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実は海外で復活していた日産伝統ブランド「ダットサン」今はどんな車を販売?

ダットサン

自動車に限らず、メーカーの正式な会社名とブランド名が異なる事は多々ありますが、日産もかつては『ダットサン』ブランドを国内外で多用していました。特に海外ではニッサンよりダットサンの方がよほど有名だったらしいとも言われますが、1980年代から日産ブランドへの統一が進み、いつしか『ダットサン』ブランドは消えていきました。しかし2012年に新興国向け低価格車ブランドとして『ダットサン』は復活、今はどのような車を作っているのでしょうか?

1にソロバン2に電話、3にトラック『ダットサン』

日本車で近年まで車名とブランド名が異なっていた例といえば、2017年に株式会社SUBARU(スバル)へとブランドに併せ社名変更した富士重工が代表的で、かつてはコニー(愛知機械工業)、プリンス(たま自動車。後にプリンス自動車工業へ)、マツダ(東洋工業)などもブランドと社名が別な例でした。

日産も戦前から『ダットサン』ブランドを展開しており、前身であるダット自動車製造やその前に快進社だった時代に作った『脱兎号(DAT CAR)』を元に、当初はDATの息子(SON)でダットソン(DATSON)、それでは損をしそうだからとダットサン(DATSUN)にブランドを定めたのが1932年の話。

以降、1934年に社名が現在の日産自動車へと変わってからも小型トラックや小型乗用車は『ダットサン』ブランドで販売、当時のラジオCMでは「♪1にソロバン2に電話、3にトラック『ダットサン』♪」と歌われ、国民にダットサンの名は親しまれていました。

第2次世界大戦後も乗用車の生産が解禁されるや戦前型設計の『ダットサンDBシリーズ』や『ダットサン110』など小型乗用車、ダットサントラックなど商用車、ダットサン・スポーツDC-3などスポーツカーにもダットサンの名は続きます。

さらにサニーやブルーバードといった大衆車や同クラス商用車でもダットサンブランドは使われ続けましたが、セドリックなど高級乗用車では次第に『日産』ブランドが使われるようになっていきました。

しかし、例えば4代目C110系スカイラインが『ダットサン240K』(排気量によって160Kや180Kもあった)だったりするなど、海外では相変わらず『ダットサン』ブランドが使われていたのです。

ダットサンを作ってるのはおたくの会社だったんですか?

こうして日本車の発展、輸出増加の波に乗って『ダットサン』の名は世界中へ轟いていきますが、その一方で『日産自動車』の名はサッパリ広まらないという事態が生じました。

真偽は定かではありませんが、1979年にイギリスの首相へ就任したマーガレット・サッチャーを日産の幹部が訪問したところ、最初『日産』という会社が何なのかよくわからなかったサッチャー氏が「ニッサン?…ああ、ダットサンを作ってるのはおたくの会社だったんですか?!」と驚いた逸話が残されています。

もっとも、イギリス人といえば皮肉や嫌味と紙一重のジョーク、あるいは本音を言わないことで知られているため、サッチャー氏の件も単なるジョークに過ぎないかもしれません。

しかし日産が『NISSAN』ブランドを『DATSUN』ブランドに代わって広めたがっていたのは事実で、1981年には輸出ブランド名も『NISSAN』へ統一を決めました。

日本でも1981年までセダンやクーペが『ダットサン』ブランドで販売されていたサニー(4代目B310型)などを最後にダットサンの名が消えていき、2002年まで日本で販売していたダットサン・トラックを最後に日本からダットサンは消えてしまいます。

復活の『ダットサン』第1号車種となったダットサンGO

しかし、日産が業績悪化でフランスのルノーと企業連合を組むようになり、ルノーからカルロス・ゴーンCEO(最高経営責任者)として派遣されてくると、2012年に『DATSUN』ブランド復活が宣言され、ブランドロゴも新しく作られました。

当時の日産は1981年に統一ブランドとした『ニッサン』と1989年に登場した高級車ブランド『インフィニティ』の2本立てでしたが、新たに新興国向け低価格車ブランドとして『ダットサン』を復活させたのです。

手始めに登場したのは2013年にインドでワールドプレミアされた『ダットサンGO』で、4代目マーチ(K13型)と同じプラットフォームを使う低価格車。

というより、K13マーチ自体が日本でも販売されているとはいえタイなどで生産される新興国向け低価格車ですから、ダットサンGOとの違いは1.5~1.6リッターエンジンを搭載する上級グレードがなく、装備が簡素化されているくらいです。基本的にはマーチの低価格版と考えてよく、インドやインドネシアで生産されています。

MPV版のダットサンGO+(プラス)

ダットサンGOの後席から後ろを延長、リアオーバーハング拡大で3列目シートを設けたMPV(ミニバン)仕様がダットサンGO+です。

手法としてはかつて2代目K11時代のマーチがリアオーバーハングを延長してステーションワゴン化したマーチBOXや、2代目キューブをミニバン化したキューブ・キュービックと似ていますが、安価なミニバンを求められる新興国向けに狭くとも3列目シートを設けました。

ただし3列目シートは子供が乗れる程度のミニマムスペースで、ダットサンの公式サイト(英語)を見る限り使用すると荷室スペースは使えず、イメージ画像も4人家族が3列目シートを畳んだダットサンGO+の荷室へ買い物した荷物を積んでいます。

実際には3列目は補助的なエマージェンシーシートで、実質的には『その気になれば3列目も使えるステーションワゴン』と考えた方が良さそうです。

Go+のクロスオーバー版、ダットサンクロス

ダットサンGO+の最低地上高を引き上げ、外装下部にガード状の樹脂製パーツ、同じく樹脂製のルーフレールを配するなど『お約束』な内外装を施したクロスオーバー版が『ダットサンクロス』です。

外観上の特徴としては、GO/GO+とは異なりヘッドランプ下のバンパー内へフォグランプを内蔵していることで、ちょっと『日産ジュークの低価格車版』的な雰囲気があります。

しかし『いかにもクロスオーバー化』したことで、元々スバルのヘキサゴングリルと紛らわしい六角形グリルが『何か安いスバル車感』を漂わせており、スバルディーラーで販売していても違和感がなさそうです。

最低地上高が高いクロスオーバー的なダットサン・レディGO

ダットサンGO/GO+は実質的にK13マーチの低価格版でしたが、より新しいルノーと日産の共通新型コンパクトカー用プラットフォーム『CMF A』を使ったルノー・クウィッドのダットサン版がダットサン・レディGOです。

GOの兄弟車に思えますが成り立ちから大きく異なっており、エンジンも800ccか1,000ccの直列3気筒エンジンを搭載、最低地上高は180mmも確保されていて道路状況の悪い新興国の郊外でも走行に支障はなく、樹脂製パーツによるデコレーションこそないものの、実質的にはコンパクトSUVといえます。

ベースのクウィッドより一回り小さく内外装も簡素なため、クウィッドの低価格版と考えてよいかもしれません。

ロシアのアフトヴァース製、ダットサンon-DO/mi-DO

ダットサンやインドや東南アジアのほかロシアでも展開していますが、こちらはロシア専用車種が開発されており、4ドアセダンの『ダットサンon-DO(オン・ドー)』と、その5ドアハッチバック版『ダットサンmi-DO(ミ・ドー)』の2車種のみ2014年から販売されています。

基本的には独立トランクを持つon-DOに対し、ハッチバック版mi-DOはトランクがない分だけ全長が大幅に短縮されており、昔まだ4ドアセダンとハッチバック車を作りわけていた時代の日産サニーを思われる2台です。

ただしGOシリーズと異なり中身はロシアの自動車メーカー、アフトヴァースが開発して『ラーダ』ブランドで販売している『ラーダ・カリーナ』で、日産(ダットサン)はデザインのみ担当して生産もアフトヴァースで行い、OEM供給を受けています。ロシア製らしくシートヒーター完備などは日本や東南アジアの車には見られないユニークな点かもしれません。

かつてのイメージと違いすぎ苦戦する『ダットサン』

こうして復活したダットサンですが、妙に安普請で安価なだけが魅力であったり、デザイン以外は他社のOEMそのものでセールスポイントに乏しいなど、展開しているいずれに国でも今ひとつパッとしないのが現状だと伝えられています。

まだブランド復活から数年、車種ラインナップも少ないので致し方がない部分はありますが、今となっては新興国のユーザーでも安かろう悪かろうな車は買わないのが知られてきており、戦略的に少々迷走している感は否めません。

カルロス・ゴーン体制の崩壊で日産とルノーの関係が微妙な事もあり(※2019年2月現在)、『ダットサン』ブランドも今後何らかの見直しが図られ、あるいは再撤退する可能性もあるのではないえしょうか。

知名度の点からしても、先進国でのEV(電気自動車)やスポーツカー向けブランドとして再構築した方が得策かもしれません。