スズキ

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スズキ キャリイ スズキ伝統の軽トラックにして、キャリイ4兄弟の長男

この記事の目次

1961年から代を重ねて作り続けられている日本車の古株、スズキ・キャリイ。今や日本で3種類しか作られていない軽トラックの貴重な1台ですが、日産、三菱、マツダにもOEM供給されて同型車がもっとも多い車でもあり、さまざまなメーカーのエンブレムをつけて日本全国を走り回っています。

各代の概要や時代背景

総合解説:2020年代以降も販売されていく、数少ない独自生産の軽トラック

スズキ・キャリイが初代「スズライト・キャリイ」として発売された1961年は、軽自動車が現在のような形になり始めていた時期でした。

1949年に軽自動車規格が策定された初期、どちらかといえば二輪車向けの規格で現在のように四輪車でも数多くの車が開発されるようなものではありませんでしたが、数年とたたず段階的に排気量や車体寸法が拡大されていった結果、1950年代前半にはいくつかの実験的な軽四輪自動車が登場。

そのほとんどは理想こそ高かったものの量販向きではなく、また戦後復興期の日本国民が乗用車を乗り回せるほど裕福ではなかった時代でもあったため、1958年にスバル360が軽四輪乗用車として初めての成功を収めるまでは、主に軽商用車の時代となります。

その時期にまず成功したのは1957年に発売されたダイハツ・ミゼットなど軽オート三輪トラックでしたが、ダイハツやマツダ、三菱、さらにコニー(愛知機械工業)、くろがね(東急くろがね工業)などは先を見越し、軽トラックや軽1BOX車など軽四輪商用車へ積極的に参入する動きをしていました。

そんな中、1955年にスズライトで軽四輪自動車市場へ参入していたスズキは、当初スズライトに乗用セダンと商用ライトバンやピックアップをラインナップしていたものの、税制上有利で需要もある商用ライトバンモデルへ集約、続いて本格的な商用モデルとしてスズライト・キャリイを発売します。

当初はオーソドックスなボンネットトラックだったスズライト・キャリイでしたが(バンは1964年に追加)、車体最前部に配置されたキャビンの座席下ヘエンジンを配置したフルキャブオーバータイプが軽トラックの主力となると3代目以降はフルキャブスタイルへ変化。車名も「キャリイ」と改めて再出発しました。

それ以降、代を重ねていく間にライバルが次々に脱落してもキャリイは生き残り、また途中から1BOXタイプを「エブリイ」として独立させるなど変化を受けつつ販売は続けられ、今やダイハツ・ハイゼットトラックおよびホンダ・アクティトラックとともに、数少ない独自生産の軽トラックとなっています。

また、独自の軽トラック生産をやめたマツダや三菱、三菱から供給を受けていた日産へもマツダ・スクラムトラック、三菱・ミニキャブトラック、日産・NT100クリッパートラックとしてOEM供給され、今や1BOXタイプのエブリイ(商用)/エブリイワゴン(乗用)とともに、国産車では珍しいメーカーの枠を超えた4兄弟車です。

残るホンダも数年内にアクティ・トラックの生産終了を明言したため、キャリイはダイハツ・ハイゼットトラックとともに今後も数少ない独自生産軽トラックとして存続していきます。

突貫製作ながらシンプル・イズ・ベストと高出力で成功した初代FB(1961-1965)

初代キャリイは1961年10月、「スズライト・キャリイ」の車名で発売。軽オート三輪へ代わる次世代の軽貨物車として売れ行きが急速に拡大していた軽トラック市場へ参入するため突貫作業で設計と生産体制が整えられた結果、構造的に最も無難で間違いのない、ラダーフレームにリーフスプリングと固定車軸の前後リジッドサスペンションを組み合わせた、FRボンネットトラックという構成になりました。

ただしエンジンはスズライト用とは異なり、オートバイ用の単気筒エンジンを2気筒化した新型のFB型空冷2気筒2ストロークエンジンを開発、ボンネットの下ではなく座席の下へ配置するセミキャブオーバースタイルを採用(同時期のコニー360などと同じスタイル)。

最高出力21馬力はライバルよりも強力でトルクフルなことから登坂能力などにも優れており、それでいて30万円弱の低価格だったことから軽トラック参入第1号としては成功を収め、当時まだまだ市場で生き残るための競争が熾烈だった軽自動車業界でスズキが消えずに残るための翁足がかりとなりました。

1964年9月には最大4人乗りのライトバン仕様「キャリイ・バン」も追加、現在の視点から見ると簡素、さらにタイヤも車体に比べて大きな12インチと過渡期の作りながら、トラックともどもシンプルかつ頑丈で好評を得ています。

代表スペックと中古車相場

スズキ FB スズライト キャリイ360 1964年式
全長×全幅×全高(mm):2,990×1,295×1,550
ホイールベース(mm):1,850
車重(kg):490
エンジン:FB 空冷直列2気筒2サイクル
排気量:359cc
最高出力:16kw(21ps)/5,500rpm(※グロス値)
最大トルク:20N・m(2.0kgm)/3,700rpm(※同上)
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:MR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F・R)リーフリジッド
中古車相場:皆無(2019年12月現在)

初代フロンテと似たフロントマスクの2代目L20(1965-1969)

1965年6月にはフルモデルチェンジで2代目L20型が登場(バンは1966年1月にモデルチェンジ)、基本的な構造やエンジンは変わりなかったものの最大トルクは高められ、タイヤも当時としては近代的な10インチタイヤへ変更されています。

既にスズライトに代わる軽乗用車および軽ボンネットバンとして初代スズライト・フロンテが登場していたため、スズライト・キャリイも似たイメージのフロントマスクへ変更。FFのフロンテに対しFRだったキャリイですが、販売政策上も乗用車へ似たデザインとするのが当時のボンネットトラックの流行でした。

代表スペックと中古車相場

スズキ L20 スズライト キャリイ 1965年式
全長×全幅×全高(mm):2,990×1,290×1,540
ホイールベース(mm):1,870
車重(kg):-
エンジン:FB 空冷直列2気筒2サイクル
排気量:359cc
最高出力:16kw(21ps)/5,000rpm(※グロス値)
最大トルク:30N・m(3.1kgm)/4,000rpm(※同上)
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:MR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F) ダブルウィッシュボーン・(R)リーフリジッド
中古車相場:皆無(2019年12月現在)

フルキャブオーバースタイルで時代の流れに乗った3代目L30(1966-1969)

車名から「スズライト」が取れ、単に「キャリイ」となった3代目は1966年3月に登場。
2代目の発売からわずか9ヶ月後の登場ですが、当時既にライバルは座席をボディ最前部に配置したフルキャブオーバースタイルが主流になっていたため、キャリイもその流れに従ってフルキャブ版を登場させた形です。

くろがね・ベビー(1960年)や初代スバル・サンバー(1961年)、2代目ダイハツ・ハイゼット(1964年)、コニー・360ワイド(1965年)に比べれば後発ですが、初代三菱・ミニキャブ(1966年5月)やホンダ・TN360(1967年)、マツダ・ポーターキャブ(1969年)よりは早く登場して時代に適応、ハイゼット同様に2代目と併売されていました。

代表スペックと中古車相場

スズキ L30 キャリイ 1966年式
全長×全幅×全高(mm):- × – × –
ホイールベース(mm):-
車重(kg):-
エンジン:FB 空冷直列2気筒2サイクル
排気量:359cc
最高出力:-kw(-ps)/-rpm(※グロス値)
最大トルク:-N・m(-kgm)/-rpm(※同上)
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F) ダブルウィッシュボーン・(R)リーフリジッド
中古車相場:皆無(2019年12月現在)

トラックは39年連続で販売No.1軽トラックとなった始まりの4代目L40(1969-1972)

本格的にフルキャブオーバー版のみとなって2代目/3代目からフルモデルチェンジした4代目キャリイは1969年7月に登場。イタリアの名カロッツェリアとして有名なジョルジェット・ジウジアーロが基本的なコンセプトを手掛けたデザインは当時はもちろん今見ても斬新なもので、後に発売されたフロンテクーペ(1971年)と対をなすようにスポーティでした。

しかし、バンモデルは前後ほぼ同デザインとした結果テールゲートが商用車としては異常に寝かせてあったため、積載性の悪さが致命的で市場からの評判は悪く、トラックの方はそのような影響はなかったものの、わずか2年10ヶ月という異常な早さでモデルチェンジされてしまい、非常に短命で終わったモデルです。

ただし、実用性はともかくデザインはその後も非常に高く評価され、旧車として非常に人気の高い1台であり、販売面でも悪影響の少なかったトラックは好評で、1971年には軽自動車・小型車・普通車を通じた小型トラックの年間販売No.1となり、2010年にダイハツ・ハイゼットトラックへ奪還されるまでその座を譲りませんでした。

代表スペックと中古車相場

スズキ L40 キャリイ 1969年式
全長×全幅×全高(mm):2,990×1,295×1,575
ホイールベース(mm):1,745
車重(kg):510
エンジン:FB 空冷直列2気筒2サイクル
排気量:359cc
最高出力:18kw(25ps)/6,000rpm(※グロス値)
最大トルク:33N・m(3.4kgm)/5,000rpm(※同上)
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F) ダブルウィッシュボーン・(R)リーフリジッド
中古車相場:皆無(2019年12月現在)

水冷エンジンなど大改良を受けた5代目L50(1972-1976) / ST10(1976)

5代目L50キャリイは前述のように4代目の酷評を受けて1972年5月、早々のモデルチェンジで登場。開発期間が短かったためか、4代目の基本的フォルムはそのままにネガティブ面を改善するような形で改良を受けたため、フロントグリル形状やヘッドライトのデザインなどは変わっているものの、バンモデルのテールゲートが立てられたのを除けば4代目の雰囲気が残っています。

ただしフロントドアから三角窓は廃止され、エンジンも空冷のFB型から当時必須となりかけていた水冷のL50型へ変更、シフトレバーもコラムシフトからフロアシフトへ変更され、バンモデルのサイドドアはヒンジドアからスライドドアになるなど大幅な変更も受け、現在のキャリイ/エブリイの原型といえるモデルです。

また、1976年1月に軽自動車規格が改訂されて最大排気量が550ccになったのを受け、1976年5月には2気筒360ccのL50型エンジンを3気筒539cc化したLJ50型エンジンを搭載する「キャリイ55」(ST10型)を発売。

改良点は前後バンパーの延長、ウィンドウォッシャーが電動式になるなど限定的で、360ccボディはほとんどそのままで550cc化したモデルですが、軽免許のみのユーザーに配慮して1981年まで販売を続けた4代目ダイハツ・ハイゼットとは異なり、わずか4ヶ月販売されたのみでモデルチェンジするという、非常に短命な車でした。

代表スペックと中古車相場

スズキ L50 キャリイ 1972年式
全長×全幅×全高(mm):2,990×1,295×-
ホイールベース(mm):1,745
車重(kg):-
エンジン:L50 水冷直列2気筒2サイクル
排気量:359cc
最高出力:21kw(28ps)/5,500rpm(※グロス値)
最大トルク:36N・m(3.7kgm)/5,000rpm(※同上)
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F) ダブルウィッシュボーン・(R)リーフリジッド
中古車相場:50万円(車両本体価格・2019年12月現在)

スズキ ST10 キャリイ55 1976年式
全長×全幅×全高(mm):3,035×1,295×-
ホイールベース(mm):1,745
車重(kg):510
エンジン:LJ50 水冷直列3気筒2サイクル
排気量:539cc
最高出力:19kw(26ps)/4,500rpm(※グロス値)
最大トルク:52N・m(5.3kgm)/3,000rpm(※同上)
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F) ダブルウィッシュボーン・(R)リーフリジッド
中古車相場:皆無(2019年12月現在)

初の550cc対応ワイドボディとなった6代目ST20(1976-1979)

1976年9月にフルモデルチェンジされた6代目キャリイはボディが100mm拡幅された本格的な550cc規格対応車でした。全体的な印象は5代目と似ているものの拡幅によって安定感が高まったデザインで、「キャリイWide」という愛称がつけられるだけでなく、フロントにもWの字が大きな赤文字で強調されたキャリイWideエンブレムが装着されています。

代表スペックと中古車相場

スズキ ST20 キャリイワイド 1976年式
全長×全幅×全高(mm):3,195×1,395×1,625
ホイールベース(mm):1,840
車重(kg):565
エンジン:LJ50 水冷直列3気筒2サイクル
排気量:539cc
最高出力:19kw(26ps)/4,500rpm(※グロス値)
最大トルク:52N・m(5.3kgm)/3,000rpm(※同上)
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F) – ・(R)リーフリジッド
中古車相場:ASK(応談・車両本体価格・2019年12月現在)

スズキ念願の4サイクルエンジンを搭載、7代目ST30/31/40/41(1979-1985)

7代目キャリイは1979年4月にトラックが、5月にバンが登場。初代以来長らくバン仕様は「キャリイバン」として販売されてきましたが、4代目ではキャンピングカー仕様が、5代目でも乗用車チックな装飾をほどこした「スーパーデラックス」が、6代目でも初期のRVブームに影響された「カスタム」など乗用用途に対応したモデルが登場しており、7代目途中の1982年11月にはそうした乗用用途の上級モデルが「エブリイ」として独立。

また、同時期にデビューした軽乗用車、5代目フロンテには4ストロークエンジン仕様が用意されていたものの、キャリイでは少し遅れて1980年10月にバンへ(ST40V型)、1981年7月にトラックへ(ST40型)4ストロークエンジン仕様が追加され、ボンネットバンのアルトともども2ストローク仕様と4ストローク仕様が最後まで併売されていました(キャリイバンの2ストローク車は1981年7月廃止)。

さらに1981年9月にはトラックへ、翌月にはキャリイバンへもパートタイム4WDが追加されています。

代表スペックと中古車相場

スズキ ST30 キャリイ 1979年式
全長×全幅×全高(mm):- × – × –
ホイールベース(mm):-
車重(kg):-
エンジン:LJ50 水冷直列3気筒2サイクル
排気量:539cc
最高出力:-kw(-ps)/-rpm(※グロス値)
最大トルク:-N・m(-kgm)/-rpm(※同上)
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F) – ・(R)リーフリジッド
中古車相場:15~38万円(車両本体価格・2019年12月現在)

660cc時代へまたいで販売された8代目DA71T/81T/41T/51T/DB71T/41T/51T(1985-1991)

8代目キャリイは1985年3月にモデルチェンジされて登場。1986年7月まで2サイクルエンジンが残されており、軽トラックでは最後の2サイクル搭載車となりました。

1990年3月には、同年1月の軽自動車規格改訂を受け660ccエンジン搭載車に変更されるマイナーチェンジを受けましたが、キャリイ55の時のようにフロントバンパーを延長するのみでキャビンは変わらず、基本的には8代目のまま規格変更を乗り切った形ですが、これは1BOX版のエブリイや軽乗用車のアルト、軽オフローダーのジムニーと同じで、スズキでは軽乗用車セルボだけが新規格以降へ伴い新型の「セルボ・モード」へと代わったのみです。

また、この代の途中(1989年5月)から、ポーターキャブの生産を終えたマツダへ「スクラム」としてOEM供給が開始されました。

代表スペックと中古車相場

スズキ DA41T キャリイ TA 1989年式
全長×全幅×全高(mm):3,195×1,395×1,705
ホイールベース(mm):1,840
車重(kg):590
エンジン:F5B 水冷直列3気筒SOHC6バルブ
排気量:547cc
最高出力:22kw(30ps)/5,500rpm
最大トルク:42N・m(4.3kgm)/4,000rpm
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)リーフリジッド
中古車相場:4~46万円(車両本体価格・2019年12月現在)

スズキ DA51T キャリイ TA 1990年式
全長×全幅×全高(mm):3,275×1,395×1,705
ホイールベース(mm):1,840
車重(kg):600
エンジン:F6A 水冷直列3気筒SOHC6バルブ
排気量:657cc
最高出力:28kw(38ps)/5,500rpm
最大トルク:52N・m(5.3kgm)/4,000rpm
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)リーフリジッド
中古車相場:4.9~30万円(車両本体価格・2019年12月現在)

旧規格キャリイの決定版、9代目DC51T/DD51T(1991-1999)

660cc時代になってから初のモデルチェンジを迎えた9代目キャリイは1991年9月に登場。
先代ではフロントバンパー延長のみでしたが、規格変更で生まれた全長100mmプラスの余裕を生かしてキャビンが大型化され、居住性が向上。

最廉価グレードの「KU」のみ丸目2灯、他は角目(異型)2灯ヘッドランプとなってフロントマスクは2種類となり、キャリイバンのみはエブリイともども荷台の後輪車軸直前へエンジンが搭載されるリアミッドシップ方式(キャリイのトラックは通常のFR)が採用されるなど、この代はやや複雑な車種構成となりました。

ただし、先々代からエブリイと併売されてきた「キャリイバン」は1993年11月に「エブリイ」へと統合され、ついにキャリイは軽トラック、エブリイは軽1BOX車と車名ごとに違う種類の車になっています。

1997年4月には、当時のレトロカーブームの影響でレトロ調フロントマスクとなった「キャリイC(クラシック)」も追加されました。

代表スペックと中古車相場

スズキ DC51T キャリイ TA 1991年式
全長×全幅×全高(mm):3,275×1,395×1,715
ホイールベース(mm):1,855
車重(kg):650
エンジン:F6A 水冷直列3気筒SOHC6バルブ
排気量:657cc
最高出力:31kw(42ps)/5,500rpm
最大トルク:57N・m(5.8kgm)/4,500rpm
燃費:-
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)リーフリジッド
中古車相場:4~110万円(車両本体価格・2019年12月現在)

新規格化で大苦戦!改良を繰り返した10代目DA52T/62T/63T/65T/DB52T(1999-2013)

1998年10月に再び軽自動車規格が改訂、現在まで続く660cc新規格となり、衝突安全性能が登録車(小型車や普通車)並の強化を求められたため全長100mm、全幅80mm拡大が可能となりましたが、特に前方衝突安全性能は全長の延長分だけではまかないきれなかったため、1999年1月にフルモデルチェンジした10代目キャリイでは短いフロントノーズを設けたセミキャブオーバースタイルへ変更されました。

その設計変更へ力を入れたためか、ターボ車や自然吸気仕様でも4WD車はエンジンがEPI(電子制御燃料噴射装置)化されましたが、自然吸気仕様2WD車のエンジンは排ガス規制が強化されるギリギリの1999年11月まで燃料供給がキャブレターのまま残っています。

さらに、セミキャブオーバー化の影響で荷台が短縮されたため軽トラックとしての使い勝手が悪化し、1999年11月のマイナーチェンジで荷台長をmとへ戻すためキャビンを短縮した結果、居住性が若干悪化。

さらに、キャビン前端へ前輪を配置したことでホイールベースが伸び、小回りが効かなくなったのも狭い農道で扱わなければならない農家などからは非常に不評で、2001年9月にはホイールのリム幅変更で最小回転半径を小さくするなど改良したものの根本的な解決にはならず、2005年11月にはフルキャブオーバースタイルで前輪を座席直下へ戻してショートホイールベース化、取り回し性を向上した主に農家向けのグレード「FC」を追加しました。

10代目キャリイはこのように新規格化への対応がうまくいかずに評価を大きく落とし、2010年以降は1971年以来39年連続で保持してきた軽トラック販売台数年間1位の座をライバルのダイハツ・ハイゼットトラックへ譲ることとなります。

それでも利益が薄く、年々市場規模が縮小していた軽トラックでは早急なモデルチェンジというわけにもいかず、10代目は細かい手直しを受けながら14年9ヶ月もの長期間販売されるロングライフモデルとなり、キャリイとしてはもっとも苦しい時期を過ごしました。

代表スペックと中古車相場

スズキ DA52T キャリイ TA 1999年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,790
ホイールベース(mm):2,350
車重(kg):670
エンジン:F6A 水冷直列3気筒SOHC6バルブ
排気量:657cc
最高出力:31kw(42ps)/5,500rpm
最大トルク:57N・m(5.8kgm)/3,000rpm
10・15モード燃費:16.2km/L
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)リーフリジッド
中古車相場:2.8~150万円(特装車除く・車両本体価格・2019年12月現在)

先代の反省で商品力が大幅に向上、販売首位奪還を目指す11代目DA16T(2013-)

2013年8月、660cc新規格となってからは初めて、14年9ヶ月ぶりとなるフルモデルチェンジを受けた11代目キャリイが登場。全車フルキャブオーバー&ショートホイールベースに戻して居住性と取り回し性を向上するなどネガティブ面を徹底的につぶし、ようやく660cc新規格軽トラックの決定版としての姿を表します。

特にキャビンは単にフルキャブオーバーとしただけではなく、荷台のフロントデッキ廃止で運転席のヒップポイントを後方へ15mmずらし、ステアリングもコラムカバー小型化や角度を変更、運転席シートスライド(スライド量140mm)やアームレスト付成型ドアトリムなどの採用で快適性を高め、ドア開放幅や足元開口部の拡大で乗降性を向上するなど、大幅な改良が行われました。

また、1BOXモデルのエブリイとは型式が異なり(エブリイのDA17Vに対しキャリイはDA16T)、フロントマスクやキャビンのデザインも全く異なるなど別な進化を遂げ、軽トラックへ特化することで使い勝手や居住性が大きく改善されています。

また、キャビンについてはこれまでダイハツ・ハイゼットジャンボの独壇場だった大型キャビンモデルも「スーパーキャリイ」として登場(2018年5月)、長らくハイゼットトラックへ譲ったままだった軽トラック販売台数1位の座をかけた追撃戦に移りました。

エンジンも新型となったほか、既存の3速AT車に加えて5速MTベースのセミオートマミッション「AGS(オートギアシフト)」搭載車を追加してAT限定免許しか持たないユーザーの増加に対応したほか燃費も向上。段階的な改良を受けて進化しつつ販売は続けられており、2019年9月には衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報など先進の安全装備も加えられています。

さらに、従来からのマツダ・スクラムトラックに加え、2013年12月からは日産・NT100クリッパーとして、2014年2月からは三菱・ミニキャブトラックとしてOEM供給を始め、エブリイ/エブリイワゴンともども日本車では稀な4メーカー販売体制を整えた4兄弟車となりました。

代表スペックと中古車相場

スズキ DA16T キャリイ KC 2019年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,765
ホイールベース(mm):1,905
車重(kg):680
エンジン:R06A 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
排気量:658cc
最高出力:37kw(50ps)/5,700rpm
最大トルク:63N・m(6.4kgm)/3,500rpm
JC08モード燃費:19.8km/L
乗車定員:2人
駆動方式:FR
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)リーフリジッド
中古車相場:2.8~150万円(特装車除く・車両本体価格・2019年12月現在)

各代の新装備

初代 FB

・新型空冷2サイクル2気筒360ccエンジン「FB」
・2~4速シンクロつき4速コラムシフト

わずか1年程度の突貫作業で設計から生産・販売までこぎつけただけに初代スズライト・キャリイは超保守的、よくいえばどう使っても壊れにくい単純シンプルかつ頑丈な構造で作られており、サスペンションからして前後リーフリジッドでしたから、目新しい装備はそう多くはありません。

しかしエンジンだけは西ドイツ(当時)のロイトLP400を参考に作られたスズライトのようなFF車と異なりFR方式で、スズライトの時には作る設備のなかった(だからFF車だった)後輪デフ用のベベルギアも製造の目処がたったため、FRレイアウトへ搭載する新型エンジン「FB」が準備されました。

オートバイメーカーだったスズキは二輪車用単気筒エンジンを直列2気筒化したような構造へシリンダーごとのキャブレターを与え、最高出力21馬力を発揮。オートバイ用エンジンが元らしく高回転高出力型でしたがミッションのギア比で調整し、燃費は悪化するものの登坂能力などはライバル車より上回っていたためむしろ好評で、その後4代目までのキャリイと初代ジムニーの初期型にも搭載されました。

また、組み合わせられるミッションは当時のライバルが三菱・360やマツダ・B360を除けば3速MTだったのに対しコラムシフトの4速MT、それも2~4速シンクロつきという当時としては贅沢なミッションが搭載され、構造こそシンプルなものの、動力性能については妥協しなかった姿勢がうかがえます。

2代目L20

・分離給油機構「CCI」
・フロントダブルウィッシュボーンサスペンション

突貫作業で作られた初代より余裕のあった2代目では、フロントサスペンションをリーフリジッドからダブルウィッシュボーン独立懸架として操縦性や乗り心地を改善。

また、2サイクルエンジンではオートバイでも自動車でもガソリンへエンジンオイルを一定の割合で混ぜる混合給油が一般的でしたが、ヤマハの「オートルーブ」やダイハツの「オイルマチック」に続き、スズキでも別々のタンクから自動でガソリンとオイルを混合してくれる分離給油機構「CCI」(Cylinder Crankshaft Injection)を採用し、2代目キャリイ用のFBエンジンへ搭載。オートバイレースでの実績から開発された技術を市販車にフィードバックしたという経緯はヤマハと同じです。

3代目L30

・フルキャブオーバースタイル

2代目とほとんどの期間を併売されていた3代目キャリイでは装備面で特に目新しいところはなかったものの、それまでボンネットを持ち、キャビンの下へエンジンを搭載していたセミキャブオーバースタイルからフルキャブオーバースタイルへと変化し、荷台長を大幅に拡大しました。

4代目L40

4代目キャリイはその斬新なデザインを実現するため歴代初の縦型ドアノブを採用したくらいで、特に新装備はありません。キャリイバンに限っていえば前席後方、スペアタイヤなどのスペース上に設けられたテーブルが好評で、後にキャンピングカー仕様が登場するキッカケともなっています。

5代目L50/ST10

・新型水冷2サイクル2気筒360ccエンジン「L50」
・新型水冷2サイクル3気筒550ccエンジン「LJ50」
・フロアシフト
・スライドドア(キャリイバン)
・電動式ウインドーウォッシャー

ライバルより高出力で好評だったFBエンジンですが、空冷ゆえに夏場に酷使するとオーバーヒート傾向があり、5代目からは安定した性能を発揮するため水冷化されたL50を搭載し、先代までのコラムシフトから変更されたフロアシフト式4速MTとの組み合わせ。

さらに軽自動車規格変更で550cc化されたLJ50が末期の「キャリイ55」へ搭載されるとともに、現在の自動車で見られるような電動式のウィンドーウォッシャーが装備されました。
また、キャリイバンではサイドドアが歴代で初めてスライドドア化されています。

6代目ST20

初めて最初から550cc版として販売された6代目ですが、既に先代末期のハイゼット55で550cc化されていたため、エンジンや装備面で特に目新しいものはありません。

7代目ST30/31/40/41

・新型水冷4サイクル3気筒SOHC6バルブ550ccエンジン「F5A」
・パートタイム4WD
・LSD(リミテッドスリップデフ)

7代目キャリイでは、スズキがなかなか開発できずにいた軽自動車用4サイクルエンジンがようやく実用化され、550cc3気筒SOHCの「F5A」を搭載。トルクや振動面で2サイクルへかなわない部分もあったため従来からの2サイクルエンジンLJ50搭載車も継続されましたが、キャリイバンのみ1981年7月でLJ50が廃止されています。

また、1981年8~9月にはトラックとバンへ相次いでパートタイム4WD車が設定され、1980年に先行していた3代目スバル・サンバーに続く2番めの4WD軽トラになり、1983年3月には4WD車のリアデフに悪路走破性を高めるLSD(リミテッド・スリップデフ)も装着されました。

8代目DA71T/81T/41T/51T/DB71T/41T/51T

・新型水冷4サイクル3気筒SOHC12バルブ550ccエンジン「F5B」
・スーパーチャージャー(機械式過給機)
・新型水冷4サイクル3気筒SOHC12バルブ660ccエンジン「F6A」
・5速MT
・フロントディスクブレーキ(上級グレードのみ)
・デフロック(4WD)
・オートフリーホイールハブ(4WD車)

8代目キャリイのエンジンは当初こそ先代同様の2サイクルLJ50と4サイクルF5Aでしたが、LJ50はすぐに廃止され、1989年5月には4バルブ化されるとともにビッグボア・ショートストローク化で若干排気量も拡大した「F5B」へ変更されました。

また、トルクフルで好評だった2サイクルエンジン廃止へ対応するためか、1987年6月にはF5Aを3バルブ化し、機械式過給機を組み込んで低回転トルクをアップしたスーパーチャージャー版搭載車が登場、スーパーチャージャーはF5B版もありましたが、こちらは自然吸気の4バルブに対し2バルブ仕様になっています。

1990年3月には新規格移行に伴いF5Bをロングストローク化して660ccへ拡大したF6Aが搭載されるようになり、トルクアップのためかスーパーチャージャー仕様は廃止されました。

組み合わせられるミッションは当初4速MTでしたが、1986年7月のマイナーチェンジで上級グレードには5速MT(4WD車はエクストラ・ロー付き)が搭載され、またモデルチェンジ当初から上級グレードのみフロントディスクブレーキとなりました。

4WD機構も改良され、1986年7月にデフロック機構を追加したほか、1991年3月にはオートフリーホイールハブが標準装備となって、降車せずとも4WDへの切り替えが可能になっています。

9代目DC51T/DD51T

・4サイクル3気筒SOHC6バルブ660ccターボエンジン「F6A」
・EPI(電子制御燃料噴射)
・3速AT

技術や装備面では先代で一通り整えた感があり、660cc規格への対応でキャビン大型化など快適性向上に力の入った9代目ですが、モデル末期の1997年5月にはライバルのハイゼット・ツインカムやサンバー・スーパーチャージャーへ対抗してか、ターボエンジン搭載車をラインナップ。1BOXバンはともかく軽トラでターボエンジンを搭載したのは9代目と10代目キャリイのみで、軽トラで走りを好むユーザーにとっては貴重なモデルとなっています。

また、ターボエンジンにはキャリイで初めて燃料供給にキャブレターではなくEPI(電子制御燃料噴射装置)を採用、さらにこれまでなかったAT車も1993年1月に「KC」グレードの2WD車へ初の3速ATを設定し、これもキャリイトラックでは初となりました。

10代目DA52T/62T/63T/65T/DB52T

・クラッチスタートシステム(MT車)
・4サイクル3気筒DOHC12バルブ660ccエンジン「K6A」
・分離荷台(2002年5月のビッグマイナーチェンジ以降)

660cc新規格対応のための設計変更がかなり裏目に出て、14年以上のモデルライフの間に何度か大規模な改良を受けている10代目ですが、意外にも新装備と呼べるものはそう多くありません。

まずエンジンは当初従来通りのF6Aでしたが、ターボ車に続き4WD車もEPI化され、排ガス規制強化のため1999年11月のマイナーチェンジで全車EPI化とともにMT車にはクラッチスタートシステムを追加してエンジン始動時の誤発進を抑制。さらに2001年9月にはエンジンがF6AからオールアルミDOHCエンジンのK6Aへ変更され、ついに軽トラもDOHCエンジンの時代になりました。

2002年5月には1BOX版のエブリイと完全に構造が異なるほどのビッグマイナーチェンジデデザインも大きく変更され、荷台も再設計されて腐食時などの交換が容易、かつ衝撃も低減できる分離荷台が採用されています。

11代目DA16T

・運転席シートスライド
・防錆鋼板仕様フレーム
・新型4サイクル3気筒DOHC12バルブ660ccエンジン「R06A」
・5速シングルクラッチ式セミオートマ「AGS」(オートギアシフト)
・ディスチャージヘッドランプ(上級グレード)
・超音波センサー式誤発進抑制機能/後方誤発進抑制機能
・衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」
・車線逸脱警報
・ふらつき警報
・先行車発進お知らせ機能
・ハイビームアシスト
・ESP(横滑り防止装置)
・オートライト
・ヒルホールドアシスト(3AT車および5速AGS車)

10代目で不評だった部分を徹底改良した11代目では、キャビンの居住性改善のため大型化でゆとりをもたせ開口部拡大により乗降性も拡大させるとともに、運転席シートスライドを設けてドライビングポジションを最適化。さらに耐久性や衝突安全性能向上のため各所に防錆鋼板や超高張力鋼板が採用され、特に防錆鋼板を採用したフレームは軽トラック初でした。

エンジンも最新のR06Aへ換装されて動力性能と燃費性能の両立をはかり、新たに5速MTをアクチュエーターで自動化した5速セミオートマのAGS(オートギアシフト)を採用、坂道発進を容易にするためクリープ現象モードやヒルホールドアシスト(後に3AT車にも装備)、下り坂でのエンジンブレーキ機能やシーケンシャルマニュアルモードも装備しましたが、2019年9月の改良以降は後述するスーパーキャリイのみ残し、全て5速MTと3ATに回帰しています。

先進装備が数多く搭載されるようになったのもこの代の特徴で、2018年5月には上級グレードへの標準装備を中心にその他グレードへもオプションで、超音波センサーを採用した前方および後方への誤発進抑制機能を搭載。

2019年9月には前方センサーをステレオカメラへ変更し、そのセンサーを活かして衝突被害軽減ブレーキ(デュアルカメラブレーキサポート)や、車線逸脱警報、ふらつき警報、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト(自動防眩ハイビーム)、オートライトを実装するとともに、ESP(横滑り防止装置)も搭載して予防安全性能も大きく向上、上級グレードへ標準装備されるとともに、その他グレードにも「スズキ セーフティサポート」としてセットオプション化しています。

他にはディスチャージヘッドランプも上級グレードへ搭載され、かつての「安くて単純でシンプルな働き者」という軽トラックの概念を大きく変える改良が行われました。

派生車

スーパーキャリイ

(11代目ベース)

通常のキャリイのキャビンを後方へ大きく延長、シートスライドに加えリクライニング可能で快適性も高い座席を装備し、居住性を大きく改善するとともにシート背後のスペースへ濡れては困る荷物なども搭載可能としたモデルで、長年ダイハツ・ハイゼットジャンボの独壇場だった大型キャビン軽トラへスズキが2018年5月から初参入しています。

ハイゼットジャンボより大型化されたキャビンの影響で必然的に荷台長は短くなっていますが、シート後方スペースを底上げすることで荷台側のキャビン外側を深くえぐり、限定的ながら荷台床長は確保する工夫が施されました。

キャビン延長部の側面窓もハイゼットジャンボより大きく、荷台の使い勝手こそ劣るもののレジャー用の2シーター乗用車として使う分にはむしろ快適性向上で勝る面もあり、商用ユーザーのほかにレジャー用途に使いたいユーザー向けのアピールが行われています。

エブリイ/エブリイワゴン

(7代目以降派生)
7代目途中から商用1BOXバンのキャリイバン上級グレードが「エブリイ」として独立、9代目途中からキャリイバンが廃止されてエブリイへ統合されたもので、商用1BOXバン仕様が「エブリイ」、1996年6月から登場した乗用5ナンバー登録1BOXワゴン仕様が「エブリイワゴン」となっています。

ただし10代目キャリイ途中からエブリイ/エブリイワゴンはエンジンや駆動系は流用しつつ構造やデザインは全く異なる別車となっており、今や単にキャリイから生まれただけの車となりました。

なお、後述のキャリイOEM供給車と同様、エブリイ/エブリイワゴンもそれぞれマツダ、三菱、日産へOEM供給されています。

マツダ・スクラムトラック

(8代目以降OEM供給)
8代目途中から、ポーターキャブの独自生産をやめたマツダへOEM供給を始めたもので、マツダが5チャンネル販売体制時代には「オートザム・スクラム」として販売され、それ以外の時代はマツダ・スクラムとして販売されています。

三菱・ミニキャブトラック

(11代目OEM供給)
マツダと同様、ミニキャブの独自生産をやめた三菱へ11代目途中からOEM供給を始めたもので、マツダとは異なり車名は「ミニキャブトラック」のまま販売を続けています。

日産・NT100クリッパートラック

(11代目OEM供給)
2000年代に入ってから本格的に軽自動車市場へ参入した日産では、軽トラックを三菱からミニキャブトラックのOEM供給を受けていましたが、その三菱が独自生産をやめOEM供給に切り替える決定を下したため、一足早く供給元をスズキに切り替えました。

メガキャリイ

(日本未発売)
キャリイをそのまま大きく拡大してエンジンも排気量アップした、海外向け小型トラック版キャリイで、販売国により「キャリイ」「メガキャリイ」など車名は異なるものの、デザインに面影を残しつつ、実質的にキャリイよりかなり高い能力を持つトラックとして販売されており、エブリイのような1BOXタイプも存在します。

次期モデル大予想

軽商用車市場の縮小により、1980年代末のマツダに続きスバル、三菱が2010年代に脱落、ホンダも2021年頃を目処に「アクティトラック」の独自生産から撤退するなど、かなり隙間風が吹いている軽トラック。

もはや2020年も独自生産を続行するのはダイハツ・ハイゼットトラックと、このスズキ・キャリイしかなくなってしまうことが決まりましたが、それだけに今後はライバルともども何としても生産を続け、個人経営の農家や事業主から大企業の工場などまで、日本全国で走り続けねばならない重要な使命を託されています。

少なくなった市場をこの2台とOEM供給された各車でまかなうことになるため、そう簡単に販売不振で消え去ることもなさそうな一方、ライバル不在でよほど不振にならない限りモデルチェンジの必要性が薄れたのも事実です。

しかもどちらも耐久性向上のため防錆鋼板や超高張力鋼板、新素材の積極的な採用や、衝突被害軽減ブレーキなど最先端の予防安全技術も搭載されるようになって、相変わらずエアコンが標準装備されない最廉価グレードを除けば、もはや安くてシンプルな車とは言えなくなりつつあります。

必要なセンサーやコンピューターは装備されているため、今後は電子制御スロットルや電動パワステを積極的に制御すれば、軽トラでありながら前走車追従式のACC(アダプティブ・クルーズコントロール)や、その先には手放し運転すら可能とする運転支援/自動運転システムの装備も夢ではありません。

ただし、根本的な軽トラックとしての機能は初代登場以来50年以上の歴史ですっかり熟成されきり、キャリイの場合は10代目の不評でネガティブ面も出し切っていることもあり、今後大きな改良をともなうモデルチェンジの必要性がすぐに到来することもなさそうです。

現行モデルの11代目が登場したのは2013年ですからまだ7年足らずと考えれば、20年くらい現行モデルを作ってもおかしくはなく、モデルチェンジのタイミングは早くて2033年頃かもしれません。

ただし、日本政府は2030年度までに現行の乗用車の燃費を30%以上改善することを求めており、軽トラックも乗用車ではないとはいえ軽乗用車と同じエンジンを使っているため、完全に無縁ではなく、いずれにせよしかるべき時期に大幅な燃費改善を求められるのは目に見えています。

軽トラックでもマイルドハイブリッド車やEV(電気自動車)が求められ、2020年以降に発売されていく超小型車のトラック版も登場するであろうことや、軽自動車規格が現状のままでいつまで存続されるかが不透明なことを考えれば、2030年を待たずにモデルチェンジするか、あるいは超小型トラックへ移行する可能性も皆無ではありません。

予測しきれない未来はともかく、もし軽トラックが現状のまま販売を許されるならば、モデルチェンジにより12代目キャリイが登場するのは早くても11代目発売から15年後の2028年頃、遅くとも30年後の2033年頃と大予想させていただきます。

その頃には新型の小型大容量バッテリー搭載によるEV化や、小型センサーの発展による限定的な自動運転も実現していると、面白いかもしれません。