自動運転

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今の車はもう「半自動運転」?ドライバーの意志に応えたコンピューターが車を動かしている

自動運転、運転支援、あるいは運転自動化技術などと呼ばれるシステムが自動車に搭載されるようになり、もっとも初歩的な衝突被害軽減ブレーキやレーダークルーズコントロールの初搭載からはもうだいぶ年月がたちました。もはやドライバーが運転しなくとも良い自動運転車の登場も間近いかと思うほどですが、現在の車はもうほとんどドライバーが直接動かしてはいないって、知ってました?

自動運転の前提となる車の電子制御技術

自動運転とは一言で言えば「ドライバーが操作せずとも、あるいはドライバーが乗ってすらいなくとも、車が定められた目標へ向け勝手に走ってくれる」技術です。

そのためにはドライバーに代わってコンピューターがハンドルやアクセル、ブレーキ、ミッションへ指示を出し、そのためにはAI(人工知能)が操作するための判断を下し、判断のためにはレーダーやカメラなど車載センサーや、GPSや道路情報など外部からの情報を得ます。

自動運転でハードルとなっているのは夜間や悪天候など悪条件でも確実に作動するセンサーやAIの部分ですが、コンピューターが運転装置を動かす部分については、もう既に多くの車へ装備されているのです。

「そんな事を言っても、ドライバーが車に乗ってエンジンやシステムを起動し、ハンドルを回し、アクセルやブレーキを踏まなきゃ、走るのも曲がるのも止まるのもままならないじゃないか?」

そう思うかもしれませんが、1970年代には既に始まっていた車の電子制御化は2010年代も終わりに近い現在、もはやコンピューターなしには車を走らせるなど考えもつかない、というところまで進歩しています。

そして、ドライバーが操作している運転装置のほとんどは、単にコンピューターへ『ドライバーは車をこう走らせたい』と意思を伝えるだけの装置になりかけているのです。

あまり実感が湧かないと思いますので、具体的な事例を紹介して説明します。

昔はキーをひねってエンジンを始動し、今はボタンを押してシステムを起動する

最近免許を取ったばかりの若いドライバーの場合、物心ついた頃には既にプッシュスタート式の車が当たり前で、「差し込んだキーをひねってエンジンをかける」が分からない人もいるとか。

昔ならキーをドアの鍵穴に差し込んでロックを解除し、ドアノブを引いてドアを開けて乗り込み、ハンドルの横にあるキーシリンダーへキーを差し込んでひねるとエンジン始動、少し古い車だとアクセルを少し煽らないとかからない…くらいが普通でした。

しかし今ならスマートキーをポケットに入れておくだけで、ドアノブのボタンを押せばロックは解除され、スライドドアの場合は自動で開き、乗り込んだらハンドルの横のボタンを押せばシステム起動、アイドリングストップ車やハイブリッド車の場合はエンジンすらかかりません。

車の方でスマートキーが近づくと「あ、ご主人様が来た」とシステム起動準備を整え、スイッチひとつで目覚めるのですから、エンジン始動に『儀式』が必要だった世代にとっては楽なものです。

シフトレバーを『D』ポジションに入れ、パーキングブレーキを解除すれば走行可能になりますが、これも今ではボタンひとつで解除できる電気式パーキングブレーキが増えました。

アクセルペダルを踏むと、車が勝手にスロットルを調整

昔はエンジンの回転数や出力を制御する『スロットル』とアクセルペダルはワイヤーでつながっており、アクセルを踏んだ分だけスロットルが動いて燃料がエンジンへ燃料と空気の混合気が送られていました。

1970年代に厳しい排ガス規制が行われた際、まずは混合気を送るキャブレター、あるいは燃料噴射装置が電子制御化され、2000年頃には電子制御キャブレターすら姿を消して、全て電子制御燃料噴射装置に切り替わります。

これはコンピューターがスロットル量や走行状況に応じて燃料をどれだけ噴射すると効率的かをコンピューターが判断して勝手に噴射、あるいはエンジンブレーキなど出力が不要な時には燃料をカット、燃費を良くしていました。

停車時には自動的にエンジンを止めて燃費を稼ぐアイドリングストップも1970年代には登場しており、人間が手動でエンジンの停止・再始動などしなくても済むようになる装置は21世紀になってからさらに発展、軽自動車でも当たり前の装備になります。

そして1990年代に入るとスロットル・バイ・ワイヤ、通称『電子制御スロットル(電スロ)』が登場し、ドライバーによるアクセルの踏み込み量に対し、走行状況に応じて実際にどのくらいスロットルを開くか、コンピューターが決めるようになりました。

もっとも、これはドライバーからは目で見えない仕組みなので、今でも「アクセルを踏めばスロットルが開くんでしょ?」と思っている人が多いと思います。

しかしスロットル開度をモニターする機械をつなぐと、同じようにアクセルを踏んでもスロットルが開く時もあれば、逆にそんなに必要ないと閉じていく時もあるんです。

特に加速から巡航に移った際のスロットル開度をモニターしていると面白く、ジワジワ加速していってもスロットルはどんどん閉じていきますが、それで違和感なく走って行くから不思議なもの。

CVT(無段変速機)やステップAT(多段自動変速機)だとエンジンとの統合制御が当たり前なので、最適なギア(変速比)と最適なスロットル開度でドライバーから伝えられた意図を忠実に実行すべく勝手に動いていきます。

ではMT(手動変速機)ではどうかといえば、最近ではクラッチを切れば電子制御スロットルが勝手にブリッピング(エンジン回転数を変速先のギアに合わせるスロットル調整)を行い、ドライバーが細かいアクセル調整をしなくてもギアがスコスコ入ってエンジン回転が合わずギクシャクする事もありません。

さらに2ペダルMT(セミAT)では変速操作すら自動、またはドライバーがシフトレバーを動かすだけで勝手にやりますから、ここでもドライバーは単に『指示を入力』するだけになりました。

ブレーキを踏めば最適なブレーキが4輪独立で統合制御

ブレーキもまたしかりで、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の元祖と言えるアンチスキッドが1960年代に登場した時はまだスリップを検知すると自動。でポンピングブレーキを行う程度の機械式でしたが、1970年代末には電子制御ABSが登場。

さらにコンピューターがブレーキの制動力を自動配分するEBD(電子制御制動力配分装置)が登場すると、ABSとともに前後だけでなく4輪全てを独立制御するようになります。

1990年代も末になると、この仕組みを利用して滑りやすい路面での横滑り防止、カーブを曲がる時には内側のブレーキを強めて旋回力を高めるといった制御もこなすようになり、エンジンやデフ(差動装置)との統合電子制御を行うようになりました。

こうなると、かつてのようにリヤタイヤまで動かして旋回性能や車線変更能力を高める4WS(4輪操舵)はほとんど不要になり、大柄な車を低速時でも小回りさせたり、よほど高性能なスポーツカーで統合制御の1つとして採用を続ける程度。

ドライバーとしては「普通にブレーキを踏んで減速したり停止させてますが?」と思うかもしれませんが、ブレーキペダルを踏まれた車が各ブレーキへの油圧を制御しているので、実際にどうブレーキをかけるかは車が決めています。

場合によってはブレーキを踏まずとも車を安定させるため、あるいはクルーズコントロール作動中に車速や車間距離維持のため車が勝手にブレーキを使っているケースもあって、アクセルともどもブレーキの主導権は完全に車が握るようになりました。

完全にブレーキがスイッチとなれば、アクセル操作の『スロットル・バイ・ワイヤ』に対し、『ブレーキ・バイ・ワイヤ』と呼ばれるところですが、車の『止まる』は『走る』よりよほど重要なため、安全のため電気的なブレーキ用回路と油圧回路を並行して採用しています。

しかしこれも完全自動運転となればどのみちドライバーが操作しない、そもそもドライバーがいないためブレーキペダルがない車も出てきますから、将来的には確実にブレーキ・バイ・ワイヤ化が進むはずです。

電動パワステでハンドル操作すら電子制御

パワーステアリングは昔だと油圧が多かったものですが、最近ではほとんど電動です。内部のモーターでハンドルを切る力を補助するのはもちろんですが、このモーターにコンピューターが指示を出せば、勝手にハンドルを動かすことすらできます。

安全運転支援装備では定番になりつつある『レーンキープアシスト』はカメラで車線を監視し、車がふらついて車線を逸脱しそうになればドライバーへ警報を鳴らし、システムによってはハンドルを動かして車線内へ、より高度なシステムでは車線内中央を保持。

さらには他の車や障害物、飛び出してきた歩行者を回避すべく急ハンドルを切り、ブレーキやエンジンその他との協調制御で人間がやるより素早く回避操作までこなすに至っては、『自動運転が実現すれば人間が運転するよりよほど安全』と言われるのもわかります。

ここまでは運転支援車であれば装備されている事も多いのですが、レベル3自動運転やそれに準じた性能を持つ運転支援装置なら、交差点すら自力で曲がっていくので、優れたセンサーで衝突事故や赤信号、進入禁止の検知などを万全に行えば、完全自動運転は可能です。

現状ではまだそこまで優れたAIがないことや、速度や天候といった条件が限られるセンサーしかないため、あらゆる条件で完全自動運転というレベルにはまだまだですが、少なくとも車の側では条件さえ整えば自動でハンドルを動かすのはいつでもできます。

それまではドライバーがハンドルを動かして初めてどこでも車を走らせることができますが、その状態でもハンドルをどれだけ切ったらどのくらい曲がるかを決める『ステアリングギアレシオ』は可変式のものが増え、やはりコンピューター制御です。

そのような車は、ドライバーの意図を実現するためやはり車のコンピューターがかなり骨を折っているわけで、ドライバーだけで運転しているわけではありません。

なお、ハンドルにもステアリングシャフトと実際のステアリング機構が繋がっていない『ステア・バイ・ワイヤ』が存在しますが、ブレーキと同じ理由でステアリングシャフトをなくすまでに至っておらず、いずれ車内からハンドルが消える完全自動運転車の実現待ちです。

半自動運転は自動運転への入口

ここまで説明したように、最新の車ではドライバーが運転しているようで、実は車が見えないところから運転支援サポートを提供して安全運転に大きく貢献しています。

既にドライバーはどう動かしたいかを車に伝えるのみで、実際はコンピューターが車を動かしている『半自動運転』状態にあるため、普段問題なく車を運転しているつもりの人が昔の車に乗ると、案外フラフラギクシャクしてマトモに走れないかもしれません。

逆に普段から昔の車に乗っているドライバーが最新の車に乗ると、それだけで運転がうまくなったように錯覚するかもしれませんね。

そんな車に優れたセンサーとAIさえ搭載されれば、完全自動運転車は完成するのですが、人間というセンサーの塊に取って代わるには、まだまだ時間がかかりそうなのも事実です。