マニアック

複数業者からのしつこい営業電話がない、買取入札

  • メールアドレスだけの匿名登録なので個人情報が守れる
  • あなたの車に複数業者がおよその買取額を提示
  • 一番高い買取額を提示した業者だけに個人情報を送信

今では当たり前、でも昔はわざわざ「3ナンバー車」に改造する時代があった?!

現在ではたとえコンパクトカーでも3ナンバー車が当たり前、輸入車に至っては昔れっきとした5ナンバーサイズコンパクトだったVW・ポロが今や全幅1,800mmを超える堂々たるボディを備えるほどで、一部に残る5ナンバーボディ車や軽自動車を除けば、本当に車は大きくなりました。しかしまだ3ナンバー車の税金が安くなったばかりの頃、わざわざ3ナンバー車にするため「だけ」のグレード設定やドレスアップが流行ったのです。

その昔、3ナンバー車とは贅沢品で税金も非常に高かった!

1980年代まで、日本を走る自動車のほとんどは小型自動車、すなわち乗用登録の『5ナンバー車』や貨物登録の『4ナンバー車』ばかりで、トヨタ・クラウンや日産・セドリック/グロリアなど代表的な高級車も、5ナンバー枠いっぱいのフルサイズボディが標準で、2リッターまでのガソリンエンジンか排気量上限のないディーゼルエンジンを積んでいました。

それゆえ2リッターまでのエンジンでも大排気量車並の動力性能が得られる(燃費も大排気量車並でしたが)ターボチャージャーやスーパーチャージャーが世界のどこよりも早く一般向けに普及したと言えたくらいです。

もちろん、より高級な車を求めるユーザー向けにはトヨタ・センチュリーや日産・プレジデントなど5ナンバー枠を超える堂々たるボディの高級車がありましたし、クラウンやセドリック/グロリア、趣味性の高いスポーツカーにも2リッターオーバーのエンジンを搭載した3ナンバー車(普通自動車)はありました。

これら軽自動車を除く『登録車』の乗用車はほとんど3ナンバーもしくは5ナンバーでしたが、その大半が5ナンバー車だったのは3ナンバー車が贅沢品とされて、ただ3ナンバーというだけでかなり高額な税金を取られ、たとえば3リッター以下でも81,500円と、現在の4~4.5リッター車より高額な自動車税を払わなければいけなかったのです。

そのため国産車各メーカーは官公庁や大企業向けの特殊な高級車を除けば3ナンバー車の開発に熱心とは言えず、2リッター以上の大排気量エンジン搭載車を設定したとしても、5ナンバー車用ボディを基準に前後バンパーやフェンダーの変更のみで大きく見せていました。

代表的な例がトヨタの初代(海外仕様を含めれば3代目)スープラや三菱のスタリオンで、2リッター以上の大排気量グレードではオーバーフェンダーなどでワイドボディ化する一方、それらを持たない2リッターのナローボディ車もラインナップしていたのです。

1989年、税制改正による『3ナンバー車解禁』

それでもあまり問題にならなかったのは、海外の車もそうそう大きな車ばかりではなく、W201型メルセデス・ベンツ190EやE30型BMW318i/320iのように、日本でも5ナンバー登録となる高級輸入セダンすら存在して、バブル景気の初期から人気を博していたからでもありました。

ただし日本と同様に、あるいはそれ以上にガソリン代が高く国土面積も制約されたヨーロッパ車ならともかく、ボディサイズの大きな車に大排気量エンジンを搭載したアメリカ車にとって、3ナンバー車の高額な税金はアメ車の輸入販売を阻む『非関税障壁』に見えたのです。

実のところ、第2次世界大戦前や戦後1960年代までは日本でもアメ車人気は高かったのですが、1960年代のモータリゼーションで『一家に1台マイカー時代』が到来すると狭い敷地に駐車できて狭い道を苦もなく走れる車が求められ、1970年代以降のオイルショックによる省エネ路線や厳しい排ガス規制時代でアメ車は日本で通用しなくなったどころか、むしろアメリカでも日本車が求められるほどでしたが、彼らはそう考えません。

とにかく大きくて大排気量車が売れるように日本へ圧力をかけ、3ナンバー車というだけで課せられていた高額な税金は1989年に撤廃され、単純に排気量だけで自動車税が決まる時代が到来したのです。

その結果がどうなったかといえば、大きすぎて燃費も悪いアメ車は相変わらず売れず、5ナンバーより少々大きい程度で燃費良好、税金も安くなったヨーロッパ車や、それを模倣したような国産車、たとえば三菱・ディアマンテなどがヒットしたのですが、旗振りをしたアメリカにとっては何とも皮肉な結果となりました。

3ナンバー車がカッコイイ時代、到来!

ともかく3ナンバー車だからというだけで高額な税金を課せられる事もなくなった結果、国産車メーカー各社は無理に5ナンバー枠に抑えたボディで車を開発する必要がなくなり、デザインの自由度は飛躍的に高まりました。

それまでは「5ナンバーサイズいっぱいで大きく見せよう、似たようなサイズでも大衆車と高級車では差別化せねば」と腐心していた日本車は、『3ナンバー解禁』を待ったかのようにして1990年に発売された前述の三菱・ディアマンテが大ヒットしたのを筆頭に、モデルチェンジで2リッタークラス以上の車は一斉に3ナンバーのワイドボディ化します。

1.6~2.0リッタークラスまでのミドルクラスセダンなど『大衆車』と、2リッター以上の『高級車』の線引は容易となり、クラウンやセドリック/グロリアも真の高級車への道を歩み始めました。

もちろん大排気量エンジン車の自動車税は高いため、慎重に2リッターまでのエンジンを搭載した廉価モデルも設定はされましたが、小排気量エンジンでも堂々たるボディには変わりません。

そして1980年代までは3ナンバー車といえば『高額な税金を払える富裕層のステイタスシンボル』でもありましたから、積んでいるエンジンの排気量はどうあれ、3ナンバーボディであることが肝心だったのです。

ただし、中には3ナンバークラスのボディをすぐに準備できなかったため、苦肉の策で輸出版用の2リッター超エンジンを搭載し、前後バンパーやフェンダーの拡大など旧来の手法で強引に3ナンバー車を準備した例もありました。

本来2リッターエンジンの3代目ホンダ・プレリュードに輸出向け2.1リッターエンジンを搭載、分厚いサイドモールを貼り付けて排気量、ボディサイズともに3ナンバー化した『プレリュードSiステイツ』(1990年10月発売)などその代表格でした。

既存車の3ナンバー化ドレスアップも流行る

そこまでして各社3ナンバー車ラインナップを急いだのは、ひとえにユーザーが『3ナンバー車は立派だ!カッコイイ!』という意識を持っていたからですが、昔も今もユーザーが高額な新車ばかりを買えたわけではないのはバブル景気の時代でも変わりません。

そこで若輩故にあまりリッチではない、あるいは高級車は分不相応に感じて5ナンバー車の新車や中古車を買ったものの、今や税金を安くするため5ナンバー車にこだわる理由はなくなりました。

そこで彼・彼女たちがどうしたかといえば、5ナンバー車のフェンダーやタイヤアーチなどに分厚いモールを貼り付けたり、オーバーフェンダーを取り付けるなどして車体寸法を拡幅、車検証の記載事項変更による『マル改』化を経て、愛車を3ナンバー化したのです。

かくしてメーカー純正とはまた異なる『3ナンバー化ドレスアップ』が1990年代前半から中盤の平成初期には結構流行り、『安くても3ナンバー車』が街を走り回りました。最初にやったのが誰かはわかりませんが、本来ありえない車の3ナンバーを見た若者が「これはどうやったのか」とノウハウを聞いて、口コミで広まったのではないかと思われます。

やがて本物の小排気量3ナンバー車が登場、当たり前の存在へ

それでも1990年代は基本的に(純正という意味で)5ナンバー車は大衆車、3ナンバー車は高級車やプレミアムカーという棲み分けがあり、RVブームもあって5ナンバー車に樹脂製オーバーフェンダーなどを装着した5ナンバー車ベースRV仕様(今でいうクロスオーバーSUV仕様)も登場したくらい。

しかし2000年代に入る頃にはデザインの自由度が高い3ナンバー車のコンパクトカーが登場するようになり、トヨタのWill・VS(2001年発売)のように、『1.5リッターエンジンを搭載した3ナンバーのコンパクトカー』すら登場しました。

さらにその時期、自動車に求められる衝突安全性能が飛躍的に向上したこともあって、衝突事故などの際のクラッシャブルゾーンを前後だけでなく左右にも拡大、十分な車内空間を確保しつつ衝突安全性能を引き上げるためには、世界的に全幅拡大が必須となっていきます。

さらにバブル崩壊後も高度経済成長期の好景気は戻らなくなり、2008年に始まったリーマンショック世界恐慌や中国など新興国の台頭で経済大国の座を滑り落ちた日本の自動車市場は世界的に見れば『地方の小市場』へ落ち込んでしまい、2010年代には軽自動車とリッターカークラスを除くほとんどの車が国際基準に合わせた3ナンバーボディ化していきました。

2020年代は5ナンバー回帰が起こるかも?

ただ、2010年代が終わろうとする2019年5月現在、「どうも日本の駐車場にせよ道路にせよ、3ナンバー車ばかりというのはちょっと無理がないか?」という声が高まってきました。

日本国内で自社独自の3ナンバー車を販売していないのはダイハツくらいとなり、保守的な5ナンバーセダンはトヨタのプレミオ/アリオンのみ、カローラセダンすら次期モデルでは3ナンバーになるのではという段階まできて、「ちょっと待てよ」と思い始める人が増えてきたのかもしれません。

2010年代に入ってからの軽自動車ブームや、トールワゴンやミニバンでも5ナンバー車の売れ行きが好調、ハイブリッドカーでもアクアやノートのような5ナンバー車が常に販売上位にあって、どうやら3ナンバー車は最量販車種たりえないようです。

次期カローラは結局日本国内向けに5ナンバー枠に収まるフェンダーを準備し、それまで現行の5ナンバーカローラアクシオ/カローラフィールダーが継続販売されるという話もありますし、2020年代は日本で5ナンバー回帰が起きるかもしれません。

かつてドレスアップしてまで「3ナンバーはカッコイイ!」と言っていた日本人ですが、これからは「5ナンバーこそスマート(賢い)」という時代が到来するのでしょうか。