自動運転

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今の自称「自動運転」実は全部「運転支援」?自動運転との違いや境目は?

近年になって、『オートパイロット』や『プロパイロット』など自動運転を想起させる名前のついたシステムを搭載したり、メーカーの宣伝やメディアの報道で『自動運転』という言葉が使われる事が増えました。しかしそれらは運転の自動化技術の中でもごく初歩的な限られた機能しか持たず、「本来の自動運転車とはかけ離れた存在」として、国土交通省から『運転支援』という用語を使うように、との通達が出ました。運転支援と自動運転、その違いや境目はどうなのでしょう?

歓喜したユーザーによってひとり歩きした『自動運転』

自動車において『自動運転』という言葉が大きくクローズアップされるようになったのは、アメリカのEV(電気自動車)メーカー、テスラが2012年から販売していたEVセダン『モデルS』で、自動運転機構『オートパイロット』の利用が可能になった2015年からです。

元々センサーや運転装置の自動化などハード面では自動運転に対応していたモデルSでしたが、日本以外では2015年10月以降、日本でも2016年1月から国土交通省での認可を受けて、オートパイロットの利用が認められました。

テスラではオートパイロットはあくまで運転支援技術であり、ドライバーはオートパイロット作動中でもステアリングから手を離したり、運転監視を怠ってはいけないとしていましたが、世界で初めて本格的な自動運転技術として紹介されてしまいましたから、もう大変。

早速動画サイトでは『オートパイロットに運転を任せて車内で何ができるかにチャレンジする人々』の映像であふれ、自動運転時代の到来が世界中にアピールされてしまったのです。

一方、日本でも2016年に発売された5代目C27型セレナに『プロパイロット』を搭載、高速道路で自動運転ができると大々的に報道されました。

その後、オートパイロット作動中のモデルSが道路を横断中のトレーラーに衝突してモデルSのドライバーが死亡する事故を起こし、『自動運転車で初の死亡事故』とネガティブな意味で話題になってしまいます。

さらに日産セレナのプロパイロット搭載車も、機能をよく理解していない販売店の営業担当者が夜間・雨天・一般公道という最悪の条件下でユーザーの試乗時にプロパイロットを作動させるという無謀な行為を行いました。

挙句に前方に停車している車に気づいていたにも関わらず、「自動で止まる」とユーザーにブレーキをかけさせなかったため追突事故を起こし、大きく報道されて国土交通省も『現行の運転支援機能搭載車は自動運転ではない』と注意喚起されたのです。

自動運転時代到来!とはしゃぐユーザーがいるのはともかく、自社の製品について理解していてしかるべき販売店の営業担当者がこれほど無謀な行為に至ったのには、『自動運転』という言葉が一人歩きして、関係者にすらありもしない幻想を見せていたのが原因なのは明らかでした。

そもそも自動運転のみならず、これも『自動ブレーキ』と紹介される事が多かった衝突被害軽減ブレーキにも懐疑的だったユーザーはこれらの事故で勢いづき、メディアも手のひらを返したかのように運転自動化技術へのネガティブキャンペーンが始まった感すらあったものです。

このままではまだまだ初歩的で不完全な運転自動化技術によって、将来の自動運転車まで潰されかねないと、メーカー各社や国土交通省も重い腰を上げざるを得ませんでした。

国土交通省が通達した「レベル2までは自動運転と呼ばず運転支援と呼ぶように」

2018年11月2日、国土交通省からついに『運転自動化技術レベル1および2の車両に対する誤解防止のための方策について』という通達が出されました。

一時期のオートパイロットやプロパイロット搭載車の事故を受けたネガティブキャンペーンじみた騒ぎが沈静化すると、再び「これはもう自動運転」という自動運転肯定派の中でも過激な巻き返しが始まり、再び誤解が拡大する前に国土交通省が沈静化を図った形です。

この通達によれば、2018年10月末時点で販売されているのは全て『運転操作を部分的に自動化する技術を搭載した車両』であり、今後登場する『運転操作の全てを自動化する技術を搭載した車両』ではない、として、その違いを理解しやすくしようとしました。

すなわち、あくまでドライバーが安全運転に係る監視、対応主体に留まるレベル2までの運転自動化技術を搭載した車両は自動運転車ではなく『運転支援車』であり、実現されているのは自動運転ではなく『運転支援』であるから、今後メーカーや販売店もユーザーへそう説明するように、という内容。

運転支援車はその名の通り『ドライバーの運転を支援』するものであり、ドライバーに代わって全ての運転を行うものではないので、ドライバーはその機能の限界を正しく理解し、安全運転を行う必要がありますよ、と国土交通省は説明しています。

では、ドライバーがいざとなればすぐ運転できる必要はあるものの、運転主体はあくまでシステムであるレベル3以上の運転自動化技術は何と呼ぶのかと言えば、国土交通省の見解では『未定』というのが興味深いところです。

今後仮に運転が完全自動化されたシステムが登場したとて、高速道路など自動車専用道路以外で作動させられるようになるにはまだまだ時間がかかるであろう事を見越し、安易に『自動運転』『自動運転車』という言葉を使わせたくない意図が見えています。

おそらく、一般公道でも完全自動運転が可能な車が登場するまでは『高速自動巡航車』など、名称で何らかの区別をつけるのかもしれません。

『運転支援』『運転支援車』と呼ばれる車両の条件

国土交通省から改めて『運転支援車』と定義され、運転自動化技術の機能は『運転支援』であるとされた車は、具体的にどのような機能を持つ車でしょうか?

国土交通省では『「自動運転に係る制度整備大綱」における定義(SAE J3016(2016)等)』にてレベル2までのシステムは『運転支援』と定義しましたが、レベル1とレベル2は以下のようになります。

【レベル1】
アクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかを、部分的に自動化する技術を搭載した車両。
【レベル2】
アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方を、部分的に自動化する技術を搭載した高度運転支援車両。

ここで言う『アクセル・ブレーキ操作』とは、一定の速度や前を走る車との車間距離を保つためにアクセルを操作したり、あるいは誤発進操作による暴走・衝突事故を防ぐため、アクセル操作を必要に応じてキャンセルする機能がまず1つ。もう1つは衝突被害を軽減、あるいは回避するため自動的にブレーキを操作する機能です。

そして『ハンドル操作』とは、走行中の車線からフラついたり、カーブでハンドルを切りそこねて車線から逸脱しようとすると、ハンドル操作で元に戻してくれる車線逸脱防止機能や、対車両や対障害物、対歩行者などへの回避機能や自動駐車機能まで含まれます。

このどちらか片方の機能が搭載されていればレベル1、両方ならレベル2というわけで、車間維持機能を持つクルーズコントロールを搭載していればレベル1、ステアリングアシストまで装備していればレベル2。

『アクセル・ブレーキ操作』にせよ『ハンドル操作』にせよ、自動操作が行われるにしても『部分的な自動化』に留まりドライバーが常に監視していなければならず、一瞬たりともシステムが主体にならなければレベル2止まりで『運転支援車』になるのでした。

ここで言う『システムが主体』とは、メーカーがそのレベルに達したシステムを開発し、日本においては国土交通省の認可を得て初めて認められるもののため、ユーザーがいくらそのシステムを信頼していても、意味がありません。

各システムの性能や信頼性はどうあれ、国土交通省の定義としてはまだ全てが『運転支援車ですよ』というわけです。

運転支援車を超えるには、何が必要か

国土交通省が『運転支援』および『運転支援車』と定義したレベルを超える(ただしどのような用語とするかははまだ未定)車はレベル3からとなりますが、その定義は以下のようになります。

【レベル3】
一定条件下で、全ての運転操作を自動化する技術を搭載した車両。ただし運転自動化システム作動中も、システムからの要請でドライバーはいつでも運転に戻れなければならない。
【レベル4】
一定条件下で、全ての運転操作を自動化する技術を搭載した車両。
【レベル5】
条件なしで、全ての運転操作を自動化する技術を搭載した車両。

いずれも 『安全運転に係る監視、対応主体はシステム』である事を、国土交通省から認められたシステムおよびその搭載車、という事です。

より具体的には、レベル2では『ドライバーが運転しているのが大前提なので、ハンドルから手を離してはいけない』のに対し、レベル3では『システムが運転しているのでハンドルから手を離してもいいが、システムが求めたらすぐハンドルを握る』のが大前提。

あくまで普段はシステムが運転していますから、ドライバーは前方や周囲の監視からも解放されますが、いつでも運転に復帰できるよう、運転席から離れることはできません。

これに対してレベル4は運転席から離れる事が可能で、レベル5はさらに『高速道路だけ』『天候が良い場合』などの条件がなく、無条件で車に全ての運転を託せる状態で、俗に『完全自動運転』と呼ばれるのはこのレベル5です。

レベル2からレベル3に格上げされるには何が必要かと言えば、具体的にはセンサーや運転自動化技術の信頼性に裏付けされた、『ハンドルから手を離しても警報が鳴らない状態』で、そのためには国土交通省からの認可が必要。

現状、テスラの最新モデルなど輸入車の一部で『認可さえされればいつでもレベル3としての機能を開放しますよ』とされた車を販売している、あるいは近々販売するとしているメーカーもありますが、実際にはまだ実現していません。

先頭を切って大きく報道されたはいいものの、ひとたび事故を起こせば叩かれまくるのも目に見えているのでメーカーにとっても度胸のいる決断ですが、やはり新興で失うものが少ないテスラが先陣を切るのか、注目されます。