スーパーカー

複数業者からのしつこい営業電話がない、買取入札

  • メールアドレスだけの匿名登録なので個人情報が守れる
  • あなたの車に複数業者がおよその買取額を提示
  • 一番高い買取額を提示した業者だけに個人情報を送信

ポルシェ911や日産 R35GT-Rはスーパーカーなのか?

スカイラインGT-R

スーパーカーとは何ぞや?どのような車がスーパーカーなのか?という話になる時、価格や性能の面で「スーパー」と言えるのかどうか、微妙なライン上に立つ車があります。大抵そのような車は量販車に近い実用性を持っていたり、実用性は犠牲にしつつも価格を抑えたピュアなスポーツカーである事が多いのですが、前者で代表的なのが国産の日産GT-Rとドイツのポルシェ911です。これらはスポーツカーなのか、スーパーカーなのか?

スーパーカーにはなれなかった『スカイラインGT-R』

そもそも日産GT-Rという車のルーツは1960年代末に登場したスカイラインGT-R(第1世代)にあり、1.5~2リッタークラスの大衆向け4ドアセダン/2ドアハードトップだった『スカイライン』へ、プリンスが日産へ吸収合併される前から開発していたレーシングカー『R380』由来の高性能エンジンを搭載したものです。

プリンスでは第2回日本グランプリ(1964年)に当時のS50系スカイライン(2代目)のフロントを延長、グロリア用直6SOHCエンジンを搭載した『スカイラインGT(後のスカイラインGT-B)』で参戦するなど、大衆車の高性能エンジン搭載を得意としていました。

こうして生まれたPGC10(4ドア)/KPGC10(2ドア)スカイラインGT-Rは、マツダロータリー軍団のカペラロータリークーペに敗北するまで無敵の強さを誇り、かつて日本グランプリでポルシェ904と渡り合ったスカイラインGTともども、その名を伝説にします。

わずか197台のみ生産され、オイルショックや厳しい排ガス規制の影響でレースで活躍する場もスポーツカーとして販売する場も失った、幻のようなKPGC110スカイラインGT-R(2代目)を経て、伝説が復活するのは1989年。

BNR32スカイラインGT-Rに始まる第2世代GT-Rは2.6リッターDOHCツインターボの名機『RB26DETT』を引っさげ国内外のレースで無類の強さを発揮し、2002年に第2世代3代目のBNR34スカイラインGT-Rが生産終了するまで、やはり伝説的マシンとなりました。

しかし、日産の販売戦略上はスカイラインGT-Rの存在ゆえにGT-R以外のスカイラインが常に『格下』で影の薄い扱いとなったのも事実で、居住性が高くラグジュアリー性にもあふれた4ドアセダンを販売したい販売現場にとって頭の痛い存在でもあります。

さらに第2世代2代目のBCNR33スカイラインGT-Rは1995および1996年のル・マン24時間レースに参戦するも、「コースとピットを隔てる壁より天井が高いのはウチの車(スカイラインGT-R)だけ」という状況で、しょせん市販大衆車ベースのスポーツカーではスーパーカー軍団へ歯が立たないと嘆かれたのです。

チューニングベースとしての素材は最高と世界中で評価されていただけに、スカイラインGT-Rが2002年に廃止された時のファンカラ起きた悲鳴は相当なものでしたが、いずれにせよ日産としてはレースでも販売面でも足を引っ張る存在でしかなかったスカイラインGT-Rをこれ以上続けることはできませんでした。

いかに伝説的存在とはいえ、スカイラインGT-Rとはしょせん『市販車ベースのツーリングカー最強』にすぎず、決してスーパーカーにはなれなかったのです。

777万円から始まった日産GT-R

そこで日産ではスカイラインを北米など海外で展開する高級車ブランド『インフィニティ』用の高級スペシャリティセダン/クーペとして、GT-Rは国際的に通用するスーパースポーツとして分離する事を決定、2000年に始まった開発はモーターショーへのコンセプトカー展示(2001年)を経て2004年から本格化、2007年に日産R35『GT-R』として発売されました。

発売当時の価格はベースグレードで777万円、装備を充実させた『プレミアムエディション』ですら834万7,500円と、今にして思えば超バーゲンプライス。

2005年12月で販売を終えた国産市販スーパーカー第1号、初代ホンダNSXの最末期価格が987万7,350~1,255万4,850円だったのを考えれば、スーパーカーというより市販高性能スポーツカーの頂点というべき価格です。

それでいてスカイラインとは全く異なるプラットフォームにトランスアクスル採用の4WDメカニズム、専用エンジンの3.8リッターV6ツインターボ『VR38DETT』を搭載し、480馬力を誇りましたから、スカイラインGT-R時代とは次元の異なる超ド級マシンでした。

エンジンスペックこそやや物足りなく感じるものの、GT-Rの真骨頂は高度に統合電子制御化されたエンジン/ミッション/サスペンションなどや強力なブレーキなどによるトータルスペック。

高価な素材を多用してひたすら軽量に、豪勢に、高価にと作るスーパーカーとは異なり、あえて車重を重くすることで停止/低速域からの加速やコーナリング中などでも十分なトラクションを稼いだのです。

これにより、1,000馬力前後のハイパワーと空力パーツの数々で400km/hに達する最高速を稼ぐスーパーカーとは違うベクトルで、空力パーツでダウンフォースを稼げない領域が多い0-100km/hや0-200km/h、0-400m加速などの加速性能では市販車世界最速レベルに達します。

さらに手作業に近い生産体制やどの日産ディーラーでも購入できるわけではないプレミアム性などは、いかに価格が安かろうともスーパーカーと呼べる体制にあり、『実戦向きのスーパーカー』として、国産スーパーカーの1台に含まれる事も多くなりました。

陳腐化を指摘されつつ、今や1,000万円オーバーとなったGT-R

ただし、GT-Rがスポーツに徹しきらなかった部分としては、4人乗車(実質2+2シート)や実用上十分な容量の独立トランクを持つフロントエンジン車だったことで、価格まで超ド級というわけでもなかった事もあり、『2ドアという面を除けば買い物からサーキットまでこなせるスーパースポーツ』というキャラクターはスカイラインGT-Rと変わりません。

デビューから12年以上たつ間にラグジュアリー仕様やさらにスポーツ性を極めたGT-Rニスモも追加、出力も通常版で570馬力、GT-Rニスモで600馬力に達して堂々たる性能を手に入れ、2019年2月現在の価格は1,023万840~1,870万200円と、『安いスーパーカー』ではなくなりました。

ただ、12年以上もフルモデルチェンジなしで作り続けたのはさすがに長過ぎで、世のスーパーカーが日々進化していく中でもまだ一線級の戦闘力を維持しているのは大したものですが、次期GT-Rの公道テストカーすら目撃されていないようでは、まだ数年モデルチェンジしないのは確実です。

次期R36GT-Rのスペック予想やデザイン予想CGは多数出回っていますが、まだまだ次期型がどうなるのか、果たしてあるのかさえもわかりません。

『孤高のスーパースポーツ』ポルシェ911は、1970年代スーパーカーブームでも人気

世界的に日産GT-Rのライバルとされており、ブランドイメージを維持するため特に『911ターボ』の価格は常にGT-Rより高価に設定されていると言われる、ポルシェ911。

かつて北米で日産GT-Rニスモの価格が一時期911ターボを上回った際、価格改定でGT-Rより高価に設定するなど販売戦略の面でポルシェもGT-Rを明確に意識しているのは確かです。

フロントにV型6気筒エンジン搭載のGT-R、リアに水平対向6気筒エンジン搭載の911ターボという違いはあるものの、現在では両者とも3.8ツインターボ/フルタイム4WD/DCT(デュアルクラッチミッション・GT-Rは6速で911ターボは7速)/2+2シートで定員4名という共通点を持ちます。

そもそもポルシェ911は1964年に発売された901型を初代とする伝統のドイツ製スポーツカーで、第2次世界大戦後に発売されたポルシェ356の後継車。

356も2+2シートで定員4名のスポーツカーだったのを911でも代々受け継いでおり、いわば356の車内スペースを広げて補助的だった後席に実用性を持たせ、大きく重くなった分リアの水平対向エンジンを4気筒から6気筒化したモデルで、当初から実用性を強く意識したスポーツカーでした。

高価ゆえにエントリーモデルとして356同様の4気筒エンジンを積む912、そのエンジンをミッドシップに積んだ新型の914、フロントエンジンに直列4気筒エンジンを積んだ924などが作られたほどでしたから、ポルシェのフラッグシップスポーツだったのは間違いありません。

しかしスーパーカーの一角として本格的に脚光を浴びたのは、当初『930ターボ』と呼ばれた2代目930型のターボモデル(1974年発売)から。

1970年代後半に日本で起きた『スーパーカーブーム』では、フェラーリやランボルギーニのようなV12エンジン搭載車こそなかった代わり、当時まだ珍しかったターボエンジンを搭載する『硬派なスーパーカー』として人気になりました(国産ターボ車第1号の日産セドリックターボが発売されるのは1979年)。

国産車の高価格化で、スーパーカーのとしての立場が微妙になってきた911

スーパーカーブーム以降もドイツ製スーパーカーとして、さらにレースでの活躍も、日本車勢がル・マン24時間レースなどで勝とうとすると鉄壁として立ちはだかりサッパリ勝てない強敵として『ポルシェ』の名が広まった事から、911はすっかり日本で定着します。

価格の方も1990年代はじめ、国産スーパーカー第1号のホンダNSXが800万3,000~860万3,000円だった時期、ポルシェ911は1,035万~1,650万ほどの価格でしたから、価格も性能も文句なくスーパーカーでした。

ただ、その頃から円高ドル安が進行して輸入車の価格上昇が抑えられる一方、国産車は国際的に通用する品質向上、ハイテク装備、衝突安全や予防安全性能の強化といった商品性が強化され、バブル崩壊後の景気低迷で賃金低下、物価も低下とデフレ時代でも国産車は高価格化が進みます。

その結果、かつての国産車なら『目が飛び出るほどの高級高性能車』だった500~1,000万円程度の価格は国産車でもちょっと立派な車ならば当たり前の価格になってしまい、『GT-Rの777万円ですら安い』という状態へ。

さらに国産車メーカーのスーパーカーでもレクサスLFA(2010年)が3,750万円、2代目ホンダNSX(2017年)が2,370万円と、フェラーリやランボルギーニと遜色ない価格で登場し、価格だけ見ると自然吸気版で1,244万円から、ターボでも2,267万円から購入できるポルシェ911は『何かスーパーカーにしては安いな?』と思われるようになりました。

さらにはカイエンやマカンといったSUV、ケイマンやボクスターといったエントリースポーツが登場したことで、スーパーカーブランドとしての『ポルシェ』ブランドは大きく揺らいでいます。

さすがに日産GT-Rほどではないにせよ、『プレミアム性』に疑問が出てきているのが現在の『ポルシェ』ブランドで、今後はタイカンなどプレミアムEVスポーツで巻き返しを図りそうです。

日産GT-Rとポルシェ911はスーパーカーか?

ではここまでの話をまとめて、『日産GT-Rとポルシェ911は、もはやスーパーカーではないのか?』といえば、そう単純な話ではありません。

いわゆる『記録挑戦』的な最高速チャレンジやサーキット周回タイムアタックでは他のスーパーカー、あるいは数億円レベルのハイパーカーに劣るところもあるとはいえ、実用的な、つまり無改造なショールームスペックでの公道性能や改造範囲の制限されたレースでの戦闘力は、まさにスーパーカーと呼ぶにふさわしいものを持っています。

いわばこの2台は、手作りなので生産数が少ない、高級素材をふんだんに使っている、ツインターボどころかクワッドターボすら珍しくない贅沢な専用エンジンを使っているといったスーパーカーとは、また違った価値観を持つ車です。

本気の走りをして競いたい人向けの『実戦向きでスーパーカー』、その代表が日産GT-Rとポルシェ911である、それでいいのではないでしょうか?