自家用車へ運賃を払う代わり目的地まで同乗させてもらう『ライドシェア』は、日本だと白タク行為になるためガソリン代などを折半する『相乗り』しか認められていません。しかし全面解禁の日は近いという声もあり、その時には個人事業主や中小企業としてライドシェア向きの車を購入、参入するケースも出るでしょう。そんな時にオススメしたい車を何台かご紹介します。

日本ではまだ馴染みの少ないライドシェア、海外ではライドシェア向けローンまである!

法律上、日本では旅客運送業として認められた業者や個人事業主でしか『運賃をとってお客を目的地まで運ぶ行為』は認められておらず、もし白ナンバーの自家用車でタクシーのように運賃を取ったら『白タク行為』として違法です。

実際には中国人観光客向けに中国のスマートフォンアプリが日本国内でもライドシェアサービスを始めて好評を得ているという実態もあり、高い需要に対して法律が追いついていない事から、早期解禁も近いと言われています。

今まで苦労して経営してきたタクシー会社や個人タクシーのドライバーはもちろん反発していますが、外国人向けサービスや長距離移動サービスに日本のタクシーやハイヤーが向いていない以上、おそらく「近場の日本人はタクシー、長距離や外国人はライドシェア」という棲み分けができるのではないでしょうか。

実際、ライドシェアが盛んになっている海外では『タクシーとはまた違った車で移動できるのも醍醐味』と言わんばかりに、ライドシェアへ参入するドライバー向けのカーローンもあったりします。

要はライドシェアの稼ぎでローン返済しつつ頑張って!というわけですが、普段の愛車より『快適な営業用の車』ならお客喜ぶ、収入増えるのもまた事実。

スマートフォンアプリで『指名待ち』をするのに有利そうな車で、なおかつ実用的な車を、2019年1月現在日本で販売している車から5台ほどリストアップします。

1.スポーティで快適な余裕の輸入高級車、BMW M5

まずいきなり高額ハイパフォーマンス車から紹介したいのがBMW5シリーズのハイパフォーマンス版『M5』です。
日本における輸入高級セダンといえば一番人気を誇る王者メルセデス・ベンツ車も捨てがたいのですが、それゆえメルセデス・ベンツ車のユーザーも気にするでしょうし、BMWユーザーなら普段乗っている3シリーズや5シリーズの高性能版の実力やいかに?とやはり気にしそう。

通常の5シリーズならば2リッター直列4気筒ターボまたはディーゼルターボ、あるいは3リッター直列6気筒ターボを搭載しているところ、M5は600馬力の4.4リッターV8ツインターボですから高速長距離巡航性能は超スムーズです。
それでいて内外装は高級感にあふれていますし、普段国産車にしか縁がないユーザーの中には『メルセデス・ベンツ』ブランドに圧倒される人もいるかと思いますが、若々しくスポイーティーなイメージあるBMWの方が敷居が低いのも魅力と言えます。

絶対的な車内の広さではもちろんミニバンやSUVにはかなわず、あまり大荷物を抱えた人へ提供できるラゲッジスペースもそう広くはありません。

しかし、家族旅行で重視される要素よりも『高速道路を滑るように走る快適さ』や、『高級ホテルへ乗り付けても全く違和感のないフォーマルさ』といった非日常感を演出しつつ、3シリーズ系のM3のように「一番安いBMWのMセダン」と余計なツッコミが入る事もなし!

実際に現状のライドシェアサービスでもM5を使っているドライバーがいますが、同乗者からの評価もかなり高いようです。

高性能はドライバーの余裕も生むのか、長距離ドライブでも同乗者に不快感を与える事なく会話が弾むケースもあるようで、長距離メインで考えるなら検討して良い1台だと思います。

BMW M5 スペックと価格

BMW M5 2019年式
全長×全幅×全高(mm):4,965×1,905×1,480
ホイールベース(mm):2,980
車重(kg):1,950
エンジン:S63B44B 水冷V型8気筒DOHC32バルブ ICツインターボ
排気量:4,394cc
最高出力:441kw(600ps) / 6,000rpm
最大トルク:750N・m(76.5kgm) / 1,800~5,600rpm
乗車定員:5人
駆動方式:4WD
ミッション:8AT
サスペンション形式:(F)ダブルウィッシュボーン・(R)マルチリンク
新車価格:1,703万円

2.EV走行距離も長いプラグインハイブリッド、ホンダ クラリティPHEV

お次は国産セダン勢ですが、レクサスやトヨタの4ドアセダンは定番中の定番、輸入車より安心感を与えるほどですが、いかんせん少々『当たり前すぎる』という難点があります。

おそらくライドシェアアプリの『指名待ち』でもかなりの台数を占めると思われますが、それだけにまず車種で絞り込もうという同乗者にとって「なんか同じ車ばかりでよくわかんない」と思われてしまう可能性も。

さりとて日産のセダンはシーマもフーガも古いですし、スカイラインに至っては「知ってるのと違う(スカイリアンGT-Rじゃない)」といまだに言われかねません。

ならばと推したいのが近年4ドアセダンを数多くリリースしているホンダで、中でも最新のプラグインハイブリッドシステムを搭載した『クラリティPHEV』など新鮮味があってオススメです。

同じホンダのセダンでもアコードやシビック、インサイトは知名度がありすぎますし、いずれもどちらかと言えば大衆車として名を売っただけに、快適な乗り物であり非日常性も味わえるとなると、推しはやはりクラリティPHEV(なお、燃料電池車のクラリティ フューエル・セルもあります)。

ハイブリッドシステムの基本はホンダがようやく手にした信頼性も高く低燃費の『i-MMD』を採用、基本的にはエンジンで発電してモーターで走るシリーズ式ハイブリッドに近いのですが、高速巡航時は効率の高い1.5リッターVTECターボがメインとなります。

そのシステム自体は他のホンダ製セダンでもアコードやインサイトへ採用されていますが、大容量リチウムイオンバッテリーを搭載し、外部充電でエンジンを始動する事なく114.6km(JC08モード)もEV走行できるのはクラリティPHEVだけ!

純粋にプラグインハイブリッドとして考えてもトヨタ プリウスPHVや三菱 アウトランダーPHEVよりはるかにEV走行距離は長いため、長距離ドライブ時は一般道は完全EV走行、高速道路のみエンジンとモーターアシストで走れます。

しかもボディサイズは前項のBMW M5よりホンの少し小さい程度なのでセダンとしては車内が十分に広く、先進の予防安全装備『ホンダセンシング』も標準装備なので、ドライバー、同乗者ともに長距離高速巡航はラクラク快適。
しかも短距離利用の場合はEV走行で静粛性が非常に高い上にガソリンを使わないため、コストパフォーマンスの高さもありがたいところでしょう。

ライドシェアの『指名待ち』で目立てる上に先進技術を満載したクラリティPHEVは、国産セダンの中でならイチ推しです!

ホンダ クラリティPHEV スペックと価格

ホンダ ZC5 クラリティPHEV EX 2019年式
全長×全幅×全高(mm):4,915×1,875×1,480
ホイールベース(mm):2,750
車重(kg):1,850
エンジン:LEB 水冷直列4気筒DOHC16バルブVTEC+モーター
排気量:1,496cc
最高出力:77kw(105ps) / 5,500rpm
最大トルク:134N・m(13.7kgm) / 5,000rpm
乗車定員:5人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)マルチリンク
新車価格:588万0,600円

3.ミニバン需要への大鉄板!トヨタ アルファード

国産セダンで奇をてらってみたのでミニバンでもそうかと思えばさにあらず、ミニバンで移動したいと思うユーザーが求めるのは広さや快適性、荷物をたくさん積めて、安心感も高い定番車の請求力は外せません。

人気の面では同じトヨタでもノア3兄弟(ノア/ヴォクシー/エスクァイア)や日産 セレナ、ホンダ ステップワゴンなど中型ミニバンやシエンタなどコンパクトミニバンも捨てたものではありませんが、これらはあくまでファミリー用途での話。

ライドシェアでミニバンを求めるユーザーはむしろ観光やイベント参加のため大荷物な事も多く、積載力と快適性を兼ね備えた大型1BOXミニバン一択で、今や存在感のない日産 エルグランドやトヨタ エスティマより断然、アルファード / ヴェルファイアの『アルヴェル兄弟』か、ハイエースです。

このうちハイエースは商用車っぽいデザインを嫌うユーザーもいるので外すとして、ヴェルファイアも保守層ユーザー向きではない、いわばイケイケなお兄さんが出てきそうな車は避けられますから、ライドシェア向きなのはアルファードでしょう。

最近は流行もあってメッキパーツだらけになってしまいましたが、それでも内外装の落ち着きは大人向けで、快適性だけでなくゆったりした気分にさせる効果も抜群。

中国人観光客向けの違法白タクで多用されているのもアルファードですが、違法であれ合法であれ、同乗希望者から支持されるのには理由があるというわけです。

トヨタ アルファード 代表スペックと価格

トヨタ AYH30W アルファード ハイブリッド エグゼクティブラウンジS 2019年式
全長×全幅×全高(mm):4,950×1,850×1,950
ホイールベース(mm):3,000
車重(kg):2,240
エンジン:2AR-FXE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター
排気量:2,493cc
最高出力:112kw(152ps) / 5,700rpm
最大トルク:206N・m(21.0kgm) / 4,400~4,800rpm
乗車定員:7人
駆動方式:4WD
ミッション:CVT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)ダブルウィッシュボーン
新車価格:750万2,760円

4.スタイリッシュな3列シートSUV、マツダ CX-8

乗降性ではセダンやミニバンに劣るものの、着座位置の高さからくる解放感で長距離ドライブ時に心理的負担の少ないSUVへ乗りたい!という同乗希望者も少なくないはずです。

何しろ全世界的にSUV人気のため国産・輸入問わず多数の車種がラインナップされていますが、ライドシェア用として実用性を考えると3列シート車、車重が重く燃費や加速が悪くなりがちなSUVのネガティブを補うクリーンディーゼル車を選びたいところ。

その中でもひときわスタイリッシュでディーゼルエンジンの性能にも優れた1台となると、マツダCX-8を最有力候補とさせていただきます。

名車CX-5の前半分に北米で人気の大型3列シートSUV、CX-9の後ろ半分を繋げる形で作られたCX-8は、日本国内でも取り回しに困らない程度のサイズ感と3列目シートでも卑屈すぎない車内空間を両立しました。

さすがに本物のミニバンほど積載性に優れるわけではありませんが、SUVに乗りたいけど同乗希望者が少々多い…という場合の要望に応えるには最適の1台です。

2018年11月のマイナーチェンジでガソリンエンジンにも2.5リッターターボ車が加わりましたが、ライドシェアでの本命は2.2リッターディーゼルターボ車で、4リッターV8ガソリンエンジン並の大トルクを誇る世界屈指のハイレベルディーゼルエンジン『SKYACTIVD-2.2』で余裕ある快適な旅を楽しんでいただきましょう。

もちろん、昔のディーゼルようにガラガラ音やモクモクした黒煙はありません。

マツダ CX-8 代表スペックと価格

マツダ KG2P CX-8 XD Lパッケージ 2019年式
全長×全幅×全高(mm):4,900×1,840×1,730
ホイールベース(mm):2,930
車重(kg):1,900
エンジン:SH-VPTS 水冷直列4気筒ディーゼルDOHC16バルブ ICターボ
排気量:2,188cc
最高出力:140kw(190ps) / 4,500rpm
最大トルク:450N・m(45.9kgm) / 2,000rpm
乗車定員:6人
駆動方式:4WD
ミッション:6AT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)マルチリンク
新車価格:446万0,400円

5.過疎地や住宅地需要に特化するならコスパ命!ダイハツ ミライース

最後はいきなり軽自動車か!と思うかもしれませんが、ライドシェア需要は大都市での観光や都市感長距離交通のみではありません。

過疎地や山がちな住宅地で交通弱者の足として、病院やスーパーに行く足として存分に活躍してみせましょう!というライドシェア需要も当然あると思うべきで、そうなると基本は短距離、利用頻度は高く、それでいて運賃は格安設定が必要。

そうなると『最低限の快適性を満たし、燃費は良くて頻繁な利用に耐える耐久性があり、何より安い』ことが求められ、今や数少なくなった軽ベーシックカーが最適です。

条件を満たすのはスズキ アルトかダイハツ ミライース(ミラトコットでも可)ですが、アルトで本当に安いアルトバンですと後席は簡易すぎて最低限の快適性を満たしていると言い難いため、ミライースの廉価グレード『L』が最有力候補。

本当はさらに安いビジネスグレード『B』があるのですが、後席ドアの窓がはめ殺しになっていて開閉不能など、やはり後席に誰かを乗せるのには向いていません。

気になる後席のスペースですが、2010年代以降の軽乗用車はホイールベース延長などでいずれも昔の軽自動車とは異なるイメージの、ヘタなコンパクトカーより広いのが魅力で、軽自動車規格により定員が4名へ制限されるのを除けば、ネガティブ面はなし。

タイヤなども小さいので維持費も安く、とにかく最高のコスパで回転率の早いライドシェアをやろうと思えばオススメしたい1台です。

ダイハツ ミライース 代表スペックと価格

ダイハツ LA350S ミライース L”SAIII” 2019年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,500
ホイールベース(mm):2,455
車重(kg):650
エンジン:KF 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
排気量:658cc
最高出力:36kw(49ps) / 6,800rpm
最大トルク:57N・m(5.8kgm) / 5,200rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
新車価格:93万9,600円