかく、ズババババ!などと妙にけたたましいノイズ系の車だったら同乗したくありません。

また、ローダウンしたシャコタン車もそうですが、意外に乗り心地に影響するのがホイールのインチアップで、新車状態から大径アルミホイールを履いているような車ならそれで乗り心地を確保できるよう調整してあるからいいものの、わざわざインチアップしたアルミホイールに換えてあるような車だと、乗り心地は保証外。

できる事なら、派手かどうかに関わらず純正状態そのままの車に乗れればベストです。

こんなライドシェアは嫌だ!その4「車内やドライバーが不潔」

実際に乗ってみないとわかりませんが、待ち合わせしたライドシェアの車にゴミや食べかす、何かをこぼしたシミ、ゴミと言わないまでも何か散らかっている車へ「ちょっといろいろ乗ってますけど気にせずどうぞ!」なんて言われたらどうしますか?

タクシーではシートカバーがついていて、始業前に交換してあったりするので清潔感は保たれていますし、ドライバーの私物があっても運転席周り程度ですが、ライドシェアだと普段は自家用車であり、しかも旅客業としての心得のない人もいますから、何が清潔かという基準がない人もいるかもしれません。

また、ドライバー自身も服装や髪型、体臭などで不潔感があると嫌でしょうし、どこまで不潔か清潔かというのは同乗者の感性によるとは思いますが、できればパリっとした清潔な印象のある人、そうでなくともせめて親近感を持つ程度には整った人手あってほしいはずです。

そう考えるとタクシードライバーやハイヤーの服装というのはオジサンくさくても無難であったり、制服で統一感を持たせているのも安心感があるので、ライドシェアでもあえて『運転手ルック』を真似してみるのもいいかもしれません。

こんなライドシェアは嫌だ!その5「芳香剤がキツイ」

誰かの車に乗った時に、一番ハズレだと思うのが『車内に置かれた芳香剤の匂いがキツイ』という人は多いかもしれません。

何より困るのは、その芳香剤を使っている理由が『ドライバーにとってはとても気分が良くなる香りだから』というところで、同乗者にとっては逆にトンデモない不快な臭いにしか感じない事もしばしば。

例えばラーメン屋など香りが重要な飲食店で妙にキツイ香りの香水をつけた人(男女どちらでも見かけます)がいると、それだけで何を食べても香水の味がしないため帰りたくなる事がありますが、車内の芳香剤も度が過ぎると「もう降ろしてくれ!」となる人もいるはず。

それでも短距離乗車ならまだ良いのですが、長距離を移動するためライドシェアを利用した場合、最後まで苦痛に感じつつも耐え切るか、乗り込む段階でキャンセルするかの二択です。

できればあまり強くないリラックス系の香りか、いっそ消臭剤で完全に無臭の車が良いかもしれません。

なお、喫煙者が激減した世の中ですから、『喫煙者限定ライドシェア!』で売り込むつもりでもない限り、タバコの臭いはもってのほかです。

こんなライドシェアは嫌だ!その6「交通ルールを守らず運転もヘタ」

取得するのが難しい2種免許を持つ人しか旅客運転のできないタクシーならかなりスムーズな運転をするドライバーが多いのですが、ただ運転さえできれば、あるいは何年も前に免許を取ったきりロクにハンドルも握らないサンデードライバーでもできてしまうのがライドシェア。

また、普段から同乗者が不快にならない運転など意識する事がない(少なくともタクシードライバーよりは)ドライバーも少なくないので、中には日頃の運転が非常にラフ、適当な運転をしている人もいます。

そうした人の中には赤信号でも変わって1秒くらいなら渡ってしまう、速度制限を守らないなど交通ルールの認識が甘い人もいますし、妙に寝かせたシートでドライバーばかりがリラックスして、ハンドルもブレーキもアクセル操作でさえもカクカクした人が、今の『相乗り』系ライドシェアアプリに登録している人でもいるようです。

自ら頻繁に運転するならともかく、そうでない同乗者の場合は車の操作に対して体の感覚が全く慣れる事ができず、すぐに車酔いしてしまう場合もありますから、タクシーとライドシェアの違いは案外ここで一番大きく感じるかもしれません。

アプリの『評価欄』で評価の低い人は大抵運転マナーや運転スキルの問題にツッコミが入っていますから、同乗者が選ぶ時に注意するのはもちろん、ライドシェアのドライバーになりたいと思っている人も、自分の運転を見直して誰かに客観的なチェックをお願いすることをオススメします。

こんなライドシェアは嫌だ!その7「ハンドルを握ると人が変わる」

一番嫌なパターンで、ライドシェアでなくとも絶対乗りたくないのがハンドルを握ると豹変してしまう人の車です。

車に乗っていない時には人当たりが良くおとなしい人でも、いざハンドルを握るとオラオラ系の運転しかしなかったり、最悪の場合は平気であおり運転をした上に、自分以外の周りの車全てが悪い!と怒り出すような人は、実在します。

もちろんそんな人がライドシェアのドライバーをやれば一発で最悪の評価、場合によってはアプリ運営会社へ通報されて一発で登録取り消しになるかもしれませんが、誰もまだその人に同乗した事がない場合は誰も気づけません。

評価がまだゼロの人は走り出してから何かの拍子にスイッチが入ってしまわないかわからないため…あえてそういう車に乗って冒険しようと考えたり、評価を得られるまではディスカウント価格で同乗できるというのでもない限り、なるべく避けるのが無難でしょう。

乗せるドライバーの側も、信頼を得られるまでは投資だと思ってタダ同然で評価を積み重ねていくくらいの気持ちが必要かもしれません。