トラック重機

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トラックの運用効率化を担う人手不足解消の切り札、人工知能による物流管理

かつてはSFの世界で定番ネタとして、現在は自動運転技術やロボット技術などでよく話題に上るAI(人工知能)ですが、物流の世界でも無縁ではありません。自動運転/運転支援はもちろんのこと、物流管理にAIを投入して効率化を図ろうという試みが、大企業のみならず既に中小企業でも始まりそうな気配ですが、意外なところへ課題もあるようで?

末端へ行くほど重い負荷がかかる現在の物流

1945年に戦争で大敗北を喫してからずっと、日本を復興し発展させ、恐ろしい不況にあいつつも日本という国を維持してきた大きな力が「物流」です。

もともと戦争に負けたのも、戦力や国力がどうこうというよりもっと単純にいえば「物流が壊滅して前線にも日本本土にも必要なものが必要な時に届けられなくなったから」だといっても過言ではありませんでしたから、戦後の物流業界の努力たるやハンパではありませんでした。

陸海空のあらゆる手段を駆使して発達した物流の中でも群を抜いて発展したのが、日本各地へ建設された道路網とモータリゼーションによる「国民みんなが運転免許を持つ時代」でフル回転するようになったトラックによるもので、1960年代の高度経済成長期に東名阪(東京・名古屋・大阪)の幹線道路や高速道路を走る物流トラックはまさに花形的存在だったのです。

その勢いで1970年代にはヤマト運輸の宅急便をはじめとする「宅配便」が登場、物流網の毛細血管はついに個人にまで達し、国民ひとりひとりが直接に恩恵を受けるようになりました。

そのまま経済が成長し、第1次(1940年代後半から1950年代)・第2次(1960年代後半から1970年代)に数多く生まれたベビーブーマー世代による余剰労働力を物流が吸収できていたうちはよかったのですが、1990年代のバブル崩壊による大不況と、それによって経済的に結婚や出産・育児が困難となって第3次ベビーブーマーが到来しなかったことが、日本と物流を大きく変えていきます。

簡単にいえば、「不景気で大口貨物は減る一方、個人は家族とならないまま散りぢりとなって物流末端への小口貨物ばかりが増え、給与は増えないのに仕事が増えて、安くたくさん働ける若年労働者層が激減」と、マイナス要因が絡まって身動きならぬ状況に陥ってしまったのです。

さらに2000年代以降はインターネットを介した通販業界が急成長、「末端小口貨物需要の拡大」に拍車をかけるとともに、消費者の要望に応え続けることで成長を続けた通販サービスは「再配達需要の増加で貨物が滞留」してしまい、2010年代半ばにはついにパンク状態となりました。

そこでようやく物流業界側も音を上げ、「もうアカンです!むやみな配達受付はやめますし、配達料も上げます!」となりましたが、2019年7月現在でも物流末端へいくほど人手不足で負担増という構図は変わっていません。

「神の視点と無数の手」を持つAIは、物流を救えるか

物流業界がついにパンクした2010年代半ば、注目されるようになってきたのがAI(人工知能)で、導入を求める大企業やベンチャー含め開発を始めた企業がいくつか立ち上がり始めました。

単純に物流のパンクをどうにかするだけなら、「とにかく人員を投入してローラー作戦でどうにかしてしまう」という手もありますが、第3次ベビーブーマーの不発で少子高齢化傾向が悪化、若年労働者不在の中では投入する効率的な人員がいませんし、むやみにサービス残業を拡大させても「働き方改革」が叫ばれる現在、社会から抹殺されてしまいます。

では、「とにかく便利に、いつでもどこでも都合のいいように荷物を受け取れて、しかも価格はゼロに近いほど安く!」とワガママばかりな消費者の声に対し、「言うだけタダだから聞く価値なし!」と断じて背を向けるかといえば、そればかりでもヘタすれば仕事がなくなってしまうというもの。

では何が最良かといえば、「届け先という需要に対し、トラックなど供給できる輸送手段を可能な限り効率化」するしかありません。

具体的には、出発する時には荷物が満載でも帰りに空荷でスカスカなトラックをなくしたり、配達量がパンク状態の地域があれば、他の要員の配達ルートを臨機応変に変えてでも対応するなど、限られた人員機材を無駄にしないこと。

もちろんそんなことは従来から行われてきたことですが、熟練した人間による「勘ピュータ」頼りだったのを、より高い視点から広く大きく全体を瞬時に見渡し、無数の作業を瞬時にこなし、しかも疲労知らずなAIによる「コンピュータ」頼りにしてしまおう、というものです。

確かに熟練労働者の勘や経験に裏打ちされた采配はコンピュータをしのぐかもしれませんが、人間である以上は疲労がつきまといますし、そもそも熟練労働者不足が今後一層激しくなるのがわかりきっていて、いつまでも人間のマンパワー頼りではいけません。

ならばネットワークでつながったAIによるディープラーニング(深層学習)によって、早くからAIを習熟させ、人間もそれに慣れていこうという動きは、大企業のみならず中小企業でも考えられ始めています。

実はそこまで便利じゃない?理想と現実のギャップが課題

しかし、AIが登場すれば物流業界のお悩みは一発解決!となるほど、コトは簡単ではありません。まずAI導入で考えられそうな問題といえば「人間の仕事がAIに奪われてしまう可能性」だと思います。

少子高齢化による労働者不足でいずれ解消されるとはいえ、第2次ベビーブーマー世代がほぼ現役をリタイヤする30年後(あるいは年金や社会情勢によっては35年後かも)まではそれなりに仕事量がないと失業者増加という負の問題があるのは確か。そこでAIに仕事をとられてはたまったものではない…かといえば、さにあらず。

実は現在の技術で実用化できるレベルのAIでは、入力されたさまざまな情報を収集し、分析し、時には人間が介入して補正するためネットワークに接続された「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれるタイプまで。

つまりある程度経験を積んだ人間が、それに裏打ちされた自己判断のできる大人になっていくように、AIもまずは経験や勉強(情報の蓄積)、人間の指導を経て大人になっていかなければなりません。

人間と違って、機械が壊れない限り忘れることだけはありませんが、「何を言っているのかよく聞き取れない」「何かボンヤリしていて見た目で判別できない」程度のことは日常茶飯事で、人間が都度手動で入力してやったり、機械が読み取りやすいように工夫が必要です。

具体的に物流現場の話でいえば、貨物を載せるべきトラックが足りないある物流拠点の近くを空荷のトラックが通りかかったとします。

AIがそれを呼び止めるのは簡単ですが、そのトラックがどのような重量と大きさの貨物をどれくらい積めるのか、載せてほしい貨物のサイズや重量、個数、さらに常温でいいのか冷蔵か、積み重ねていいのかダメなのか、精密部品かそうでないのか、そのような情報が全て揃っていないと、果たして本当にそのトラックを呼んでいいのか判断つかないのが現在のAIです。

仮にナビ画面などで一時的にドライバーを呼び出し、必要な情報を入力してもらってもよいかといえば、運転中にそのような操作は違法ですから事前にトラックの情報を誰かが入力しておかなければならず、完全に空荷ではないなら残りはどのくらい載るのか、時間的余裕があるのかも情報が必要となります。

載せる貨物の方も同様で、バーコードやQRコードへ情報をまとめるにせよ、誰かが入力して貼らなくてはいけませんし、AIの判断材料になるのでミスは許されませんが、そこまで細かい分別は今の物流業界でなされておらず、全国(あるいは全世界)で1つの貨物、1つの輸送手段を物流効率化に役立つレベルまで把握できるようなネットワークも存在しません。

つまり、「AIで人手不足を解消するため、さらに人手が必要な仕事を増やさなければならない」という、理不尽な要求が生じてしまうため、どの企業も必要性は認めつつ、なかなかAIの導入まで手をつけられないというのが実情のようです。

もっとも、自動運転などもそのために必要な3D詳細地図を膨大なマンパワーを投じて作ってようやく、というのが実情ですから、「無人化のため多数の人間が求められる」という課題はAIに共通しているといえます。

それでも少しずつ、世界は変わっていく

このように「一夜にして道は開ける」というほど便利ではないAIですが、将来に向けて学習させるためもあってか、やれる分野から少しずつ導入が進んでいます。

たとえばコンビニやスーパーなど小売店へパンやオニギリ、弁当などを配達するなら、決まった大きさのトラックに、中へ荷物の入った決まった大きさのコンテナやパレットを積むだけですから、コンテナやパレットごとの重量管理も可能。

交通情報と合わせ、何台のトラックを準備して、どのようなルートと順序で配達していけばいいかというルート配送ならば、現在のAIでもかなりの判断が。

さらに、AIの導入まで結びつかなかったとしても、「こうすれば予算をかけてAIを導入せずとも効率化を果たせるのではないか?」と、結果的には業務改善のキッカケとなる事例もあるようで、AIは少しずつ世界を変えていっています。

皆さんの中にも現状でまだAIの導入を迷っている、予算の都合で今すぐではないけども将来的には対応しなければ、と考えている経営者や管理部門の方がいれば、何かを変えるための方便になっても構いませんから、AIを視野に入れた改革、検討してみてはいかがでしょうか?