トラック重機

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トラックでも硬派なMTは過去の話!各社のトラック用セミAT

皆さんが想像するトラックのミッションといえばマニュアル、それもヘタするとダブルクラッチが必要になるような硬派なミッションかもしれません。しかしそんな時代も今や昔、大型トラックでさえも発進時以外はクラッチを使わないセミATの時代になっています。フィンガーシフトなど乗用車とはちょっと違うトラック用セミAT、どんなものがあるのでしょうか?

古くは1970年代から登場しはじめた商用車用AT

トラックやバス用のトランスミッション(変速機)といえば今でもゴツゴツした太いレバーの伸びるMT(マニュアルトランスミッション)をたくましい腕で操作する世界というイメージがあります。

しかしバスはおろかトラック・ダンプカー運転手という職業に女性が進出してからずいぶんたった今ではすっかり過去の話で、2020年代に入ろうかという現在、むしろ新車でMT車などトラックでさえ探さねばそうそうあるものではありません。

とはいえ国産トラックの類でもっとも早くAT(オートマチックトランスミッション)が装備されたのはおそらく1972年、2代目トヨタ・ハイラックスに設定されたレジャー向けグレード「ハイウェイ」が設定された時。

小型ボンネット・トラック、あるいはピックアップトラックといった乗用車ライクに使える後のRV(レクリエーショナル・ビークル)的な車のためATが設定されるようになりましたが、そうしたレジャー用途の無いガチガチの商用車、あるいは貨物車にATが載るのはもう少し後の話になります。

1980年代から搭載されるようになった、後に「フィンガーシフト」などと呼ばれて大別される空気圧作動式のAMT(オートメイテッドマニュアルトランスミッション)、またはセミMTがそれ。

一般的な乗用車用と同じトルクコンバーター式のフルATもあるにはありましたが、経済性や瞬発力、積載時(あるいはフル乗車時)に求められる代トルクへ対応するには、トルコンスリップによる緩慢な動きや燃費の悪さは致命的です。

しかし渋滞の多い日本ではどんな車であれAT車が主流になっていくのは必死でしたし、低床化やノンステップ化が進んでいたため、リアエンジンのそばにあるミッションまでシフトリンケージを引き回す余裕の無いバスなど、物理的に運転手とミッションを直結しなくていいメカニズムが必要でした。

そこでとりあえず実用化されたのが、クラッチペダルやシフトレバーの操作を電気信号に変えてミッションへ送っての、クラッチ操作や変速操作の自動化です。

この方式ではクラッチペダルが無くなるわけでもなく、初期には変速時にエンジン回転数を合わせる必要があるなどMT車同様の操作を求められるため、運転を楽にするという意味での効果はさほどありません。

それでもバスは車両開発時のレイアウトに高い自由度を持たせられましたし、トラックでもAT時代へ対応するため、3代目の日野・レンジャー(EEドライブ・1986年)など一部設定が始まりました。

初期の電子制御セミAT、いすゞNAVi-5/NAVi-6

1980年代半ば、乗用車用AT開発で立ち遅れていたいすゞ自動車が従来型のMTをクラッチ操作も変速操作も自動化した国産初の電子制御5速セミAT「NAVi-5」を開発、小型セダンのアスカへ搭載。

同社の乗用車事業が振るわなかったことや、SUVなど縦置きエンジンFR・4WDへの転用が効かなかったため乗用車用セミATとしては大成しませんでしたが、当時AT化が求められていたトラックやバス用セミATとして開発続行されます。

1986年NAVi-5を小型トラックの4代目エルフへ、6速化したNAVi-6を大型の810や中型のフォワードへ搭載したことで、ついにトラックの世界へも電子制御ATの時代が到来。

以降、いすゞはNAVi-5/NAVi-6を「デュアルモードMT」を経て「スムーサー」へと進化させ、各社も同じような電子制御セミATを投入していきました。

とはいえ走行中はクラッチ操作が必要なタイプの電子制御セミATが各社出揃ったのは1990年代も半ばに入ってからで、それ以前は単にドライバーの操作をミッションに直接ではなく電気信号で伝えるだけの機械式セミATだったことから、まだコンピューターによる制御技術が未熟だったとはいえ、いすゞがいかに先進的だったかがわかります。

停車時クラッチ操作型から、クラッチ操作不要型へ

1990年代後半から、日産ディーゼル(現・UDトラックス)「ESCOT」(1995年)、三菱ふそうトラック・バス「INOMAT」、いすゞ「デュアルモードMT」(1998年)、日野「Pro Shift」(2000年)と、立て続けに電子制御式セミATが市販車へ組み込まれていきました。

これら初期の電子制御セミATはNAVi-5/NAVi-6ですでに経験あるいすゞを除き、すべて停止状態だとクラッチ操作を要するのが特徴で、いすゞのデュアルモードMTだけは停止時からのクラッチレス操作は可能だったものの、やはりクラッチペダルは残されています。

それはなぜかといえば、まだこの時代のセミAT用電子制御など技術的に未熟な代物だったため、バックで荷下ろし・積み込みを行うトラックヤードへギリギリにつけねばならない時など、微妙な操作を行うには少々無理がありました。

そのため微妙な操作を求められる際は半クラッチが使えるMT車として使える方が便利で安全とされたため、クラッチペダルとMTモードは残されたのです。

とはいえ3ペダルセミAT全盛期は比較的短期間で終わり、2000年代半ばには各社とも2ペダル式セミATが登場、2010年代には乗用車のようなDCT(デュアルクラッチトランスミッション)や、DCTへさらにモーターを仕込んだハイブリッド車すら登場しています。

ただしそれはあくまで近年登場した新型車の話で、2020年代に入ろうとする現在でも機械式セミATのフィンガーシフト搭載バス・トラックは数多く走っているのが現状です。

それら機械式ATでは回転数を合わせず無理に変速しようとしてもギアが入らないため(車の方でエンジン回転数を調節してくれるほど自動化されていない)、下り坂でニュートラルになったままエンジンブレーキや排気ブレーキもかけられず暴走事故の原因になるなど、不馴れなドライバーによる問題が時おり見られます。

現在のトラック用セミAT

以下に、現行のトラックに搭載される主なセミATを紹介します。

UDトラックス「ESCOT」シリーズ

まだ日産ディーゼル工業時代の1995年、大型トラック「ビッグサム」用に開発されたESCOT-II(Iはハイデッカーバスのスペースウイング用)をはじめに採用されたUDトラックスのセミAT。
2003年に登場したESCOT-AT IVからクラッチレス発進が可能となり、2010年登場のESCOT-Vから完全クラッチレスの2ペダルセミATとなりました。
基本的には2010年以降の親会社、ボルボの「iシフト」をベースとした7速、または副変速機を介し6速をハイ・ロー切り替えする12速ミッションで、国内販売している唯一の自社製大型トラック「クオン」に搭載されているのは、最新版のESCOT-VI。
シフトパターンがH式からストレート式へ変更されるとともに、GPS連動の道路状況先読み機能や、勾配連動式の車速・エンジン回転・補助ブレーキ自動制御機能によってドライバー負担を低減しているのが特徴です。

三菱ふそうトラック・バス「Shiftpilot」

INOMAT-I/INOMAT-IIに続いて登場した三菱ふそうトラック・バスの第3世代セミATで、12速の2ペダル式セミAT。
ステアリングコラムに設置した「マルチファンクションレバー」で自動、手動およびシフト操作を可能にしており、前方車への追従や自動停止、自動発進にも対応していて、快適性の高さを売りとしています。
同社の大型トラック「スーパーグレート」へ搭載されており、このShiftpirotか通常のMTどちらかを選択可能です。

三菱ふそうトラック・バス「INOMAT-II」

Shiftpirot登場以前の三菱ふそうトラック・バス主力セミATでかつてはスーパーグレートやキャンターにも搭載されていましたが、現在も中型の「ファイター」へ搭載中の6速セミATです。
先代のINOMATでは停止時からの操作にクラッチ操作が求められていましたがINOMAT-IIでは不要になり、通常運航時の快適性が格段に上がっています。

三菱ふそうトラック・バス「デュオニック」

かつてINOMAT-IIを搭載していた小型トラック「キャンター」シリーズは現在、小型トラックでは世界初のDCT「デュオニック」を搭載中。
乗用車で採用されているものと同じようなデュアルクラッチ式で、変速前から次のギアが待機していてクラッチを切り替えるだけで変速するため、変速ショックが少ないのも特徴の6速セミATです。
また、ハイブリッド車の「キャンターエコハイブリッド」では、デュオニックのメカニズム内へモーターを仕込んだ、ハイブリッド版デュオニックを採用しています。

日野「Pro Shift」

小型トラック「デュトロハイブリッド」には5速または6速、中型の「レンジャー」には7速、大型のプロフィアには12速が搭載される日野自動車のトラック・バス用セミAT。
もともとはコラムレバー式でしたが、現在はダイヤル式のシフトセレクターをインパネに装備しており、コラムスイッチとの併用でどちらでも操作を可能にしています。
なお、日野では通常のMT車を設定しているほか、デュトロではこれも通常のトルコン式6速ATです。

いすゞ「スムーサーEx / Fx / Gx」

NAVI-5以来の伝統を誇るいすゞもセミATは磐石のラインナップで、小型トラック「エルフ」用の5速または6速ミッション「スムーサーEx」、中型トラック「フォワード」用の6速ミッション「スムーサーFx」、大型トラック「ギガ」用の12速ミッション「スムーサーGx」が存在します。
トラックの大きさごとにE~Gと設定されているためわかりやすく、内容的には大きさや段数を除けば変わらないようですが、ギア用のGxのみクラッチペダルも備え、半クラッチを使った細かい操作を可能にしているのが特徴です。

セミATとMTどちらがよいのか?

クラッチペダルを持つ車種もあるとはいえ細かい作業をするならMT車に部がある時もありますが、それでも日野・プロフィアのように大型トラックでありながらAT比率が7割を超える車種もあるそうです。
短距離かつ狭いところを走るならMT、それ以外はもはや全てセミATでも良い状況ですが、まだまだ新しい技術のため中古市場ではMTも購入可能で、MT派にも安心といったところでしょうか。